Vinyl Record Reviews
Dark Globeは、Matt FrostとPete DiggensによるUKのエレクトロニック・ユニットだ。2人はケント州北部で幼馴染として育ち、別々の音楽活動を経て、Dark Globeとして動き始めた。
Diggensはサイケ・パンク・バンドElectric Sex Circusのドラマーとして活動し、Frostはエレクトロ系のレコード制作や自主リリースを続けていた。2人は1993年から1996年にかけて、自身のレーベルViolent Drumから共同作品を発表している。
その後、Andrew WeatherallのクラブイベントSabresonicでプレイが注目され、ここが転機になった。1997年には、Leftfield主宰のレーベルHard Handsと契約し、Dark Globeとして本格的に活動を始めている。
1999年には1作目のアルバム『Tales Of Dirt & Sparks』を発表した。以降もリミックスや作品を重ね、2006年の『Nostalgia For The Future』では、Amanda Ghostをヴォーカルに迎えた「Break My World」がヒットを記録している。
活動の流れを見ると、クラブ・シーンでの評価を起点に、アルバム制作やリミックスへと展開していった形だ。MySpace、SoundCloud、Resident Advisorのプロフィールでも、こうした経歴が確認できる。
Dark Globeのサウンドは、映画的な質感を持つブレイクビーツ、ダウンテンポ、そしてポップ寄りのメロディ感を組み合わせたものとして紹介されている。特に、ただビートを積み上げるだけではなく、曲の中に余白や展開を作る作り方が目立つ。
「Break My World」のようにヴォーカルを前面に出した曲もあり、インスト中心のクラブ・トラックだけでなく、歌ものとしての輪郭も持っている。サイケ・パンクやエレクトロの背景を持つ2人が組んだユニットらしく、硬いリズムとメロディの扱い方にそれぞれの経歴が反映されている。
Andrew Weatherallに見出された経緯からもわかるように、Dark GlobeはUKアンダーグラウンド・エレクトロニック・シーンの文脈で語られることが多い。Hard Handsからのリリースも含めて、90年代後半以降のブレイクビーツやダウンテンポの流れの中に位置している。
派手に前に出るタイプというより、クラブで機能する構成と、聴き込みに耐える楽曲性の両方を持っている点がこのユニットの特徴だ。作品を追うと、時代ごとのUKエレクトロニック・ミュージックの空気も見えやすい。
まずは『Nostalgia For The Future』と「Break My World」から入ると、Dark Globeの持つビート感と歌のバランスがつかみやすい。そこから『Tales Of Dirt & Sparks』に戻ると、ユニットの初期の組み立て方も見えやすい。
90年代UKクラブ・ミュージックの流れを追うときにも、Dark Globeは押さえておきたい名前だ。
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