Vinyl Record Reviews
Mushroomは、1970年から1975年にかけて活動したダブリン出身のバンドだ。メンバーはAonghus McAnally(ギター/ヴォーカル)、Pat Collins(フィドル/ヴォーカル)、Michael Power(キーボード)、Alan Brown(ベース)、Colm Lynch(パーカッション)の5人編成で、アイルランドの1970年代ケルト・ロック・シーンの一角を担っていた。
1970年代初頭のアイルランドでは、Horslipsの成功をきっかけに、伝統音楽の要素をロックに取り込む流れが広がっていた。Mushroomもその流れの中にいたバンドとして扱われている。Steeleye SpanやFairport Conventionと比較されることもあるが、実際にはアイルランド国内で形成されたケルト・ロックの文脈に置いて見るほうが近い。
バンドは1970年に結成され、1975年まで活動した。短い活動期間のなかで、アイルランド国内では存在感を残している。
Mushroomの代表作は、1973年のクリスマスに発表された唯一のアルバム『Early One Morning』だ。Eamonn Andrews StudiosとAir Studiosの2つのスタジオで制作され、Martyn Fordがプロデュースを担当した。
この作品はアイルランド国内で商業的に成功し、バンドの活動を示す重要な記録になっている。収録内容や演奏面を含めて、当時のアイルランドのケルト・ロックの広がりを確認できる作品として見られている。
Mushroomは、伝統音楽の要素を持ちながらロックの編成で演奏するバンドとして受け止められている。フィドル、キーボード、ベース、パーカッション、ギター/ヴォーカルという構成は、フォーク系の素材をバンド・サウンドに乗せるための形になっている。
外部の比較対象として名前が挙がるバンドはあるものの、Mushroom自身はアイルランド国内のケルト・ロックの流れに沿って活動していた、という整理がしやすい。
Aonghus McAnallyは、バンド解散後にStarbandやCrackersで活動し、その後はテレビ番組制作の分野へ移っている。
Colm Lynchは1975年以降にデンマークへ移住し、現地でソロ・アーティストとして4枚のアルバムを発表している。
Mushroomはアルバム1枚を残して解散したバンドだが、1970年代アイルランドのケルト・ロックを語るうえで外せない存在として扱われている。Horslipsが切り開いた流れの中で、同時代のシーンを支えたグループのひとつとして記録されている。
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