Al Johnson - Back For More (1980)
Al Johnson 1980

Al Johnson - Back For More (1980)

Funk / Soul Soul Disco

Al Johnson『Back For More』(1980)

Al Johnsonの『Back For More』は、1980年にUSのColumbiaからリリースされたソウル・アルバムだ。アーティスト自身はR&B/ソウルのシンガーであり、ソングライター、アレンジャー、プロデューサーとしても活動した人物で、Howard University在学中にThe Unificsを共同結成した経歴を持つ。セッション・キーボード奏者としても知られ、当時の洗練されたブラック・ミュージックの制作現場と近い位置にいたことが、この作品にもよく出ている。

このアルバムは、1979年6月から7月にかけてカリフォルニア州バーバンクのKendun Recordersで録音され、1980年にCBS Inc.の名義で世に出た。クレジットを見るだけでも、当時のR&Bシーンの交差点にある作品だとわかる。Jean CarnとThe Jones Girls、Lee Ritenour、Don Myrick、Stephanie Spruill、Bill McCoyらが参加し、それぞれが所属先の表記つきでクレジットされている。フィラデルフィア・ソウル、ジャズ寄りのギター、ファンクの演奏感、そしてスタジオ・ミュージシャン的な精度が重なった一枚という印象が強い。

作品の位置づけ

Al Johnsonにとって『Back For More』は、ソウル・シンガーとしての持ち味をより広く示したアルバムとして捉えやすい。70年代後半から80年代初頭にかけてのブラック・ミュージックは、ディスコのリズム感、ソウルの歌心、洗練されたアレンジが接近していく時期だったが、この作品もその流れの中にある。Columbiaという大手レーベルからの発表でありながら、内容は大味にならず、歌を中心に据えた構成になっている。

Al Johnsonは、派手に前面へ出るタイプというより、楽曲の流れの中で細かなニュアンスを積み上げるタイプの歌い手として知られる。『Back For More』でもその方向性は保たれていて、メロディの運び、コーラスとの絡み、リズム隊の上での乗せ方に、丁寧さがある。ソウルの中でも、ダンス寄りの曲とミッドテンポの楽曲が自然に並ぶ時代感のある作りだ。

サウンドの印象

このアルバムを聴くと、まず演奏の輪郭がはっきりしている。ベースとドラムは芯があり、上物のギターやキーボードは過度に前へ出ず、歌を支える形で配置されている。リー・リトナーの参加は、音の整理された質感にもつながっているように感じられるし、ドン・マイリックのようなプレイヤーが加わることで、ホーンやアンサンブルの押し出しにも厚みが出ている。

また、フィラデルフィア系の人脈が見えるのも大きい。Jean CarnやThe Jones Girlsの参加は、いわゆるフィリー・ソウルの流れを思わせるコーラスワークや、滑らかなボーカルの重なりを連想させる。ディスコ期の軽さだけに寄らず、ソウルらしい粘りを残している点が、この作品の聞きどころになっている。

注目曲とアルバムの流れ

収録曲の詳細なクレジットが手元にないため曲名ベースでの個別比較はできないが、アルバム全体としては、派手な一発よりも、複数の楽曲が連続して雰囲気を作るタイプだ。録音時期が1979年夏ということもあり、70年代ソウルの終盤らしい余韻と、80年代に入っていく整った質感が同居している。歌が前に出る場面でも、伴奏が細かく動き続けるため、単調さは出にくい。

とくに、この時期のソウル作品で重要になるのが「踊れるが、歌が薄くならない」バランスだが、『Back For More』はその点で安定している。ディスコ由来のグルーヴを持ちながら、ボーカルの抑揚やコーラスの配置でソウルらしさを保っているため、ダンス・ミュージックとしてだけでなく、歌ものとしても成立している。参加ミュージシャンの顔ぶれから見ても、演奏の精度とボーカルの説得力を両立させる意図が感じられる。

リリース情報とレーベル面

US盤のColumbia、カタログ番号はJC 36266。ColumbiaのJC番台は、80年代初頭のUS盤で見られる価格体系ともつながる番号で、この時期のLPとして自然な仕様だ。ラベル面にはCBS Inc.の表記があり、1980年当時のColumbia作品としての位置もはっきりしている。オリジナル同年のリリースなので、後年の再発盤に見られる編集や音質傾向の違いを考える必要はなく、当時の制作意図に近い形で聴ける盤といえる。

『Back For More』は、Al Johnsonの歌声を中心に、当時のソウル/ディスコ周辺の制作感覚をきちんとまとめたアルバムだ。派手な話題性よりも、スタジオ・ワークの確かさと、ゲスト陣を含めた演奏のまとまりが印象に残る一枚である。

トラックリスト

  1. A1 I'm Back For More 5:07
  2. A2 Saved By The Bell 4:40
  3. A3 You're A Different Lady 4:06
  4. A4 School Of The Groove 4:46
  5. B1 I've Got My Second Wind 5:32
  6. B2 Tonight's The Night For Love 5:38
  7. B3 You Are My Personal Angel 5:02
  8. B4 Peaceful 4:38

動画

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