Bring Me The Horizon - Live At The Royal Albert Hall (2016)
Bring Me The Horizon 2016

Bring Me The Horizon - Live At The Royal Albert Hall (2016)

Rock Symphonic Rock Post-Hardcore Metalcore

Bring Me The Horizon『Live At The Royal Albert Hall』について

Bring Me The Horizonの『Live At The Royal Albert Hall』は、2016年にリリースされたライヴ作品である。アーティストはイギリス・シェフィールド出身、2004年結成のメタルコア・バンドで、初期はデスコア寄りの強い音像で知られ、その後はより幅広いロックの要素を取り込んできた。本作は、そうしたバンドの変化をライヴという形で捉えた記録として位置づけられる。収録形態も多く、CD、DVD、Blu-ray、デラックス版、写真集付き仕様などが用意されていた。

レーベルはLive Here Now。ライヴ会場での録音と即時制作を手がけてきたレーベルで、会場収録の空気感をそのままパッケージ化することに強みがある。本作も、その性格がはっきり出たタイトルだといえる。一般的なスタジオ盤とは違い、演奏の揺れや会場の反響、観客の反応が作品の輪郭を作っている。

作品の位置づけ

Bring Me The Horizonにとって2010年代半ばは、サウンドの更新が大きく進んだ時期である。2015年の『That’s The Spirit』で、よりロック寄りの方向へ踏み出したあとに出た本作は、その新しい曲調をライヴ会場でどう鳴らすかを示すものになっている。初期の攻撃的なメタルコアを期待する聴き手にとっても、後期のメロディ重視の楽曲を追ってきた聴き手にとっても、バンドの現在地を確認しやすい内容だろう。

同時代の文脈で見ると、Bring Me The Horizonはメタルコアの枠内にとどまらず、オルタナティヴ・ロックやエレクトロ要素を取り込みながら大きく変化してきたバンドの一つである。ライヴ作品であっても、その変化ははっきり出ている。重量感のあるギター、シンセや打ち込み的な質感、そしてオリヴァー・サイクスの歌と叫びの使い分けが、会場規模の音像の中で整理されている印象だ。

Royal Albert Hallという会場の意味

タイトルにあるRoyal Albert Hallは、ロックやメタルの現場としては特別な響きを持つ会場である。格式のあるホールで、攻撃的なバンドが演奏するという構図自体に、少し独特の緊張感がある。本作では、その場に似合うように演奏がただ荒々しいだけではなく、曲ごとの構成やメロディの輪郭が見えやすい。ライヴ音源として聴くと、観客の熱量だけで押し切るのではなく、アレンジの整理された強さが前に出る。

実際に耳を通すと、ドラムとベースの土台がかなり明瞭で、ギターの刻みも埋もれにくい。ホール特有の残響が加わることで、スタジオ盤とは別の広がりが生まれている。もちろん、ライヴならではの揺れや勢いも残っていて、そこがこの作品の面白さでもある。

注目曲の聴きどころ

Can You Feel My Heart

Bring Me The Horizonの代表曲の一つとして知られるこの曲は、本作でも重要な位置を占める。スタジオ盤では電子的な質感と大きなサビの対比が印象的だったが、ライヴではその構造がより直接的に伝わる。静かな立ち上がりから一気に展開していく流れが、会場の空間を使って大きく響く。

この曲のポイントは、オリヴァー・サイクスの歌が単なるシャウトではなく、メロディを伴って前に出るところにある。観客が反応しやすいフレーズも多く、ライヴ作品としての役割が大きい一曲だといえる。バンドの後期スタイルを象徴する曲としても分かりやすい。

Drown

『That’s The Spirit』期を代表する楽曲として、こちらも本作で存在感がある。大きなコーラスと分かりやすいフックを持つ曲で、ライヴではその輪郭がさらに太くなる。ホールの響きと合わさることで、曲の持つ広がりがより前面に出る。

この曲では、バンドがメタルコアの文脈から離れすぎずに、より広いロックの聴衆へ届く形を作ってきたことが見えやすい。音圧はしっかりあるが、押しの強さだけではなく、歌のメロディが中心にある。セットの中でも流れを変える役割を持つ楽曲として聴ける。

Throne

勢いのあるリフと大きな合唱感を持つこの曲は、ライヴ映えが非常に分かりやすい。スタジオ盤での鋭さが、会場ではさらに直線的に感じられる。観客の声が重なる場面を想像しやすく、ライヴ作品の中でも推進力を作る一曲になっている。

Bring Me The Horizonが2010年代に広げた新しい方向性を、端的に示す曲の一つでもある。メタルコアの硬さと、ロック・アンセム的なスケール感の両方を持っていて、アルバム全体の流れの中でも印象が残りやすい。

まとめ

『Live At The Royal Albert Hall』は、Bring Me The Horizonがサウンドを更新した後の時期を、格式ある会場で記録したライヴ作品である。初期からのファンにとってはバンドの変化を確かめる材料になり、後期の楽曲に触れてきた人には、その曲たちがライヴでどう機能するかを示す内容になっている。メタルコア、ポストハードコア、シンフォニック・ロックといった要素が、会場の響きの中で整理されている点が印象的だ。

オリジナルの2016年盤として見ると、これは単なるツアー記録ではなく、当時のBring Me The Horizonの現在地を示すライヴ・ドキュメントといえる。演奏の緊張感、観客との距離感、そしてRoyal Albert Hallという場の特性が重なった一枚である。

トラックリスト

  1. A1 Intro (Overture: At The Earth's Curve) / Doomed
  2. A2 Happy Song
  3. A3 Go To Hell, For Heaven's Sake
  4. B1 Avalanche
  5. B2 It Never Ends
  6. B3 Sleepwalking
  7. C1 Empire (Let Them Sing)
  8. C2 Throne
  9. C3 Shadow Moses
  10. D1 True Friends
  11. D2 Follow You
  12. D3 Can You Feel My Heart
  13. E1 Antivist
  14. E2 Drown
  15. E3 Oh No

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