The Brothers Johnson - Right On Time (1977)
Brothers Johnson 1977

The Brothers Johnson - Right On Time (1977)

Funk / Soul Funk Soul

The Brothers Johnson『Right On Time』(1977)

The Brothers Johnsonのデビュー作にあたる『Right On Time』は、1977年にUSのA&M Recordsからリリースされたソウル/ファンク作品だ。ロサンゼルスを拠点に活動を始めた兄弟ユニットが、Quincy Jonesの周辺で存在感を強めていく流れの中で世に出したアルバムで、のちの代表曲「Strawberry Letter 23」や「Stomp」へつながる初期像がはっきり見える1枚でもある。グループの核はGeorge JohnsonとLouis Johnsonの兄弟で、バック・ミュージシャンとして培った演奏感をそのままアルバム単位に持ち込んでいるのがポイントだ。

制作はQuincy Jones Productions名義。録音は1977年2月1日から3月21日まで、A&M Recording Studio “B” in Hollywoodで行われている。A&Mの1970年代後半らしい、メジャー・レーベルの整理された音像の中に、ファンクのリズムとソウルの歌心をきっちり収めた内容で、当時の西海岸R&Bの空気も感じやすい。1977年の作品として見ると、ディスコの広がりとファンクの細かなリズム感が同居していた時期の記録としても興味深い。

アルバムの位置づけ

この作品はThe Brothers Johnsonにとって初期の出発点であり、後年の大きな成功を前にした基礎固めの段階にある。すでに演奏力は十分に高く、特にLouis Johnsonのベースは、曲全体の推進力を作る中心に置かれている。Quincy Jonesのプロデュースにより、単に演奏が上手いだけではなく、曲の構成やフックの見せ方まで含めて整理されているのがこの時点の特徴だ。

同時代の比較で言えば、同じく演奏力を前面に出したファンク・ソウルの流れの中にありつつ、より洗練されたポップ感がある。Earth, Wind & Fireのような大編成の華やかさとは少し違い、The Brothers Johnsonはリズムの切れ味と短いフレーズの反復で押していくタイプ。そこにQuincy Jonesの整ったプロダクションが加わって、ラジオ向きの明快さも備えている。

注目曲「Strawberry Letter 23」

このアルバムで最も知られているのが、Shuggie Otis作の「Strawberry Letter 23」だ。もともとの楽曲は1971年発表で、The Brothers Johnson版は1977年のこのアルバムで広く知られるようになった。後年にはヒット曲として定着し、この作品の代表曲として真っ先に挙げられることが多い。

聴きどころは、原曲の持つ独特の浮遊感を保ちながら、より輪郭のはっきりしたバンド・サウンドにまとめている点だ。ベースとギターの動きが細かく噛み合い、歌のメロディは軽やかに前へ出る。派手に盛り上げるというより、流れの中でフレーズが自然に耳へ残る作りで、アルバム全体の中でも存在感が強い。

アルバム全体の聴きどころ

『Right On Time』は、1曲ごとの派手さだけで押す作品ではなく、曲間を含めた流れで聴くとまとまりが見えやすい。ファンク寄りの曲ではリズムの切り方が明確で、ソウル寄りの曲ではコーラスやメロディが前に出る。演奏はどの曲でもきれいに揃っていて、音の隙間が整理されている印象だ。A&Mの制作環境らしい、過不足の少ない仕上がり。

また、この時期のThe Brothers Johnsonは、単なる演奏集団ではなく、Quincy Jonesの周辺でソウル/ファンクの新しい形を作る側に入っていく途中にある。翌年以降の展開を知っていると、ここで提示されるリズムの硬さ、フレーズの短さ、コーラスの扱いなどが、そのまま後のヒット作の土台になっているのが見えてくる。グループの初期像を確認するうえで外しにくい1枚だ。

盤について

今回のUS盤はA&M RecordsのSP-4644番で、1977年のオリジナル・リリースにあたる。付属物として8ページのブックレットが入り、歌詞と写真が収録されている。A面B面を通して、アルバムとしての流れを意識した作りで、当時のLPらしいまとまりも感じやすい。録音クレジットや参加ミュージシャンの記載も含めて、1970年代後半のメジャー・ソウル作品らしい丁寧なパッケージングになっている。

The Brothers Johnsonのキャリアの中では、のちのヒット曲が生まれる前段階の作品だが、すでに完成度の高いバンドとして成立していることがよくわかるアルバムでもある。ファンクの推進力、ソウルの歌い回し、そしてQuincy Jones周辺の洗練、その3つが素直にまとまった初期作として、1977年の空気をそのまま閉じ込めた内容だ。

トラックリスト

  1. A1 Runnin' For Your Lovin' 5:05
  2. A2 Free Yourself, Be Yourself 4:26
  3. A3 "Q" 3:25
  4. A4 Right On Time 3:50
  5. B1 Strawberry Letter 23 4:58
  6. B2 Brother Man 3:10
  7. B3 Never Leave You Lonely 3:02
  8. B4 Love Is 4:20

動画

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