Caravan - Caravan (1969)
Caravan 1969

Caravan - Caravan (1969)

Rock Blues Rock

Caravan『Caravan』について

Caravanは、カンタベリー・シーンを代表するイングランドのプログレッシブ・ロック・バンドだ。Wilde Flowersの流れをくんで1968年に結成され、サイケデリック・ロック、ジャズ、クラシックの要素を取り込んだ独自の音作りで知られている。

ここで取り上げる『Caravan』は、バンド名をそのままタイトルにした作品で、オリジナルは1969年のリリース。日本盤は1982年に出ている。初期Caravanの出発点として見ると、バンドの方向性が形になっていく時期の記録として位置づけられる一枚だ。

バンドの背景

Caravanの初期メンバーは、David Sinclair、Richard Sinclair、Pye Hastings、Richard Coughlanの4人。全員がWilde Flowersに関わっていた経歴を持つ。拠点はケント州ホイットステーブル、カンタベリー近郊で、その後ロンドンへ移って活動した。カンタベリー・シーンの中でも、演奏の流れが比較的はっきりしているバンドとして語られることが多い。

バンドは短期間Verve Recordsと契約したのち、Decca Recordsへ移籍。1971年の『In the Land of Grey and Pink』で高い評価を得ることになる。Caravanの評価を決定づけたのはこの1971年作という見方が強く、『Caravan』はその前段階にある初期作品として、後年の完成形とは少し違う位置にある。

この作品の位置づけ

1969年の『Caravan』は、デビュー期のバンドの輪郭をつかむうえで重要な作品だ。後の代表作ほど構成が洗練されきっているわけではないが、Caravanらしい流れのある曲作りや、ロックを基調にしながら他の要素を混ぜていく姿勢はこの時点で見えている。

カンタベリー・シーンの文脈で見ると、同時代のソフト・マシーンなどと並べて語られることがある。ただしCaravanは、より歌ものの感触や英国的なメロディの運びが前に出る場面が多く、同じプログレッシブ・ロックでも印象は少し異なる。

聴きどころ

この盤は、のちの大作志向や組曲的な展開というより、バンドの初期衝動をそのまま聴く感覚に近い。ギター、オルガン、ベース、ドラムの噛み合わせが曲の中で少しずつ形を変え、ロック・バンドとしての骨格が見えてくる。

実際に聴くと、演奏の中にジャズ寄りの動きや、曲の切り替えの細かさが入り込んでいるのがわかる。派手に押し切るタイプではなく、各パートが少しずつ前へ出たり引いたりしながら進む感じだ。後年のCaravanを知っていると、まだ荒さの残る段階として耳に入るかもしれない。

代表曲・エピソード

Caravanの代表曲としては、一般には『Golf Girl』や『Nine Feet Underground』、『For Richard』などがよく挙げられる。これらは主に1970年代前半の作品群で知られている曲で、バンドの評価を広げた中心的なレパートリーだ。

バンド自体は1972年にいったん解散するが、その後もPye Hastingsを中心に再編と活動停止を繰り返した。1982年には一度活動を終えているが、1990年にはオリジナル編成にJimmy Hastingsを加えた再結成公演が行われ、そこから活動が再開された。以後もメンバーの入れ替わりを重ねながら、ライブ・バンドとして現在まで続いている。

日本盤として見ると

この日本盤は1982年リリース。オリジナルの1969年盤から見ると、かなり後年の再紹介盤という位置づけになる。音源そのものは初期Caravanの記録であり、1982年の時点ではバンドは一度活動を終えているため、当時の日本盤は初期作品を改めて聴くための入口として出回ったものと考えられる。

Caravanのディスコグラフィーの中では、代表作の前に置かれた作品。バンド名と同じタイトルだけに、最初期の自己紹介のような役割を持つ一枚として見られることが多い。

まとめ

『Caravan』は、カンタベリー・シーンの中で成長していく前のCaravanを捉えた初期作だ。のちの『In the Land of Grey and Pink』で広く知られるバンドの、出発点にある音が入っている。1969年の英国ロック、そしてプログレッシブ・ロックの形成期をたどるうえで、ひとつの手がかりになる作品だ。

トラックリスト

  • A1 Place Of My Own
  • A2 Ride
  • A3 Policeman
  • A4 Love Song With Flute
  • A5 Cecil Rons
  • B1 Magic Man
  • B2 Grandma`s Lawn
  • B3 Where But For Caravan World I

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