Deftones - White Pony (2000)
Deftones『White Pony』
Deftonesの3作目となる『White Pony』は、2000年6月20日にMaverick Recordsから発表されたアルバム。前2作『Adrenaline』『Around the Fur』に続き、プロデュースはテリー・デイトが担当し、1999年8月から12月にかけてサウサリートのレコード・プラントとウエスト・ハリウッドのラレイビー・サウンド・スタジオで録音された。バンドにとっては、それまでで最も長い制作期間だったという。DJ/キーボードのフランク・デルガドが正式メンバーとして参加した最初の作品でもある。
制作背景と録音時のエピソード
本作では、チノ・モレノが初めてリズム・ギターを録音に加えた。これがステファン・カーペンターとの緊張につながり、カーペンターは強く押し出す方向を望み、モレノは従来の激しいロックに加えて別の性格の曲も入れたいと考えていた。モレノは、カーペンターから「練習で弾くなら、レコードでも弾けよ!」と言われたと振り返り、「正直、彼はあまり喜んでいなかったと思う。でも、2人で座ってその曲を聴いていたとき、顔を見合わせて笑ったのを覚えている」とも語っている。
楽曲面では、「Passenger」にトゥールのメイナード・ジェームス・キーナンがゲスト・ヴォーカルで参加。「RX Queen」にはストーン・テンプル・パイロッツのスコット・ウェイランドがクレジットなしで声を加えている。「Teenager」は、モレノが15歳のときの初めてのデートの後に書いた歌詞がもとになっており、もともとは彼のサイド・プロジェクト、Team Sleepの曲だった。「White Pony」という題名はコカインのスラングでもあるが、モレノは夢占いの本にある複数の意味を重ねたものだと説明している。ジャケットは、モレノが強く影響を受けたHumの1995年作へのオマージュとされている。なお、後に出た白いジャケットの再発盤には、レーベルのマーケティング戦略として「Back to School (Mini Maggit)」が追加されたが、モレノは後にこの曲を作ったことと、アルバムに入れたことを後悔していると語っている。
この盤のライナーには、Maynard James Keenanの参加クレジットに加えて、Maverick Recording Companyの住所、Warner Bros. Recordsによる製造・流通表記、そして「Made in Germany by WARNER MUSIC MANUFACTURING EUROPE」の記載がある。初回プレスには、カバーにParental Advisory Stickerが貼られていた。
時代の文脈
2000年当時のDeftonesは、ニュー・メタルの流れの中で語られることが多かった一方で、本作はオルタナティヴ・メタルを土台に、ポスト・ハードコア、トリップ・ホップ、シューゲイザー、プログレッシヴ・ロック、ポスト・ロックの要素を取り込んだアルバムとして扱われている。影響源としては、トゥール、フェイス・ノー・モア、ナイン・インチ・ネイルズ、ピンク・フロイドが挙げられている。
先行シングル「Change (In the House of Flies)」について、モレノは「美しい変態(メタモルフォーゼ)」と表現しており、この曲はラジオでヒットした。NPR Musicは本作を、バンドの変化であるだけでなく、21世紀に入ろうとするヘヴィで実験的な音楽の新しい軌道を示した作品と評している。後年の批評でも、ニュー・メタルという括りを超えたアルバムとして語られている。
発売時の成績は、Billboard 200で初登場3位、初週17万8千枚を記録。アメリカでは2×プラチナ認定を受け、Deftonesの作品の中でも最も売れたアルバムとなった。「Elite」は2001年のグラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンスを受賞している。
後世への影響
発売20周年にあたり、リンキン・パークのマイク・シノダは「あんな音を出している人は誰もいなかった」と語り、リンキン・パークの曲作りにも影響を受けたことを明かしている。スレイ・ベルズのDerek E. Millerは、本作によってDeftonesが「本当に素晴らしいヘヴィ・バンド」から「ただただ素晴らしいバンド」になったと述べた。ラッパーのMursは、どのジャンルでも過去50年で少なくともトップ10に入る作品だと評価している。
2020年12月には20周年記念盤『Black Stallion』が発表され、DJシャドウ、ロバート・スミス、マイク・シノダ、ピュリティ・リング、スクエアプッシャー、Clams Casino、ファントグラムらが収録曲をリミックスした。メタル、ヒップホップ、インディ、エレクトロニックにまたがる関心の広さを示す企画として並べられている。『White Pony』は、ローリング・ストーン誌の「史上最高のメタル・アルバム100」で66位、英ガーディアン紙の「21世紀のベスト・アルバム100」で29位に選出されている。
トラックリスト
- A1 Feiticeira 3:09
- A2 Digital Bath 4:15
- A3 Elite 4:01
- B1 RX Queen 4:27
- B2 Street Carp 2:41
- B3 Teenager 3:20
- C1 Knife Prty 4:49
- C2 Korea 3:23
- C3 Passenger 6:07
- D1 Change (In The House Of Flies) 4:59
- D2 Pink Maggit 7:32
動画プレイリスト
このアーティストについて
Deftonesは、アメリカ・カリフォルニア州サクラメント出身のロック・バンドだ。1988年に、ステファン・カーペンター(ギター)、チノ・モレノ(ボーカ...
Deftones のプロフィール・作品一覧