Goody Goody - Goody Goody (1978)
Goody Goody 1978

Goody Goody - Goody Goody (1978)

Funk / Soul Funk Disco

Goody Goody『Goody Goody』(1978)

Goody Goodyのセルフタイトル作『Goody Goody』は、1978年にAtlanticからリリースされたディスコ/ファンク作品だ。クレジット上ではデニス・モンタナとヴィンセント・モンタナ・Jr.の名が並び、制作の中心にヴィンセント・モンタナ・Jr.がいることがはっきりしている。録音はフィラデルフィアのSigma Sound StudiosとAlpha International Recording Studios、ミックスもSigma Sound Studiosで行われ、仕上げはAtlantic Studiosでのマスタリング。いわゆる70年代後半のフィラデルフィア・ディスコの文脈にしっかり置ける一枚だ。

Atlanticの1978年盤らしく、録音現場からプレス、流通まで当時のアメリカン・メジャー・レーベルの仕事がそのまま反映されている。クレジットには一部の曲でVincent Montana, Jr. Music, Inc.やBud Ross Music、Mercer Music/Malneck Musicが記されており、楽曲の権利関係も含めて当時のソウル/ディスコの制作体制が見えてくる。なお、この盤はUSリリースで、Atlanticのカタログ番号はSD 19197。

作品の位置づけ

Goody Goodyの名義で残されたアルバムとしては、この1978年作が入口になる。アーティスト情報は多くないものの、参加クレジットからはヴィンセント・モンタナ・Jr.の周辺で組まれたプロジェクト性の強い作品であることが読み取れる。MontanaはMFSBやSalsoul周辺でも知られる人物で、ストリングスやホーン、リズムの組み立てを含めて、70年代ディスコの実務をよく知る制作者だ。このアルバムも、その手つきが前面に出たタイプの記録と言えそうだ。

同時代のフィラデルフィア産ディスコと比べると、華やかさだけに寄らず、リズムの推進力とアレンジの整理が目立つ。ラリー・レヴァン周辺で鳴っていた12インチ志向の空気とも近く、ソウルの延長線上にあるダンス・ミュージックとして聴ける。派手な展開よりも、ビートの持続と各パートの噛み合わせで引っ張る作り。

A面の流れ

A1はBud Ross MusicとVincent Montana, Jr. Musicの共作扱いで、アルバムの入口を担う曲だ。ここではまず、ベースとドラムの前に出たリズムの組み立てが印象に残る。ディスコの定型に乗りつつも、演奏の細部がきっちり揃っていて、曲全体の立ち上がりに無駄がない。歌ものとしての分かりやすさと、フロア向けの持続感が両立している。

A2とA3はVincent Montana, Jr. Music名義の曲で、アルバムの中核を成す部分だ。ここではモンタナらしいアレンジの整理がよりはっきり出る。各楽器が厚く重なっているのに、音像は濁りにくく、リズム隊の上にホーンやコード楽器が順番に乗っていく感じがある。フィラデルフィア録音らしい滑らかさがありながら、ディスコとしての足取りは軽すぎない。このあたりが本作の聴きどころになっている。

B面の注目点

B1はMercer Music/Malneck Musicのクレジットを持つ曲で、アルバムの中でも少し視点が変わる。既存曲のカバーや引用を思わせるような、ソウル・スタンダード寄りの感触があり、Goody Goody側のディスコ・アレンジとの接続が見える。原曲の持つ骨格を残しつつ、70年代後半のダンス仕様へ組み替える流れが自然だ。

B2とB3もVincent Montana, Jr. Music作品で、アルバム後半をまとめる役割を果たしている。ここでは反復の作り方が重要で、同じフレーズをただ繰り返すのではなく、コーラスや伴奏の厚みを少しずつ変えながら進める構成が目立つ。ディスコのレコードらしく、曲の途中で大きな転換を求めるより、一定のグルーヴを保ったまま細部を更新していく作り。聴き込むほどに編曲の仕事が見えてくるタイプだ。

録音と盤の情報

この盤はSigma Sound Studiosで録音・ミックスされ、Atlantic Studiosでマスタリングされている。フィラデルフィア録音の名所とニューヨークの老舗マスタリング環境がつながっている点も、当時のAtlanticらしい。プレスはPRC Recording Company, Richmond, INを示す「RI」や「PRC」の刻印が確認できる仕様で、ラベルのマトリクス末尾とランアウトの表記が一致する。さらに、コピーによってはジャケットにゴールドのプロモ・スタンプが入ることもある。

1978年当時のAtlanticは、70年代半ば以降のロゴや住所表記が反映された時期にあたる。ラベル面の情報も含めて、まさにその時代のUSプレスらしいまとまりがある。アルバムとしては、派手なヒット曲一本で押すというより、制作陣の手腕と現場の精度で聴かせる一枚。Goody Goodyという名義の背後に、フィラデルフィア・ディスコの制作システムがそのまま刻まれている作品だ。

トラックリスト

  1. A1 #1 Dee Jay 6:58
  2. A2 Super Jock 6:32
  3. A3 Bio-Rhythms 5:54
  4. B1 Goody Goody 4:08
  5. B2 It Looks Like Love 6:20
  6. B3 You Know How Good It Is 8:00

動画

Share
記事一覧に戻る
toast