Guns N' Roses - Appetite For Destruction (1987)
Guns N' Roses 1987

Guns N' Roses - Appetite For Destruction (1987)

Rock Hard Rock Heavy Metal

Guns N' Roses『Appetite For Destruction』(1987)レビュー

Guns N' Rosesのデビュー・アルバム『Appetite For Destruction』は、1987年にUSでGeffen Recordsから登場した作品で、バンドの初期像をそのまま刻み込んだ一枚だ。ロサンゼルスで結成されたハードロック・バンドが、ストリート感のある演奏、荒っぽい熱量、メロディの強さを同時に提示した作品として知られている。のちの大成功を考えると、この時点で既にバンドの輪郭はかなりはっきりしている。

このアルバムは、Guns N' Rosesにとって出発点であり、同時に代表作でもある。Axl Roseの声、Slashのギター、Duff McKaganのベース、Steven Adlerのドラムが噛み合った時の推進力が強く、80年代後半のハードロックの中でも、単なる派手さよりも生々しさが前に出ている印象だ。Mötley CrüeやRattのような同時代のLAハードロックと並べられることは多いが、この作品はより雑味のある鳴り方をしている。

作品の位置づけ

Guns N' Rosesは1985年結成で、このアルバム時点ではまだ新しいバンドだった。だが『Appetite For Destruction』の内容は、単なる新人の初作というより、すでに完成度の高いバンドが一気に表舞台へ出てきたような手応えがある。プロデュースはMike Clink。録音はRumbo Studios、Take One Studio、Can Am Studioなどで行われ、ミックスはニューヨークのMedia Sound。制作クレジットからも、当時のロサンゼルスの空気とメジャー流通の組み合わせが見えてくる。

オリジナル盤は、Robert Williamsによる無修正版のジャケットで出たことで知られる。のちに議論を呼ぶことになるビジュアルだが、この初回盤はそのままの形で出荷されたもの。内袋にはバンド写真、ライナー、歌詞が入っており、タトゥー風のステッカーも封入されていた。ジャケットやラベルに複数のカタログ表記がある点も、初期プレスらしい特徴だ。

冒頭から引き込む「Welcome to the Jungle」

アルバムの入口となる「Welcome to the Jungle」は、Guns N' Rosesの名を決定づけた曲のひとつだ。イントロのギターとリズムが立ち上がった瞬間に、楽曲の世界がはっきり見える。Axl Roseのボーカルは、叫ぶだけではなく、フレーズの切り替えが細かく、曲の緊張感を最後まで保っている。サビで一気に開く構成も分かりやすく、当時のハードロックの中でも特に導線が明確な一曲だ。

この曲はヒット曲としても重要で、アルバム全体の顔になっている。派手なコーラスで押すというより、街のざらつきや危うさをそのまま音にしたような作りで、バンドの初期イメージを強く固定した。『Appetite For Destruction』を語るとき、まずこの曲が挙がるのは自然な流れだろう。

アルバムの核としての「Sweet Child o' Mine」

もう一つ外せないのが「Sweet Child o' Mine」だ。リフの印象が非常に強く、Guns N' Rosesの中でも最も広く知られた曲のひとつになっている。ここでは、荒々しいイメージの強いバンドが、意外なほど整理されたメロディ感を持っていることが分かる。Slashのギターは一音一音の輪郭がはっきりしていて、曲全体を引っ張るフックとして機能している。

この曲がアルバム内で果たしている役割は大きい。ハードな曲ばかりではないこと、そしてGuns N' Rosesが単なる攻撃性だけのバンドではないことを示している。ラジオ向けの分かりやすさと、アルバム全体の荒さが同居している点が、この作品の広がりにつながっている。

「Paradise City」と終盤の勢い

終盤を飾る「Paradise City」も代表曲として外せない。曲の展開が大きく、ライブで映える構成になっている。サビの開放感と、終盤に向けて加速していく流れがはっきりしていて、アルバムの締めとして分かりやすい役割を持つ。ここでは、Guns N' Rosesの持つ“勢いを最後まで落とさない”感覚がよく出ている。

『Appetite For Destruction』は全体を通して、曲ごとの個性がはっきりしている。速い曲、ミドルテンポの曲、メロディを前に出した曲が並ぶが、どれも演奏の温度が高く、統一感もある。派手な技巧よりも、バンドとしての噛み合い方が強い作品だと受け取れる。

同時代とのつながり

1987年という年は、ハードロックやヘヴィメタルが大きく広がっていた時期だが、このアルバムはその中でも少し位置が違う。整ったポップ性だけでなく、パンクやガレージに近い荒さも含んでいて、80年代後半のLAシーンの中で独特の存在感を持っている。のちのオルタナティブ・ロックやグランジの前夜を思わせる、粗い質感の強さもある。

オリジナル盤は、Geffen Records / The David Geffen Company名義で、USではWarner Bros. Recordsの流通体制のもとで出ている。後年の再発ではジャケットや表記が異なることがあるが、この初回盤は無修正版カバーと初期の印刷物が特徴になる。コレクターの間で語られるのも、その初期仕様ゆえだ。

まとめ

『Appetite For Destruction』は、Guns N' Rosesの原点であり、バンドの最大の代表作として語られることが多い一枚だ。Axl Roseの歌、Slashのリフ、リズム隊の推進力が揃い、デビュー作でありながら完成度の高いアルバムとして成立している。ヒット曲の強さだけでなく、アルバム全体の流れにも芯がある。80年代ハードロックを語る際に、この作品が外せないのはそのためだろう。

トラックリスト

  1. Side G
  2. A1 Welcome To The Jungle 4:31
  3. A2 It's So Easy 3:21
  4. A3 Nightrain 4:26
  5. A4 Out Ta Get Me 4:20
  6. A5 Mr. Brownstone 3:46
  7. A6 Paradise City 6:46
  8. Side R
  9. B1 My Michelle 3:39
  10. B2 Think About You 3:50
  11. B3 Sweet Child O' Mine 5:55
  12. B4 You're Crazy 3:25
  13. B5 Anything Goes 3:25
  14. B6 Rocket Queen 6:13

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