John Mayall With Eric Clapton - Blues Breakers (1966)
John Mayall With Eric Clapton / Blues Breakers
1966年のJohn Mayall With Eric Clapton名義による『Blues Breakers』は、英国ブルース・ロックの流れを語るうえで外せない1枚だ。John Mayallがバンド・リーダーとしてまとめ、当時20代前半のEric Claptonがギターで参加した作品で、のちに“Blues Breakers with Eric Clapton”としても広く知られる。John Mayallは歌、オルガン、ハーモニカ、作曲を担い、Claptonはすでにこの時点で強い個性を示している。アルバム全体としては、シカゴ・ブルースの語法を土台にしながら、英国のロック・バンド編成へそのまま接続していく内容になっている。
作品の位置づけ
John Mayallにとって本作は、単なる一作ではなく、後の英国ブルース史に続く入口のような存在だ。ここからPeter Green、Mick Taylorらへと続く“育成の場”としての役割が見えてくる。Eric Clapton側でも重要で、Cream結成へ向かう直前の時期に残された、代表的な録音のひとつといえる。実際、当時の彼の音色はかなり話題になり、太いレス・ポールのサウンドが印象を決定づけている。いわゆる「Clapton is God」の神話と結びつけて語られることも多い。
収録曲と聴きどころ
このアルバムでは、オリジナル曲とブルースの定番を織り交ぜた構成が取られている。中でも耳に残るのは、ホーンを交えた“Have You Heard”、そして疾走感のある“Steppin’ Out”あたりだろう。どちらも演奏の立ち上がりが早く、リズム隊とギターの噛み合いがはっきりしている。John Mayallのハーモニカやオルガンも前に出るが、全体の焦点はやはりClaptonのギターに集まりやすい。派手な技巧で押すというより、音数を絞ってフレーズを置いていくタイプの演奏で、録音年代を考えるとかなり輪郭が明確だ。
制作面では、1966年3月27日にロンドンのデッカ・スタジオで録音が始まり、7月22日にLPとして発売された。発売時点ではすでにClaptonはCream結成へ進んでおり、この作品はJohn Mayallのもとでの決定版的な記録として残った。全英アルバム・チャートでは最高6位、17週チャートインという記録もあり、英国での反応の強さがうかがえる。
UKオリジナル・モノ盤について
今回の盤は、1966年UK初出のモノラル盤、Decca LK 4804。ラベルは赤銀系のデザインで、N.C.B. / B.I.E.M.の表記が縦にボックスで入るタイプ、さらに年号がその上に置かれ、カタログ番号の上にK/T税コードが入る仕様だ。ジャケットはラミネート加工のフリップバック仕様で、内袋は1966年7月を示す「076」表記のオリジナルDeccaインナーが付属する例がある。モノラル盤としてのまとまりがあり、のちの再発盤とは見た目も構成も違いがある。
1967年や1968年のモノ再発には、溝ありラベルや日付入りラベル、フリップバックの有無、J/T表記の違いなど複数のバリエーションがあるが、この1966年初回盤はその中でも最初期の仕様にあたる。UK Deccaの60年代中盤らしい実用品の雰囲気が強く、当時のブルース・アルバムがどのように市場へ出ていたかも見えてくる。
同時代との関係
『Blues Breakers』は、英国のブルース・ブームを代表する作品として、The Rolling StonesやThe Yardbirds周辺の流れと並べて語られることが多い。アメリカのブルースをそのまま模倣するのではなく、英国の若いロック・ミュージシャンたちが自分たちのバンド・サウンドへ落とし込んでいく、その過程がはっきり記録されている。のちのブルース・ロック、ハード・ロックへ続く足場として見ても、かなり重要な位置にあるアルバムだ。
結果として本作は、John Mayallのキャリアを支える代表作であり、Eric Claptonの評価を決定づけた作品でもある。ブルースを軸にしながら、60年代英国ロックの音と感覚をそのまま封じ込めた記録として、今もよく参照される1枚だ。
トラックリスト
- A1 All Your Love
- A2 Hideaway
- A3 Little Girl
- A4 Another Man
- A5 Double Crossing Time
- A6 What'd I Say
- B1 Key To Love
- B2 Parchman Farm
- B3 Have You Heard
- B4 Ramblin' On My Mind
- B5 Steppin' Out
- B6 It Ain't Right