Kokomo - Rise And Shine! (1975)
Kokomo 1975

Kokomo - Rise And Shine! (1975)

Funk / Soul Soul Disco

Kokomo『Rise And Shine!』(1975) について

Kokomoの『Rise And Shine!』は、1975年にUSのColumbiaから登場したアルバムで、ブルー・アイド・ソウルの流れを色濃く感じさせる一枚だ。Kokomoは1973年に結成されたバンドで、Arrival出身のDyan Birch、Paddie McHugh、Frank Collinsを中心に、Joe Cocker周辺でも活動していたNeil Hubbard、Alan Spennerらが加わっている。つまり、歌と演奏の両方に強いミュージシャンが集まったグループで、この作品にもその編成の強みがよく出ている。

Columbiaの型番はPC 34031。US盤のColumbiaでは、PCは1973年期の価格コードとして使われていたもので、1975年オリジナルの空気感をそのまま伝えるタイトルと見てよさそうだ。付属品としては、両面仕様のスナップショット風インナー・スリーブが入っている。

作品の位置づけ

『Rise And Shine!』は、Kokomoの初期活動期を代表する作品のひとつとして捉えやすい。メンバーはそれぞれが既に別の現場で経験を積んでおり、ソウル、ファンク、ディスコの要素を、ロック寄りのバンド・サウンドに自然に織り込んでいる。70年代半ばという時代を考えると、洗練されたコーラス・ワークと、しっかり前に出るリズム隊を軸にした作品は少なくないが、Kokomoはその中でも“歌えるバンド”としての輪郭がはっきりしている。

同時代のブルー・アイド・ソウルやUKソウル系の文脈では、Average White BandやRufus寄りのグルーヴ感を連想する人もいるかもしれない。ただし、Kokomoは単にダンス志向に寄るというより、複数のヴォーカルが重なることで生まれるバンド感が印象に残る。ソウル・ミュージックの演奏様式を下敷きにしながら、英米混成の音楽的背景がそのまま前面に出ている作品と言える。

聴きどころ

このアルバムでまず目立つのは、曲ごとにヴォーカルの表情が変わることだ。Dyan Birch、Frank Collins、Paddie McHughらの声が前に出る構成は、単独のシンガー中心のソウル作品とは違うまとまりを持つ。リズムも軽快さだけに寄らず、ベース、ドラム、ギター、鍵盤がそれぞれの役割を明確に持ちながら、全体としてはきちんと躍動感を保っている。

実際に針を落としたときの印象としては、音数の多さよりも、各パートの配置のよさが耳に残るタイプだ。コーラスが厚くなっても濁らず、リフやホーンのような装飾が入っても、楽曲の骨格が崩れにくい。ディスコの要素が入る場面でも、あくまでバンド演奏の延長として成立している点が、この作品の面白さになっている。

注目曲1: タイトル曲「Rise And Shine」

タイトル曲「Rise And Shine」は、このアルバムの性格を端的に示す曲として押さえやすい。立ち上がりの良さを感じさせるフレーズと、声を重ねて前へ進む構成が印象的で、Kokomoの持ち味である合唱的な推進力がよく出ている。派手な展開で引っ張るというより、リズムとフックを積み重ねて耳に残す作りだ。

この曲では、ソウル・バンドとしての機能性がそのまま楽曲の魅力になっている。ボーカルが主役でありながら、伴奏が単なる支えに留まらない。ベースラインの動き、ギターの刻み、鍵盤の和声感がそれぞれに効いていて、結果として“バンドで歌うソウル”の感触が強まっている。

注目曲2: ディスコ寄りの楽曲群

本作はスタイル表記にSoulとDiscoが並ぶが、その両方の要素が無理なく同居している。ディスコ的な4つ打ちの感覚や、軽く前へ押すテンポ感が出る曲では、Kokomoの演奏がいっそう引き締まって聞こえる。ここでのディスコは、ダンスフロア向けの記号を足しただけではなく、ソウルの延長として機能している印象だ。

こうした楽曲では、歌のフレーズが短くても、コーラスの返しや楽器の合いの手で曲が膨らむ。単独のメロディで押すのではなく、複数の声と演奏のやり取りで熱量を作るあたりに、Kokomoらしさがある。70年代中盤のソウル/ディスコの潮流の中でも、バンドとしてのまとまりを優先した作りに耳が向く。

アルバムとしての印象

『Rise And Shine!』は、華やかさだけで押し切る作品ではない。むしろ、経験豊富なメンバーたちが、ソウルやディスコの語法を自分たちの編成に落とし込んだ記録として読むと面白い。歌の重なり、演奏の一体感、曲ごとのテンポの切り替え。そのどれもが、バンドの実力をそのまま反映しているように感じられる。

Kokomoはこの後も活動の波をたどっていくが、1975年のこのアルバムは、初期の勢いと完成度を両方確認しやすい作品だ。ソウル・バンドとしての骨格と、UKミュージシャンらしい演奏の緻密さ。その両方がはっきり出た一枚として、当時の空気を伝える内容になっている。

まとめ

『Rise And Shine!』は、Kokomoの持つコーラス・ワークとグルーヴ感を、そのまま1975年のUS Columbia盤として記録したアルバムだ。ブルー・アイド・ソウルの文脈、70年代中盤のソウル/ディスコの流れ、そしてバンド演奏の確かさが重なっている。派手な説明を必要としない、演奏と歌の組み立てで聴かせる作品と言える。

トラックリスト

  1. A1 Use Your Imagination 5:18
  2. A2 Little Girl 3:46
  3. A3 That's Enough 4:51
  4. A4 Rise And Shine 5:18
  5. B1 Without Me 3:46
  6. B2 Do It Right 2:59
  7. B3 Angle Love 4:18
  8. B4 Happy Birthday 3:20
  9. B5 Feelin' Good 4:52

動画

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