Loleatta Holloway - Queen Of The Night (1978)
Loleatta Holloway 1978

Loleatta Holloway - Queen Of The Night (1978)

Funk / Soul Soul Disco Ballad

Loleatta Holloway『Queen Of The Night』について

1978年にUSのGold Mind Recordsから出た『Queen Of The Night』は、Loleatta Hollowayのディスコ期を語るうえで外せないアルバムだ。ソウルを土台にしながら、当時のクラブ・シーンにしっかり接続した作品で、ゴスペル由来の強い声量と、ディスコらしい推進力が前面に出ている。Loleatta Hollowayは1946年生まれ、シカゴ出身。キャリアの出発点はゴスペルで、Albertina Walker率いるCaravansでも歌っていた人物である。その後、1970年代半ばからディスコ作品に本格的に参加し、Salsoul周辺の重要シンガーとして存在感を強めていった。

Gold Mind RecordsはNorman Harrisがフィラデルフィアで立ち上げたディスコ・レーベルで、Salsoul Records配給という背景を持つ。つまりこの一枚も、フィラデルフィア・ソウルの流れとクラブ志向の制作環境が重なる地点にある作品として捉えやすい。Loleattaの歌は、いわゆる“踊れる曲”の中にあっても埋もれない。音の密度が高い編曲の上で、声が先に立つタイプのアルバムだ。

作品全体の印象

本作は、バラード寄りの表情とディスコの推進力が同居しているのが特徴だ。タイトルから受ける華やかさだけで押し切る内容ではなく、曲ごとに歌い方の強弱がはっきりしている。Loleattaの歌唱は、細かく装飾するというより、フレーズの頭から真っ直ぐに押し出していく印象が強い。そのため、ストリングスやホーン、リズム隊が厚く鳴っていても、声の輪郭が崩れにくい。

ディスコ黄金期の1978年という時期を考えると、同時代のSalsoul勢や、同じくフィラデルフィア周辺の制作陣が手がけた作品群と近い空気を持ちながら、Loleattaならではの強い歌声が前に出る。Grace Jonesのようなモデル出身のクールさとも、Chaka Khanのファンク寄りの押し出しとも違い、よりゴスペル的な熱量があるのがこの人の持ち味だろう。

注目曲「Queen Of The Night」

アルバム・タイトル曲「Queen Of The Night」は、この作品の核として聴かれることが多いはずだ。曲名どおりの存在感を持つ一曲で、Loleattaの声の大きさと説得力がそのまま作品の顔になっている。ディスコ・トラックとしてのドライブ感を備えつつ、単なるダンス・ナンバーではなく、歌い手のキャラクターを前面に押し出す構成になっているのがポイントだ。

実際に聴くと、リズムが前へ進むたびにボーカルがさらに押し返してくるような感覚がある。こうした“歌がビートを上回る”瞬間がLoleatta Hollowayの魅力で、後年のハウスやサンプリング文化で何度も参照された理由も、この圧の強さにあると思える。クラブの床を意識した設計でありながら、声そのものが主役として残るタイプの楽曲だ。

アルバム中のバラード的な側面

『Queen Of The Night』はディスコ色の強い作品として語られがちだが、Loleattaの本領はバラード寄りの場面でもよく出る。ゴスペルを経由した歌い方は、ゆっくりしたテンポでこそ輪郭が見えやすく、音数が少ない場面でも表情が途切れない。感情を細かく説明するというより、ひと息ごとの強さで伝える歌唱で、ソウル・アルバムとしての重みも保っている。

このあたりは、同時代のディスコ歌手の中でもやや異色だ。踊らせるためのアルバムであっても、歌の中心にあるのはあくまでソウルの強度で、その点が長く聴かれてきた理由のひとつだろう。後に彼女の歌声がハウスやヒップホップで引用されていく流れも、この“曲を超えて声が残る”性質とつながっている。

作品の位置づけと後年への影響

Loleatta Hollowayのキャリアの中で見ると、『Queen Of The Night』はディスコ時代の代表的な一枚として置ける。1978年は彼女がSalsoul周辺で存在感を固めていく時期であり、のちの「Love Sensation」へ向かう流れを考えるうえでも重要な時期だ。特に彼女のボーカルは、80年代末以降のダンス・ミュージックでたびたび使われるようになり、Black Boxによる「Ride On Time」やMarky Mark & The Funky Bunch「Good Vibrations」へのサンプル使用でも知られる。

ただし、このアルバム自体はそうした後年の文脈だけで語るより、まず1978年のディスコ/ソウル作品として聴くのが自然だ。Gold Mind Recordsというレーベルの性格、フィラデルフィア系の制作感覚、そしてLoleattaの声量が一体になった一枚で、彼女のディスコ期を代表する位置にある作品として整理しやすい。

まとめ

『Queen Of The Night』は、Loleatta Hollowayの歌唱力が最も分かりやすく前面に出たアルバムのひとつだ。ソウル、バラード、ディスコという要素が並んでいても、最終的には“この声をどう聴かせるか”に収束していく。1978年というディスコ黄金期の空気を受けながら、クラブ向けの推進力と、ゴスペル由来の強い表現が同居した作品として記憶される一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Catch Me On The Rebound 6:10
  2. A2 Only You 6:14
  3. A3 Good, Good Feeling 4:15
  4. A4 Mama Don't, Papa Won't 5:00
  5. B1 I May Not Be There When You Want Me (But I'm Right On Time) 7:35
  6. B2 You Light Up My Life 4:05
  7. B3 Two Sides To Every Story 4:30
  8. B4 I'm In Love 4:15

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