Los Bitchos - Talkie Talkie (2024)
Los Bitchos『Talkie Talkie』について
ロンドンを拠点に活動する4人組、Los Bitchosの『Talkie Talkie』は、2024年にリリースされた作品だ。メンバーはSerra Petale(ギター)、Agustina Ruiz(キーボード系楽器のkeytar)、Josefine Jonsson(ベース)、Nic Crawshaw(ドラム)で構成される。バンドの音楽性は、ペルーのチチャ、アルゼンチンのクンビア、トルコのサイケデリック、サーフ・ギターを混ぜ合わせたものとして紹介されており、その説明どおり、地域や年代の異なる要素をインストゥルメンタル主体のロック・バンドのフォーマットに落とし込んでいる。
この作品は、Rock、Latin、Popという広い枠で受け止められているが、スタイルとしてはCumbia、Indie Pop、Psychedelic Rockが挙げられている。City Slangからのリリースで、限定盤の「Cosmic Sparkle」ヴァイナルとしてプレスされている。プリント入りインナー・スリーヴ、サイン入りの30 x 42cm折りたたみポスター、そして「Night Version」仕様の特別なカバー・スリーヴが付属する点も、2020年代のアナログ盤らしいパッケージングだ。
バンドの輪郭と『Talkie Talkie』の位置
Los Bitchosは、ロンドンという都市圏にいながら、英米ロックの文脈だけに収まらない音楽を鳴らしてきたグループだ。ギターを中心に据えつつ、リズムの推進力と反復、メロディのわかりやすさを前面に出す作りは、サイケデリック・ロックやインディー・ポップの聴きやすさとも接続している。その一方で、クンビア由来の跳ね方やチチャ的なサイケ感がはっきり入るため、単なるガレージ・ロックやサーフ・インストとは異なる手触りになる。
『Talkie Talkie』は、そうしたLos Bitchosの持ち味がまとまりやすい形で出た時期の作品として捉えやすい。初期からの個性である、国境横断的なリズム感と、言葉に頼らず展開していく演奏中心の構成が、このタイトルでも軸になっている。バンドの紹介文にある「retro-futuristic blend」という言い方も、過去の音楽をそのまま再現するのではなく、現在の録音感やポップ感覚で組み替えていることを示している。
音の作りと聴きどころ
この作品でまず目立つのは、リズムの明快さだ。ドラムとベースが曲の輪郭をはっきり支え、その上でギターが短いフレーズや反復するモチーフを重ねていく。keytarが入ることで、単なるギター・バンドの質感に寄らず、少し電子的な色合いが加わる。City Slangらしい、ジャンルの境界をまたぐアクトを扱うレーベルのカタログにも自然に並びそうな作りで、ロック、ラテン、ポップの要素が個別に主張しすぎないところが特徴になっている。
実際に聴くと、演奏の密度よりも、フレーズの置き方と展開の運びで引っ張る曲が多い印象を受ける。音数は多すぎず、しかし空白も少ない。リズムのうねりが前に出る場面と、メロディがしっかり耳に残る場面の切り替えが滑らかで、インストゥルメンタル作品としての聴きやすさがある。派手な技巧で押すというより、同じモチーフを少しずつずらしながら進める構成が、アルバム全体の流れを作っている。
代表的な聴きどころ
Los Bitchosの作品で注目されやすいのは、まずバンドの顔が見えるようなリフ主体の曲だ。ギターの短いフレーズが曲のフックになり、そこにベースとドラムが細かく反応する形は、このグループの基本形と言える。チチャやクンビアの要素が前面に出る曲では、リズムの軽快さがそのまま推進力になり、サーフ・ギター的な響きが重なることで、都市的でありながらどこか海辺のイメージも立ち上がる。
また、よりポップ寄りの組み立てを持つ曲では、旋律のわかりやすさが印象に残る。Los Bitchosはインスト中心でも、歌もののようにフックを作るのがうまいバンドだ。メロディがくっきりしているため、曲の構造を追いやすく、アルバムの中でも耳に引っかかる場面が生まれやすい。タイトルが示すように、会話ややり取りの感覚を音で置き換えているようにも受け取れる。
同時代の文脈の中で
Los Bitchosは、現代のインディー・ロックの中でも、ラテン系リズムや中東・南米の音楽感覚を参照する流れに連なる存在として見えやすい。ただし、単にワールド・ミュージック的な装飾を足すのではなく、バンド演奏そのものを中心に据えている点が重要だ。サイケデリック・ロックの反復性、インディー・ポップの明快さ、ダンス音楽的な推進力が同じ曲の中で共存しているため、比較するなら、ジャンル横断型のインスト・バンドや、メロディを強く持つサイケ・ロックの系譜が近い。
『Talkie Talkie』は、そうしたLos Bitchosの方向性を2024年時点のパッケージで示した一枚だ。限定盤の仕様も含めて、作品としての完成度だけでなく、アナログ盤としての所有感も意識されたリリースと言える。ロンドン発のバンドが、ロックとラテンの接点を現在形で鳴らした記録として、整理しやすい内容になっている。
トラックリスト
- A1 Hi! 3:08
- A2 Talkie Talkie, Charlie Charlie 3:03
- A3 Don't Change 3:10
- A4 Kiki, You Complete Me 3:01
- A5 Road 3:35
- A6 1K! 2:52
- B1 La Bomba 2:15
- B2 Open The Bunny, Wasting My Time 2:47
- B3 It's About Time 5:12
- B4 Naughty Little Clove 3:08
- B5 Tango & Twirl 4:06
- B6 Let Me Cook You 3:23
動画
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Los Bitchos - Don't Change (Official Video)
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Los Bitchos - Talkie Talkie, Charlie Charlie (Official Video)
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Los Bitchos - Talkie Talkie (Full Album Stream)