New Age Steppers - Action Battlefield (1981)
New Age Steppers 1981

New Age Steppers - Action Battlefield (1981)

Reggae Dub Reggae

New Age Steppers『Action Battlefield』について

New Age Steppersの『Action Battlefield』は、1981年にUKのStatik Recordsから出た作品で、ダブを軸にしながらパンク/ポストパンクの人脈が交差する、このグループの初期像をよく示す一枚だ。New Age Steppersは、Adrian SherwoodとAri-Upを中心に1980年に始まった英国のダブ・プロジェクトで、ジャマイカ出身のミュージシャンと、英国のパンク/ポストパンク周辺の演奏家が入れ替わり参加する形で展開していく。『Action Battlefield』は、その輪郭がまだはっきりと見える時期の記録として捉えやすい。

レーベルはStatik Records。ロンドン西部を拠点にした1980年代のレーベルで、オン・ユー・サウンド周辺の空気と近い場所にある。ジャケットやラベルには「A 1991 ON-U SOUND CREATION」と記されており、作品がオン・ユー・サウンドの文脈の中で扱われていることがうかがえる。なお、ラベルには「Made in France」が2回書かれている表記が見られ、同内容で表記違いの版も存在する。

作品の位置づけ

New Age Steppersは、単なるダブ・バンドというより、当時のロンドンの音楽的な混線をそのまま作品化したプロジェクトに近い。ジャマイカのダブの手法を土台にしつつ、パンク以降の切り詰めた演奏感や、ポストパンクの硬さをそのまま持ち込んでいるのが特徴だ。『Action Battlefield』は、その方向性が早い段階でまとまった作品として見てよさそうだ。

同時代のダブ作品と比べると、伝統的なジャマイカ音楽の延長線だけではなく、英国のアンダーグラウンド・シーンの気配が前面に出やすい。Adrian Sherwoodのプロダクションに触れたことのある人なら、低音の処理や空間の使い方、音の抜き差しにその作風を感じやすいはずだ。一方で、パンク側の参加者が入ることで、演奏の輪郭が過度に丸くならず、緊張感を保ったまま進むのがこのグループらしいところ。

聴きどころ

この作品でまず目を引くのは、音の隙間の作り方だ。リズムがずっと前に出続けるというより、ベースとドラムの土台を残しながら、ギターやエフェクト、断片的なボーカルが出たり引っ込んだりする。その配置によって、曲の推進力が一定ではなく、場面ごとに圧が変わる。ダブを聴くときに重要な「何が鳴っているか」より「何が消えているか」が、はっきり意識されるタイプの作りだ。

また、Ari-Upの存在感もこの時期のNew Age Steppersを語るうえで外せない。彼女のボーカルは、整った歌唱というより、言葉の切れ方や声の置き方そのものが曲の質感を変えていく。New Age Steppersが単なるスタジオ実験に留まらず、身体感覚のある音楽として成立しているのは、この声の生々しさが大きい。

「Action Battlefield」

タイトル曲は、この作品の性格を端的に示す中心曲と見てよさそうだ。レゲエの基本的な拍感を土台にしながら、ダブ処理によって輪郭を揺らし、音が前進するというより、ぶつかり合いながら進むような感触を作っている。ここでは、曲名にある「Battlefield」という語が、比喩としてだけでなく、音の配置そのものにも反映されている印象がある。

聴き進めると、各パートが常に前面に出るわけではなく、ある瞬間に引っ込み、別の瞬間に短く姿を見せる。その切り替えが、ダブ特有の空間の広がりにつながっている。派手に展開するというより、同じモチーフを少しずつ別の角度から見せる曲で、作品全体の入口として機能している。

ボーカルが前に出る楽曲群

この盤では、ボーカル曲が単なる装飾ではなく、音の密度を変える役割を持っている。Ari-Upや参加メンバーの声が入ると、トラック全体が急に人間的な温度を持ち、機械的なミックスに寄りすぎない。その一方で、声がきれいに整えられるわけではなく、断片的なフレーズや叫びに近いニュアンスが残るため、ポストパンク以降の感覚もきちんと残っている。

こうした曲では、メロディを追う楽しさよりも、リズムの隙間に声がどう落ちるかを聴く面白さがある。ダブのエコーや残響が、フレーズの意味を引き延ばすというより、声そのものを音響素材として扱っている感じだ。New Age Steppersの作品群の中でも、初期らしい荒さと、のちの洗練の手前にある不安定さが同居している。

参加メンバーについて

クレジットにはNeneh Cherry、Mark Stewart、Bruce Smith、Sean Oliver、Keith Levene、Eskimo Fox、George Oban、Jarrett Tomlinson、Ariane Forster、Lincoln Valentine Scottといった名前が並ぶ。パンク/ポストパンクの側からは、Pop Group周辺やPiL周辺を思わせる人物が入り、そこにジャマイカ系の演奏家が加わることで、単一のバンドというより、当時のロンドンの接点を切り取った集合体のような性格が強い。

この顔ぶれは、New Age Steppersが「レゲエを演奏する英国のバンド」というより、レゲエとダブの枠組みを使って別の都市の音を組み立てていたことを示している。だからこそ、『Action Battlefield』はジャンル名だけでは収まりにくいが、聴き始めると意外なほど筋が通っている。

まとめ

『Action Battlefield』は、1981年という時点でのNew Age Steppersの輪郭を知るうえで重要な一枚だ。Statik Recordsから出たUK盤として、オン・ユー・サウンド周辺のダブ観と、パンク/ポストパンクの緊張感が同じフレームに収まっている。音数は多くなくても、ミックスの中で起きていることはかなり多い。レゲエやダブを入口にしながら、ロンドンのアンダーグラウンドの交差点をそのまま記録した作品として、位置づけやすい。

トラックリスト

  1. A1 My Whole World 5:21
  2. A2 Observe Life 5:15
  3. A3 Got To Get Away 4:55
  4. A4 My Love 7:02
  5. B1 Problems 7:34
  6. B2 Nuclear Zulu 6:26
  7. B3 Guiding Star 6:30

動画

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