Nirvana - Nevermind (1991)
Nirvana『Nevermind』(1991) 作品紹介
Nirvanaの『Nevermind』は、1991年にUSのDGCから出たアルバムで、バンドにとってメジャー・レーベルでの本格的な第一歩にあたる作品だ。アメリカ・ワシントン州アバディーン出身のトリオが、当時のロックの流れを大きく変えるきっかけになった一枚として知られている。前作『Bleach』で見せていた粗い感触を残しながらも、ここでは曲の輪郭がはっきりし、音の押し出しも強い。グランジとオルタナティヴ・ロックが、ローカルな動きから全米規模へ広がっていく空気をそのまま記録したような作品でもある。
盤はDGC-24425表記。黒白印刷のインナー・スリーブ付きで、片面にバンド写真と制作クレジット、もう片面に歌詞の一部と、Kurt Cobainが撮影したというラバーモンキーの写真が載る仕様。ジャケット裏面には、DGCの住所や「Manufactured and Distributed in the United States by Uni Distribution Corp.」などの表記が入る。1991年のUS盤らしい情報量のある作りだ。
アルバムの位置づけ
Nirvanaにとって『Nevermind』は、Sub Pop時代のインディー色の強い活動から、より大きな市場へ出ていく転換点だ。1990年代初頭のシアトル周辺では、Soundgarden、Pearl Jam、Alice in Chainsなどと並んで語られることが多いが、その中でもこの作品は特に広い層に届いた。Kurt Cobainの歌と曲作り、Krist Novoselicの低音、Dave Grohlのドラムという編成が、シンプルな3人編成のまま、かなり強い推進力を持って鳴っている。
このアルバムの面白さは、音が大きいだけではなく、メロディがかなり明確なところにある。ざらついたギターと勢いのあるリズムの上で、歌のフックがきちんと残る。初めて通して聴くと、激しさより先に、曲ごとの切り替えの速さと、サビの入り方の分かりやすさが印象に残るはずだ。実際に聴くと、勢い任せに見えて、各曲の構成はかなり整理されている。
代表曲「Smells Like Teen Spirit」
この曲は『Nevermind』を語るうえで外せない。アルバム冒頭を飾る「Smells Like Teen Spirit」は、静かなギターの入りから一気に音が開く構成で、当時のロック・ラジオでも強い存在感を持った。リフは単純だが、演奏の押しと音量の差で展開を作っていくタイプで、曲の中で空気が何度も切り替わる。サビの合唱感のある部分と、Cobainの少し引っかかる歌い方が噛み合っていて、勢いのあるアンセムとして機能している。
この一曲だけでアルバム全体を代表できるほど有名だが、聴き進めると、単なるヒット曲の寄せ集めではないことが分かる。むしろこの曲が先頭にあることで、以降の曲の荒さや軽さ、重さがより見えやすくなる構成だ。
「Come as You Are」とアルバム中盤の流れ
「Come as You Are」は、アルバムの中でも特に輪郭のはっきりした曲だ。リフの反復が中心にあり、テンポの中で歌が前に出る。『Nevermind』の中では比較的わかりやすい部類で、メロディの見通しがよい。派手に崩れず、淡々と進むようでいて、サビに入ると印象が残る。アルバム全体の中で、爆発的な曲と曲の間をつなぐ役割も持っている。
中盤では「Lithium」も重要だ。静かな部分と強く押す部分の差がはっきりしていて、この作品のダイナミクスを象徴する一曲に数えられる。Cobainの歌は、きれいに整えるよりも、少し荒れたまま感情を残す方向に寄っていて、その点が当時のメインストリームのロックとは違う質感を作っている。
「In Bloom」「Drain You」「Polly」など
「In Bloom」は、アルバムの中でも特に曲の形が分かりやすい。メロディが前に出て、演奏はそれを支える側に回る。シングルとしてのまとまりがあり、Nirvanaの中でもポップな側面が見えやすい。激しいだけではない、歌の強さを感じる曲だ。
「Drain You」は、歪んだギターの感触と、どこかねじれた展開が印象に残る。音数は多くないが、演奏の勢いがそのまま曲の推進力になっている。「Polly」はそれとは対照的に、かなり抑えた編成で進む。アルバムの中で置かれると、暴れる曲の間にあるため、歌詞と歌の重さが目立つ。こうした振れ幅があることで、『Nevermind』は一枚通して聴いた時の起伏が大きい。
音と時代の文脈
1991年という年を考えると、『Nevermind』は90年代ロックの空気を象徴する作品の一つだ。80年代的な華やかさや技巧の誇示とは違い、ここでは音の勢い、歌の切実さ、曲の短さが前に出る。グランジという言葉でまとめられることは多いが、実際にはパンクの直線性、ハードロックの重さ、オルタナティヴの距離感が同居している印象だ。Soundgardenのような重厚さとも、Pearl Jamのような広がりとも少し違い、Nirvanaはより削ぎ落とされた形で届いている。
制作面では、Sub Popとの関係がクレジットに残っているのも重要だ。バンドの出自がシアトル周辺のインディー・シーンにあることを示しつつ、大手レーベルでの作品として成立している。その接続が、『Nevermind』の時代性をよく表している。
まとめ
『Nevermind』は、Nirvanaの代表作であると同時に、1991年のロックを象徴するアルバムでもある。派手な装飾より、リフ、歌、音量差、曲の切れ味で押していく作り。通して聴くと、ヒット曲の強さだけでなく、アルバム全体の流れの中で各曲がしっかり役割を持っていることが見えてくる。US初出盤ならではのインナー・スリーブやクレジットも含めて、作品としての完成度が高い一枚だ。
トラックリスト
- A1 Smells Like Teen Spirit 5:00
- A2 In Bloom 4:13
- A3 Come As You Are 3:38
- A4 Breed 3:03
- A5 Lithium 4:16
- A6 Polly 2:56
- B1 Territorial Pissings 2:22
- B2 Drain You 3:43
- B3 Lounge Act 2:35
- B4 Stay Away 3:30
- B5 On A Plain 3:12
- B6 Something In The Way 3:43
動画
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Nirvana - Smells Like Teen Spirit (Official Music Video)
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Nirvana - In Bloom (Official Music Video)
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Nirvana - Come As You Are (Official Music Video)
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Nirvana - Breed (Audio)
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Nirvana - Lithium (Official Music Video)
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Nirvana - Polly (Audio)
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Territorial Pissings
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Nirvana - Drain You (Audio)
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Nirvana - Lounge Act (Audio)
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Nirvana - Stay Away (Audio)
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Nirvana - On A Plain (Audio)
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Nirvana - Something in the Way (with Endless Nameless hidden track)