Oasis - (What's The Story) Morning Glory? (1995)
Oasis 1995

Oasis - (What's The Story) Morning Glory? (1995)

Rock Britpop

Oasis『(What's The Story) Morning Glory?』レビュー

1995年にUKのCreation RecordsからリリースされたOasisの2作目『(What's The Story) Morning Glory?』は、バンドの名前を一気に広く知らしめた作品だ。前作『Definitely Maybe』でUKロックの新しい中心に立ったOasisが、このアルバムでさらに大きなスケールの曲作りへ進んだ印象がある。Burnage, Manchester出身の4人組として始まったバンドは、ここで90年代半ばの英国ロックを代表する存在になり、Britpopという言葉と強く結びつくことになる。

この盤は1995年のオリジナルUK盤。Creation Recordsのカタログ番号はCRE LP 189で、三つ折りジャケット、重量感のある盤、黒いインナーという仕様が記録されている。作品としての重要性に加えて、アナログ盤としての存在感も強い1枚だ。なお、のちに別プレスも存在するが、このUK初出盤は当時の空気をそのまま閉じ込めたような位置づけにある。

アルバム全体の印象

このアルバムを聴くと、Oasisが「勢いのあるギター・バンド」から「大きなメロディを持つロック・バンド」へ移っていく過程がはっきり見える。曲の構造は比較的シンプルだが、サビの広がり方やコード進行の運びに、前作以上に歌を前面へ押し出す意識が感じられる。ノエル・ギャラガーの作曲は、ストレートなロックの骨格の上に、耳に残るフレーズをしっかり置いていく作りで、そこがこの作品の強さになっている。

同時代の英国勢と比べると、Blurが都市的な観察眼や遊び心を前に出していたのに対し、Oasisはもっと直線的で、合唱しやすいメロディとロックの推進力を前に出している。Pulpのような皮肉や視点の鋭さとも違い、このアルバムは言葉の切れ味よりも、曲そのものの押しの強さで進んでいく印象だ。その分、ライブ会場での鳴り方が想像しやすい曲が多い。

代表曲「Wonderwall」

このアルバムを語るうえで「Wonderwall」は外せない。静かな立ち上がりから始まり、アコースティック・ギターのリズムに乗って、サビで一気に輪郭が立つ構成だ。派手な展開を入れずに、旋律の流れだけで引っ張る作りが印象的で、Oasisの中でも特に広く知られる曲になったのも納得しやすい。

実際に聴くと、演奏の派手さよりも、歌の置き方と間の取り方が曲を支えているのがわかる。リフやフックが前へ出すぎず、歌詞の断片が少しずつ積み重なることで、曲全体に独特の引力が生まれている。90年代UKロックの中でも、この曲は「大きい音で鳴るはずなのに、中心はかなり素朴」というバランスがはっきりしている。

代表曲「Don't Look Back in Anger」

「Don't Look Back in Anger」は、このアルバムの中でも特に構成の美しさが目立つ曲だ。ピアノの導入があり、そこからロック・バンドらしい厚みへ移っていく流れが自然で、サビの広がり方もわかりやすい。Oasisの楽曲の中では、シンガロングのしやすさがかなり前面に出た1曲といえる。

この曲では、ノエルのメロディ感覚がよく表れている。単純に勢いで押すのではなく、フレーズの着地を丁寧に作っているので、聴き手の記憶に残りやすい。ライブで長く機能してきたことも含め、Oasisの代表曲群の中でも特に「バンドの輪郭」を示す役割が強い曲だと感じる。

「Some Might Say」とアルバムの流れ

「Some Might Say」は、アルバムの冒頭を支える重要な曲だ。前のめりなギターの感触と、歌が進むごとに少しずつ開けていく感じがあり、作品全体のスタート地点としてよく機能している。ここで示されるのは、勢いだけでなく、メロディを大きく鳴らすことへの自信だろう。

アルバムを通して聴くと、この曲が前半の推進力を作り、以後の楽曲がその空気を受け継いでいくように感じられる。Oasisらしい直球のロック感がありながら、単なる荒さでは終わらない。90年代中盤のUKチャートを象徴するような、わかりやすい強度を持った1曲だ。

収録曲にまつわる点

「Cast No Shadow」はRichard Ashcroftに捧げられた曲として知られている。The Verveのフロントマンとの関係性を思わせる一文だが、曲自体はアルバムの中で比較的落ち着いた位置にあり、作品の表情を広げている。「Hello」にはGary GlitterとMike Leanderの楽曲からの引用が含まれており、オープニングから既存曲の要素を取り込む形になっているのも特徴だ。

このアルバムは、派手な技巧を前面に出すより、曲の輪郭をはっきりさせて積み上げていく作りが中心だ。だからこそ、ヒット曲だけでなく、アルバム全体の通し方に意味が出てくる。アナログ盤で聴くと、各曲の間のつながりや音の厚みが見えやすく、当時のUKロックの空気感も伝わりやすい。

まとめ

『(What's The Story) Morning Glory?』は、Oasisが1995年時点で到達していた強いメロディ感と、バンドとしての大きな鳴り方をそのまま示した作品だ。デビュー作の勢いを受けて、より広い層へ届く曲を並べたアルバムとして位置づけられるだろう。Britpopの中心的作品として語られることが多いのも自然で、UKロックの90年代を振り返るとき、かなり重要な座標になっている。

このUKオリジナル盤は、その作品像を初期仕様で味わえる1枚でもある。ジャケット、重量盤、黒いインナーまで含めて、90年代半ばのリリースとしてのまとまりがある。Oasisの代表作として、そして当時の英国ロックを象徴するアルバムとして、長く参照され続けていることがよくわかる。

トラックリスト

  1. A1 Hello 3:21
  2. A2 Roll With It 3:59
  3. A3 Wonderwall 4:18
  4. B1 Don't Look Back In Anger 4:48
  5. B2 Hey Now! 5:41
  6. B3 Untitled 0:44
  7. B4 Bonehead's Bank Holiday 3:47
  8. C1 Some Might Say 5:29
  9. C2 Cast No Shadow 4:51
  10. C3 She's Electric 3:40
  11. D1 Morning Glory 5:08
  12. D2 Untitled 0:39
  13. D3 Champagne Supernova 7:27

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