Osage Tribe - Arrow Head (1972)
Osage Tribe『Arrow Head』について
Osage Tribeの『Arrow Head』は、1972年にイタリアで発表された1枚。フランコ・バッティアートが結成に関わったグループとして知られ、彼が去ったあとに残ったメンバーが、より硬質な演奏へと寄せていった流れの中で生まれた作品だ。全5曲構成のアルバムで、ハードロックを土台にしながら、プログレッシブ・ロックの要素を強く含む内容として語られている。
バッティアート参加から、バンド独自の方向へ
Osage Tribeは1971年、フランコ・バッティアートを中心に、ドラマーのクッチョロ、ギタリストのマルコ・ゾッケッドゥ、ベーシストのボブ・カッレーロで始動した。バッティアートは最初のシングル「Un falco nel cielo」で歌っているが、ほどなくソロ活動へ移る。その後、残ったトリオがジェノヴァを拠点にバンドを続け、『Arrow Head』へつながっていく流れだ。
この作品は、バッティアート在籍期のポップ寄りの印象とはかなり違い、より攻めたバンド演奏が前に出る内容として位置づけられている。ジェノヴァ周辺の70年代イタリアン・ロックらしい、演奏力を軸にした組み立ての中に、長尺曲と静かな場面を織り込んだ作りが目を引く。
作品の内容と聴きどころ
『Arrow Head』は5曲入りで、中心にあるのは長めの「Soffici bianchi veli」と、やや静かな「Cerchio di luce」。特にこの2曲は、ジャズの要素が少し入る場面もあるとされ、単純なハードロックの連続では終わらない構成になっている。
全体としては、ギターを軸にした硬めのバンドサウンドが印象に残る一方で、ただソロを並べるだけの作りではなく、曲の展開で聴かせるタイプのアルバムとして扱われている。イタリアの初期プログレ周辺でよく比較されるバンド群の中でも、演奏の勢いと構成の両方を持った作品として見られてきたようだ。
バンドにとっての位置づけ
Osage Tribeにとって『Arrow Head』は、短い活動期間の中で残した代表作という位置づけになっている。バンドはライブ活動も行っていたが長続きせず、ゾッケッドゥとカッレーロは1972年末にDuello Madreを結成。クッチョロはOsage Tribe名義を残して新編成を組むが、その後メンバーの入れ替わりや兵役、他バンドへの加入が続き、最終的にグループは解散へ向かう。
そのため、このアルバムは「この編成でのOsage Tribe」の到達点として聴かれることが多い作品だ。バッティアートの名前で始まり、残りのメンバーが独自色を強めて完成させた、という経緯も含めて印象に残る。
同時代の文脈
1972年のイタリアでは、ロックがより複雑な構成や長い曲展開へ向かっていく時期で、Osage Tribeもその流れの中にある。初期イタリアン・プログレの文脈で語られることが多く、ハードロック寄りの力感と、プログレらしい展開志向が同居している点が特徴になっている。
フランコ・バッティアートのキャリアを考えると、この作品はソロ作へ進む前段階の記録でもある。一方で、アルバム本体はバッティアート色よりも、残ったメンバーの演奏で押し切るバンド作品として成立しているのが面白いところだ。
まとめ
『Arrow Head』は、Osage Tribeが1972年に残した全5曲のアルバム。ハードロックを土台に、プログレッシブ・ロックの構成感を加えた1枚で、特に「Soffici bianchi veli」と「Cerchio di luce」が内容の核として挙げられている。短命なバンドの中で生まれた作品だが、イタリア初期プログレの一角として語られるだけの要素を持つアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Hajenhanhowa (9:30)
- A2 Arrow Head (5:10)
- A3 Cerchio Di Luce (7:20)
- B1 Soffici Bianchi Veli (9:30)
- B2 Orizzonti Senza Fine (8:00)