Rammstein - Sehnsucht (1997)
Rammstein 1997

Rammstein - Sehnsucht (1997)

Electronic Rock Industrial Metal

Rammstein『Sehnsucht』について

Rammsteinの『Sehnsucht』は、1997年にオリジナル・リリースされた2作目のアルバムで、バンドの初期像を強く決定づけた作品として知られている。ドイツ出身の6人編成によるこの時期のRammsteinは、インダストリアルな機械的リズムと、グルーヴの強いメタル・サウンドを前面に押し出し、1990年代後半のヨーロッパのヘヴィ・ミュージックの中でも独自の存在感を持っていた。収録曲の多くはドイツ語で歌われており、言葉の響きそのものがリズムの一部として機能している点も、このバンドらしさを形作っている。

2017年に出たこのヨーロッパ盤は、2015年のリマスターを反映した再発盤で、180グラムの2LP仕様、デラックスなゲートフォールド・スリーブ、印刷インナー、6ページの三つ折り12インチ・インサート付きという内容。タイトルはジャケットにエンボス加工され、見た目の存在感も強い。オリジナルの1997年盤とは時代が離れているが、作品そのものは当時のRammsteinを理解するうえで欠かせない位置にある。

作品の位置づけ

『Sehnsucht』は、Rammsteinの2作目という立場以上に、バンドの輪郭を広く知らしめたアルバムとして重要だ。前作で見えた方向性をさらに整理し、より鋭く、より直接的な形にまとめている印象がある。重いギター、硬質なビート、低音の効いたボーカル、そして反復の強さ。こうした要素が一体となって、Rammsteinの後年のイメージにつながる基盤を作っている。

同時代の文脈で見ると、90年代のインダストリアル・ロックやグルーヴ・メタルの流れと接点を持ちながらも、英語圏のバンドとは違う方向に進んでいるのが面白い。Nine Inch NailsやMinistryのような機械的な質感、あるいはメタル側の重量感と比較されることはあっても、Rammsteinはドイツ語の発音、行進的なビート、舞台演出まで含めて、かなり固有のスタイルを作っている。

収録曲の聴きどころ

「Du hast」

このアルバムを語るうえで外せないのが「Du hast」だ。Rammsteinの代表曲として広く知られ、バンド名を知らない人でもこの曲だけは耳にしたことがある、というケースも多いはずだ。短いフレーズを繰り返す構成で、ギターの刻みとドラムの推進力が前に出る。メロディを大きく歌い上げるというより、言葉の硬さとリズムの反復で押し切るタイプの曲で、ライブでの機能性も高い。

歌詞の言い回しに引っかかりがあるのも、この曲の特徴だ。タイトルの響きと意味のずれを含めて、言葉遊びのような感触が残る。英語圏でも強く受け止められた楽曲だが、Rammsteinの曲としての核はやはりドイツ語の語感にあることがよく分かる。

「Engel」

「Engel」は、アルバムの中でも比較的広がりのある楽曲として印象に残る。シングルとしても重要な位置にあり、重さだけでなく、歌の輪郭やメロディの見せ方にも意識が向いている。サウンドはあくまでRammsteinらしく硬いままだが、曲の運びには別の表情がある。

この曲では、バンドの持つ演劇的な側面も見えやすい。過剰に感情を煽るのではなく、一定の温度で進みながら、フックだけを強く残していく作り。アルバム全体の中で聴くと、攻撃性一辺倒ではないことが分かる一曲でもある。

「Du riechst so gut」

「Du riechst so gut」は、Rammsteinの初期らしい緊張感が濃い。リズムの反復とギターの押しが前に出て、曲全体がじわじわと圧をかけてくる。派手な展開に頼らず、同じモチーフを積み重ねていく構成で、バンドの持つ執拗さがよく出ている。

この曲を聴くと、Rammsteinが単に重いだけのバンドではなく、音の配置や間の取り方まで含めて緻密に組み立てていることが分かる。派手なフックが先に立つ「Du hast」と並べると、アルバムの中での役割の違いも見えやすい。

再発盤としての特徴

2017年盤は、2015年のリマスターを元にした再発で、アナログ2枚組としてのまとまりがある。クレジットにはチャートメイカーズ・ヘルシンキでのヴァイナル・リマスタリング、スターリング・サウンドでのカッティングが記されている。オリジナルの1997年リリースはMotor Musicから出ていたが、この盤はユニバーサル系のクレジットとともに、EUプレスの仕様で整理されている。

また、初期CD盤で見られた差異とは別に、この再発盤はアナログ作品としての見せ方が重視されている。ジャケットのエンボス加工やインサート類も含めて、アルバムの持つ無機質さと物理的な存在感が噛み合っている印象だ。Rammsteinの作品は音だけでなく、パッケージ全体の作り込みも含めて記憶に残りやすい。

まとめ

『Sehnsucht』は、Rammsteinの初期を代表するアルバムであり、バンドの名前を世界規模で広めた時期の核にある作品だ。インダストリアルな質感、メタルの重量感、ドイツ語の硬い響きが一体になったサウンドは、この時点ですでにかなり明確になっている。ヒット曲「Du hast」を中心に、アルバム全体でもバンドの個性がぶれずに通っているのが分かる。

2017年のヨーロッパ盤は、2015年リマスターを採用した2LP仕様として、この作品をアナログで改めて置き直した形。1997年当時の空気をそのまま閉じ込めたというより、現在の基準で整理し直された再発盤として見ると、作品の輪郭がよりはっきりしている。

トラックリスト

  1. A1 Sehnsucht 4:04
  2. A2 Engel 4:24
  3. A3 Tier 3:46
  4. B1 Bestrafe Mich 3:36
  5. B2 Du Hast 3:54
  6. B3 Bück Dich 3:21
  7. C1 Spiel Mit Mir 4:45
  8. C2 Klavier 4:22
  9. C3 Alter Mann 4:22
  10. D1 Eifersucht 3:35
  11. D2 Küss Mich (Fellfrosch) 3:30

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