Ramsey Lewis - Sun Goddess (1974)
Ramsey Lewis 1974

Ramsey Lewis - Sun Goddess (1974)

Jazz Jazz-Funk Soul-Jazz

Ramsey Lewis『Sun Goddess』(1974)

Ramsey Lewisは、シカゴ出身のジャズ・ピアニスト/キーボード奏者で、クラシックなジャズの語法を土台にしながら、ソウルやファンクの感触を自然に取り込んでいった人物だ。『Sun Goddess』は1974年の作品で、彼のディスコグラフィーの中でも、ソウル・ジャズとジャズ・ファンクの接点をはっきり示す一枚として知られている。ピアノ・トリオの枠に収まるタイプの作品ではなく、当時のブラック・ミュージックの空気を強く吸い込んだ、グルーヴ重視のアルバムという印象が強い。

この時期のRamsey Lewisは、単に“ジャズの人が流行を取り入れた”というより、R&Bやファンクとジャズの間を実際に行き来できる演奏家として存在感を持っていた。特に1970年代前半は、ジャズの側でもエレクトリックな音色やダンサブルなビートが広がっていた時代で、Herbie HancockやLonnie Liston Smith、Grover Washington Jr. などと並べて語られる文脈がある。『Sun Goddess』もその流れの中で、よりメロディとリズムの両方を前面に出した作品として聴こえる。

タイトル曲「Sun Goddess」

アルバムの核になるのは、やはりタイトル曲「Sun Goddess」だ。ここでは、軽快なリズムの上に鍵盤のフレーズが重なり、曲全体が自然に前へ進んでいく。Ramsey Lewisらしいのは、派手にソロを押し出すよりも、アンサンブルの流れを保ちながら、要所で印象的なフレーズを置いていくところだ。耳に残るモチーフが繰り返され、そこにホーンやリズム隊の推進力が加わることで、演奏が一つの大きな流れとしてまとまっている。

この曲は、後年のコンピレーションや再評価の場でもよく取り上げられる代表曲のひとつで、Ramsey Lewisの70年代サウンドを象徴する存在になっている。ジャズ・ファンクの文脈で聴くと、リズムの置き方や音の抜き差しに時代性がはっきり出ていて、同時代のクロスオーバー作品と比較しても輪郭がわかりやすい。ジャズの即興性と、ソウル寄りの反復感が同居している点が、この曲の大きな特徴だ。

アルバム全体の流れ

『Sun Goddess』は、通して聴くと、曲ごとの性格が少しずつ変わりながらも、全体としては一貫してグルーヴを軸に組み立てられている。ピアノだけで引っ張るのではなく、キーボード類の質感やバンドのリズム感を生かしながら、ファンクのうねりを作っていく構成だ。Ramsey Lewisの作品の中でも、クラブ寄りの身体感覚とジャズの演奏性がきれいに結びついた時期の記録として読める。

聴感上は、音数を詰め込むよりも、フレーズの間と反復の積み重ねで展開していく場面が目立つ。そこがこの作品のわかりやすさでもあり、同時に長く聴かれてきた理由でもある。ソウル・ジャズの軽さだけで終わらず、ジャズ・ファンクとしての粘りもあるため、1970年代中盤のクロスオーバー作品の中でも、かなり整理された印象を残す。

作品の位置づけ

Ramsey Lewisにとって『Sun Goddess』は、ポップ寄りの親しみやすさと、ジャズ演奏家としての芯の強さが同時に見える作品だ。1960年代の彼を知っていると、ピアノ・トリオでの端正なイメージとの違いがわかりやすいし、1970年代のブラック・ミュージック全体の流れを踏まえると、より大きな文脈の中で意味を持つ一枚でもある。ジャズがクラブやラジオの空気と接続していた時代の、ひとつの具体的なかたちと言える。

USオリジナル盤について

このUS盤はColumbiaのKC 33194で、1974年リリース。ジャケット表記ではKC 33194が前面左上、背表紙、裏面、両ラベルに記載されている。ランアウトはスタンプで、レーベルや刻印の情報から、同年のColumbiaプレスとして扱える。レーベル表記には「© 1974, CBS, Inc.」「℗ 1974, CBS, Inc.」「Manufactured by Columbia Records/CBS Inc.」が見られ、70年代中盤のColumbiaらしい仕様だ。

また、ランアウトに「P」の刻印がある個体は、Pitmanプレスを示すものとして扱われている。こうしたプレス情報は音そのものの内容とは別だが、当時のUSオリジナル盤を確認するうえでは重要な手がかりになる。『Sun Goddess』は、作品としての内容だけでなく、70年代Columbiaのソウル/ジャズ系カタログを代表するタイトルのひとつとしても見ておきたい。

トラックリスト

  1. A1 Sun Goddess 8:29
  2. A2 Living For The City 5:20
  3. A3 Love Song 5:53
  4. B1 Jungle Strut 4:40
  5. B2 Hot Dawgit 3:00
  6. B3 Tambura 2:53
  7. B4 Gemini Rising 5:50

動画

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