Randy Burns - Evening Of The Magician (1968)
Randy Burns『Evening Of The Magician』について
Randy Burnsは、1948年生まれのアメリカ・コネチカット州ニューヘイブン出身のフォーク・シンガー/ソングライター/ギタリスト。本作『Evening Of The Magician』は1968年にオリジナルが出た作品で、2011年にオランダのEnabling Worksから再発された盤が流通している。レーベル側は、入手しづらいカルト性のある音源を掘り起こして再発することを主な目的としており、この作品もその流れの中で紹介された1枚といえる。
ジャンル表記はRock、スタイルはFolk Rock。Randy Burnsのソロ作として見ると、60年代後半のアメリカン・フォーク・ロックの空気を持つタイトルとして位置づけやすい。フォークの語り口とロックのリズム感が重なる時代の作品で、同時代のシンガーソングライター作品と並べて語られることも自然だろう。彼の公式サイトやBandcamp、Wikipedia、ReverbNationでも活動の輪郭をたどることができる。
1968年作としての意味合い
1968年という年は、フォークがより個人的な歌へ寄り、同時にロックの編成や音像を取り込んでいく流れが目立つ時期だった。Randy Burnsのこの作品も、その文脈の中で捉えると分かりやすい。大きな商業ヒットを前提にした盤というより、歌とギターを軸にした表現を記録した作品として耳に入ってくる。作者本人の持つシンガーソングライター性が前面に出やすいタイプのアルバムと考えられる。
再発盤が2011年にオランダで300枚のみプレスされたという点も、この作品の流通のされ方を示している。広い市場で長く定番化したアルバムというより、後年になって再評価の対象として掘り起こされた盤という印象が強い。オリジナル盤と比べると、再発盤はコレクター向けの性格がはっきりしており、入手性の改善という役割が大きい。
音の手触りと聴きどころ
実際の音像は、フォーク・ロックらしく、歌詞の言葉運びとギターの存在感が中心に置かれているタイプとして受け取れる。派手な装飾を重ねるより、曲そのものの輪郭を見せる作りで、60年代のシンガーソングライター作品に通じる素朴さと緊張感が同居する。こうした盤では、ボーカルの息づかい、ギターのストローク、曲間の流れが作品全体の印象を決めやすい。
特定の曲名やシングルヒットが広く知られている作品ではないため、アルバムとして通して聴いたときのまとまりが重要になる。曲ごとの強弱よりも、歌い手としてのRandy Burnsの視点が一貫しているかどうかが見どころになりやすい。フォークの語りとロックの推進力が交わる瞬間に、この時代の作品らしい手触りが出る。
Randy Burnsというアーティストの位置づけ
Randy Burnsは、のちに広く知られる大物というより、60年代末のアメリカン・フォーク・ロックの周縁から作品を残したシンガーソングライターとして見ると整理しやすい。自作曲を軸にした表現、ギターを伴う歌、個人の視点を保ったまま時代の空気を吸い込む姿勢が、この種の作品の核になる。そうした意味で『Evening Of The Magician』は、彼の初期の姿を伝える記録として読むことができる。
再発を手がけたEnabling Worksは、オランダを拠点に2010年に設立されたレーベルで、見つけにくいカルト的音源の再紹介を主眼としている。300枚限定というプレス数も含めて、この盤はコレクション目的で注目されやすい仕様だが、内容面では60年代フォーク・ロックの一断面を知る手がかりになる。派手な逸話で押す作品ではなく、歌い手の初期像と時代背景を静かに残したアルバム、という受け止め方がしっくりくる。
トラックリスト
- A1 Evening Magician 2:48
- A2 Echoes Of Mary's Song 4:14
- A3 Ron's Song 3:14
- A4 You've Got All Of Love Standing At Your Door 4:24
- A5 Susan Your Mind's Got Wings 3:45
- B1 Girl From England 4:05
- B2 Rainy Day Children 4:28
- B3 Lady Rain Again 3:19
- B4 Springtime Song 3:02
- B5 When Daylight Comes In Everything 3:55
動画
- Evening of the Magician
- Echoes of Mary's Song
- Ron's Song
- You've Got all of Love Standing At Your Door
- Susan Your Mind's Got Wings
- Girl From England
- Rainy Day Children
- Lady Rain Again
- Springtime Song
- When Daylight Comes in Everything