The Red Hot Chili Peppers - One Hot Minute (1995)
Red Hot Chili Peppers 1995

The Red Hot Chili Peppers - One Hot Minute (1995)

Rock Alternative Rock Funk Metal

The Red Hot Chili Peppers『One Hot Minute』について

The Red Hot Chili Peppersの『One Hot Minute』は、1995年に発表された6作目のスタジオ・アルバムである。録音は1994年6月から1995年2月にかけて行われ、1995年9月12日にリリースされた。バンドにとっては、Dave Navarroがギターで参加した唯一のスタジオ作品としても知られる一枚で、90年代半ばのロックの空気を強く映したアルバムでもある。ファンクを軸にしながら、オルタナティヴ・ロックやファンク・メタルの要素を前面に出した内容で、同時代のロック作品の中でもかなり輪郭のはっきりした存在感がある。

このヨーロッパ盤はWarner Bros. Recordsからのリリースで、カタログ番号は9362-45733-1。ドイツ製で、Warner Music Manufacturing Europeによるプレスとなっている。内袋には歌詞と写真が掲載され、2枚組のインナー・スリーブ構成。LP時代の作品としては、曲順や音像のまとまりをじっくり追える仕様で、CDとはまた違う手触りがある盤だ。

アルバムの位置づけ

『One Hot Minute』は、Red Hot Chili Peppersのディスコグラフィーの中でも少し特別な位置にある。前作『Blood Sugar Sex Magik』で大きく飛躍した後、ギタリストがJohn FruscianteからDave Navarroへ交代し、バンドのサウンドはより重く、陰影のある方向へ寄っていく。ここでは、初期から続くファンク由来の跳ね方よりも、リフの厚みや曲ごとの構成の起伏が目立つ。結果として、同じバンドの作品でありながら、80年代末や90年代初頭の軽快なノリとは少し違う、緊張感のあるアルバムになっている。

また、Anthony Kiedisの歌い回しやメロディの置き方も、この作品ではかなり印象が残る。ファンク・ロックの文脈にありながら、単純にグルーヴだけで押し切るのではなく、暗さや切迫感を含んだ曲が多い。SoundgardenやPearl Jam、Jane's Addictionなど、90年代ロックの別の流れと並べて語られることがあるのも、こうした質感のためだろう。

聴きどころ1:「Warped」

冒頭を飾る「Warped」は、このアルバムの性格を早い段階で示す曲である。重めのギターと、うねるベース、タイトなドラムが前に出て、以前のRHCPにあった軽快な飛び方よりも、まず圧を感じる作りになっている。Dave Navarroのギターは、フレーズの隙間を埋めすぎず、音の輪郭を太く見せる方向で機能していて、曲全体の緊張感を保っている。

歌詞面でも、自己認識や不安定さが前景に出る。アルバムの入り口としてはかなり強く、ここでこの作品が単なるファンク・ロックの延長ではないことが分かる構成だ。リズムの推進力はあるのに、どこか落ち着かない。そのズレがこの曲の特徴になっている。

聴きどころ2:「My Friends」

「My Friends」は、このアルバムの中でも比較的広く知られた代表曲のひとつで、シングルとしても印象が強い。アコースティックな感触を含む静かな入り口から、徐々に厚みを増していく展開で、バンドの持つメロディ性がよく出ている。派手なファンク・プレイではなく、曲そのものの流れで聴かせるタイプの楽曲で、アルバム全体の中でも立ち位置がはっきりしている。

実際に聴くと、声の置き方と伴奏の間合いがかなり丁寧で、感情の振れ幅が大きい。RHCPの楽曲の中では比較的ストレートに耳に残る部類だが、単純なバラードではなく、終盤に向けて重さを増す構成がある。90年代中盤のバンドが、内省的な曲をどう鳴らしていたかを示す一曲とも言える。

聴きどころ3:「Aeroplane」

「Aeroplane」は、アルバムの中で比較的明るい推進力を持つ曲で、ファンク寄りのバンドらしさが戻ってくる場面でもある。Michael “Flea” Balzaryのベースが目立ちやすく、リズムの跳ね方にこのバンドらしい癖がある。重さのあるアルバムの中で、ここだけ少し風通しが変わる印象だ。

また、この曲はライブでもよく知られる存在で、アルバムの中で聴きやすい入口になっている。とはいえ、単に軽いわけではなく、ギターの質感やコーラスの配置にはこの時期特有の硬さが残る。ファンクとオルタナティヴ・ロックの接点を、90年代の音で更新したような曲として捉えやすい。

聴きどころ4:「Pea」

短い楽曲「Pea」も、この作品を語るうえで外しにくい。Fleaがリード・ヴォーカルを取る珍しい曲で、アルバム中のアクセントになっている。長尺の組曲的な曲や濃い質感のナンバーが並ぶ中で、こうした小品が挟まることで、作品全体の呼吸が少し変わる。

内容としては軽妙だが、アルバムの中では単なる余談ではなく、バンド内のキャラクターがそのまま出た場面として機能している。『One Hot Minute』の重さを知っていると、この曲の存在がなおさら効いてくる。

この盤について

このヨーロッパ盤は1995年当時のリリースで、オリジナル年と盤の年が同じ。Made in Germany表記で、Warner Music Manufacturing Europe製。ラベルはWarner Bros. Recordsのもの。収録内容の核はオリジナル作品そのままで、歌詞入りインナー・スリーブを含むパッケージも当時のLPらしい作りになっている。90年代の作品ではあるが、LPで触れると曲の間のつながりや低音の出方に、アルバム単位で聴く意味が見えやすい。

『One Hot Minute』は、バンドの中でも少し異色で、しかもその異色さが作品の個性として残っているアルバムである。Red Hot Chili Peppersのファンク・ロックを期待すると印象は変わるかもしれないが、その変化自体がこの作品の核心にある。90年代中盤のロックの空気と、メンバー交代後のバンドの再構築、その両方がはっきり刻まれた一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Warped 5:04
  2. A2 Aeroplane 4:45
  3. A3 Deep Kick 6:33
  4. B1 My Friends 4:02
  5. B2 Coffee Shop 3:08
  6. B3 Pea 1:47
  7. B4 One Big Mob 6:02
  8. C1 Walkabout 5:07
  9. C2 Tearjerker 4:19
  10. C3 One Hot Minute 6:23
  11. D1 Falling Into Grace 3:48
  12. D2 Shallow Be Thy Game 4:34
  13. D3 Transcending 5:46

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