Sally Oldfield - Easy (1979)
Sally Oldfield 1979

Sally Oldfield - Easy (1979)

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Sally Oldfield『Easy』(1979) について

Sally Oldfieldの『Easy』は、1979年にUKのBronzeからリリースされたアルバムで、彼女のソロ活動の中でも70年代末の空気をよく映した一枚として位置づけられる作品だ。Sally Oldfieldは、Mike Oldfieldの姉としても知られるが、音楽面ではフォークを出発点にしながら、のちにポップやロックの文脈で独自の表現を広げていった人物でもある。本作は、そうした彼女の流れの中で、フォークロックとポップロックの要素を軸に、聴きやすさと曲調の変化を両立させたアルバムとして捉えやすい。

1979年という年は、英国のロックやポップがディスコやニューウェイヴの動きと並走していた時期でもある。そのなかでBronzeは、Uriah HeepやMotörhead、The Damnedなどを抱えるUKの重要なインディペンデント・レーベルとして機能していた。本作もそのカタログの一部として、派手なハードロック路線とは違う、よりメロディを重視した作品群の一つに入る。

Sally Oldfieldというアーティストの背景

Sally Oldfieldはダブリン生まれ、イングランド育ち。幼少期からバレエに親しみ、のちにクラシック・ピアノも学んでいる。学生時代を通じて音楽だけでなく、舞踊や文学、哲学にも触れており、その経歴は彼女の作品にある程度の構成感や、歌の運びの丁寧さとして表れやすい。音楽活動の出発点は1968年ごろで、弟のMike Oldfieldとのデモ録音や、フォーク・デュオThe Sallyangieでの活動がよく知られている。

そうした経歴を踏まえると、『Easy』は単なるポップ作品というより、フォーク由来の歌心と、70年代末の英国ロックの制作感覚が接続されたアルバムとして見えてくる。アルバム単位で聴いたときに、曲ごとの輪郭が比較的はっきりしている点も印象に残るところだ。

Bronzeレーベル期の一枚として

Bronzeは1971年にGerry Bronが立ち上げたUKレーベルで、当初はIsland、のちにEMI、さらにPolydorへと流通が変わっていった。1979年の『Easy』は、そのBronzeが英国の独立系レーベルとして存在感を強めていた時期の作品にあたる。レーベルの顔ぶれを見ても、ロックを中心にしながらも幅のあるラインナップで、Sally Oldfieldのようなメロディ志向のアーティストもその中で無理なく並んでいる。

この時期の英国盤らしく、音の作りは過度に装飾へ寄りすぎず、歌を前に置く設計が基本になっている。フォークロック、ポップロックというスタイル表記は、そのまま曲の骨格を説明している印象だ。

収録曲の聴きどころ

本作の大きな特徴は、楽曲単位で見たときに、メロディの運びが比較的つかみやすいことだ。Sally Oldfieldは声の置き方に癖を強く出すタイプというより、フレーズをなめらかに運びながら曲の流れを整えていく。アルバム全体も、その歌声を中心に据えて組み立てられているように感じられる。

タイトルの『Easy』は、作品の印象をそのまま示す曲名でもある。ここでいう“Easy”は、単に軽いという意味ではなく、曲の進行や歌の入り方に無理が少ない、という方向に受け取れる。Sally Oldfieldの作品では、旋律が前に出る場面でも、過度に押しつけがましくならず、曲の輪郭を保ったまま進むことが多い。本作でもその性格はよく出ている。

また、フォークロック寄りの曲では、アコースティックな質感とバンドの厚みが近い距離で共存している。ここは70年代英国のシンガーソングライター作品とも重なる部分で、たとえば同時代のフェアポート系の流れや、よりポップ寄りの女性ソロ作品と並べて聴くと、Sally Oldfieldの歌の柔らかさと整った構成感が見えてくる。派手な展開で押すというより、曲のまとまりで印象を残すタイプのアルバムだ。

作品の位置づけ

『Easy』は、Sally Oldfieldがソロの表現を70年代後半の英国ロック/ポップの中でどう成立させたかを示す一枚として見やすい。フォーク由来の感覚を残しつつ、より広い層に届くポップ性を持たせた点がこの時期らしい。弟のMike Oldfieldが長大な組曲や実験性で知られるのに対し、Sallyの作品はより歌そのものの流れに重心がある。その違いも、本作を聴くと把握しやすい。

1979年のオリジナルUK盤という点でも、Bronzeの70年代末カタログを知るうえで押さえやすいタイトルだ。アーティストの来歴、レーベルの性格、当時の英国ロックの空気が無理なく重なっている。Sally Oldfieldの作品群の中では、フォークロックとポップロックのバランスを確認できる重要な位置にあるアルバムと言えそうだ。

トラックリスト

  1. A1 The Sun In My Eyes
  2. A2 You Set My Gypsy Blood Free
  3. A3 Answering You
  4. A4 The Boulevard Song
  5. A5 Easy
  6. B1 Sons Of The Free
  7. B2 Hide And Seek
  8. B3 Firstborn Of The Earth
  9. B4 Man Of Storm

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