Spirit Of John Morgan - Spirit Of John Morgan (1969)
Spirit Of John Morgan 1969

Spirit Of John Morgan - Spirit Of John Morgan (1969)

Rock Blues Rock Prog Rock

Spirit Of John Morgan『Spirit Of John Morgan』(1969)

Spirit Of John Morganは、1960年代後半のイギリスで活動したブルース・ロック系グループで、John Morganを中心にまとまったバンドである。本作『Spirit Of John Morgan』は、1969年にUKで登場したアルバムで、グループの名前をそのまま掲げた、いわば自己紹介のような1枚。ブルース・ロックを土台にしながら、当時の英国ロックらしい構成感や、ややプログレッシブな展開も見せる作品として位置づけられている。

この時期のUKロックは、アメリカ由来のブルースを下敷きにしつつ、フォークやソウル、R&B、ポップの要素を混ぜていく流れが強かった。Spirit Of John Morganもその文脈にしっかり乗っていて、単純なブルースの焼き直しではなく、曲ごとに色合いが変わるのが特徴的だ。派手なスター性で押すタイプというより、演奏の組み立てや曲の流れで聴かせるタイプのバンドという印象が残る。

アルバム全体の手触り

全体を通して聴くと、まず耳に入るのはギターを中心にした骨太なバンド・サウンドである。リフで引っ張る場面もあれば、曲の中でテンポや雰囲気が少しずつ変わっていく場面もあり、1969年という時代らしい“ロックがまだ拡張途中にある感じ”がそのまま残っている。ブルース・ロックの直線的な推進力だけでなく、曲の中に余白や切り替えがあるため、単調になりにくい構成だ。

また、演奏は荒々しさだけで押し切るのではなく、各パートの役割が比較的見えやすい。ベースとドラムが土台を作り、その上でギターや歌が前に出る場面が多い。こうした作りは、同時代の英国ブルース・ロック、たとえばChicken ShackやBlodwyn Pig、あるいはより後年のトラッド寄りプログレに通じる部分もある。とはいえ、本作はあくまでバンドの初期像を示す録音としての性格が強く、過度に大仰な展開へは振り切らない。

注目曲について

収録曲の中では、まずバンドの基本形がはっきり出る曲に耳が向く。リフ主体で進むナンバーでは、ギターの押し出しとリズム隊の踏ん張りが前面に出て、Spirit Of John Morganの核が見えやすい。歌が派手に主張するというより、バンド全体でグルーヴを作るタイプで、演奏の呼吸を追う楽しさがある。ブルース・ロックの王道をなぞりながらも、細かな展開の付け方に英国バンドらしい工夫が感じられる。

一方で、やや長めの構成を持つ曲や、曲調が切り替わるナンバーでは、このグループのプログレッシブな側面が見えやすい。単純なコード進行だけで押し切らず、間奏やブレイクを挟みながら曲の景色を変えていく作りで、後のブリティッシュ・プログレに接続する前段階の感触がある。派手な技巧披露ではなく、曲の中で自然に展開していくところが、このアルバムの面白さになっている。

作品の位置づけ

Spirit Of John Morganは、John Morganを中心にしたUKブルース・ロック・グループとして知られ、本作はその初期の代表作として見られることが多い。1969年という年は、ハードロックやプログレッシブ・ロックが急速に輪郭を強めていく時期でもあり、本作もその境界線上に置くと見えやすい。ブルースを軸にしながら、フォークやソウル、R&B、ポップの影響が混ざるというプロフィールどおり、単一ジャンルに収まりきらないところがある。

UK盤はCarnabyからのリリースで、当時の英国ロックのローカルな空気を反映した存在でもある。大規模な商業性より、バンドの個性と演奏のまとまりを優先したような作りで、1960年代末の英国インディペンデント的な熱量を感じさせる1枚。派手なヒット曲で知られるタイプではないが、アルバム全体でバンドの姿勢が伝わる作品として、時代の文脈の中で押さえておきたいタイトルである。

なお、聴きどころは一曲だけに集約されるというより、アルバム全体を通して見える演奏の質感や、ブルース・ロックから少し先へ進もうとする姿勢にある。1969年の英国ロックの空気を、そのままバンド単位で切り取ったような作品として受け取れる。

トラックリスト

  1. A1 I Want You
  2. A2 Honky Tonk Train Blues
  3. A3 She's Gone
  4. A4 Orpheus And None For Ye
  5. B1 The Yodel
  6. B2 Shout For Joy
  7. B3 A Train For All Reasons
  8. B4 Yorkshire Blues

動画

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