The Alan Franklin Explosion - The Blues Climax (1970)
The Alan Franklin Explosion 1970

The Alan Franklin Explosion - The Blues Climax (1970)

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The Alan Franklin Explosion『The Blues Climax』(1970)

1970年にUSのHorne Recordsから出た、The Alan Franklin Explosion名義の『The Blues Climax』は、南部ローカルの自主制作盤らしい空気をそのまま閉じ込めた一枚だ。アーティスト名とタイトルからして強いが、実際に内容もその看板にかなり正直で、ブルースを土台にしたラフなハードロック、ガレージ寄りの荒さ、サイケデリックな揺れが同居している。コレクターのあいだで私的プレスの変種として知られる作品群の中でも、この盤は単なる補足ではなく、アルバム本編と地続きの素材として見ておきたい存在だ。

Alan Franklinはフロリダ州タンパの人物で、録音はオーランドのBee Jay Recording Studioで行われている。参加メンバーはAlan Franklin、Chris Russel、Buzzy Meekins、Dave Dixの4人。とはいえ、資料上では固定バンドというより、スタジオに集められた若い演奏者たちがAlanと組んだ形に近い。ドラムのDavid DixはのちにOutlawsへ加入する流れもあり、この時点ではローカルなセッションの延長にある記録として読むと見えやすい。

作品の位置づけ

『The Blues Climax』は、Alan Franklinの2作目のLPに収められた楽曲を抜き出した盤として扱える。アルバム側では、The Alan Franklin Explosion名義と『The Blues Climax』の両方が前面に出ており、今回のシングル盤もその世界観を短く切り出したものだ。さらにさかのぼると、Alan Franklinの初期LP『Blues Climax』では、より少人数の編成で、演奏の粗さが前面に出ていたとされる。つまりこの時期の彼は、曲そのものを更新しながら、録音ごとに音の密度を少しずつ変えていった流れにある。

同時代の文脈で見ると、南部の無名盤にありがちな、ブルース・ロックを軸にしながらガレージの勢いを残したタイプだ。大手レーベルの洗練とは違い、演奏の隙や録音の近さがそのまま前景化している。比較対象としては、いわゆるローカル・サイケ、地方のハードブルース系の自主盤に並べて語られるタイプだろう。

「Piece of My Heart」

この核になるのが「Piece of My Heart」だ。タイトルだけを見ると既存曲を想像しやすいが、ここでの仕上がりはかなり別物で、いわゆる定番曲の扱いではない。記録上では、アルバムからの抜粋で、元のテイクを整理したものではなく、むしろ衝動をそのまま押し出したような演奏になっている。リフは前に出て、ギターは細かく詰め込むよりも、フレーズをぶつける方向。ボーカルも整った歌唱というより、感情の起伏を強く押し出すタイプだ。

この曲が面白いのは、ブルース進行を土台にしながら、歌と演奏のあいだにきれいな整合を作り込んでいない点にある。曲の骨格自体はシンプルだが、リズムの押し出しが強く、演奏全体が少しずつ前のめりになる。そのため、スタジオ録音でありながら、ライヴの熱気を優先したような印象が残る。アルバム紹介文が大げさな文句で埋められているのも納得できる、そういう勢いのある一曲だ。

「Bye Bye Baby」

もう一方の「Bye Bye Baby」は、「Piece of My Heart」よりも少し整理された、ブルース基調のロックとして聴こえる。こちらは曲の進行が追いやすく、演奏の輪郭も見えやすい。ギターは派手に暴れるというより、フレーズの切り返しで曲を引っ張る役割が強い。結果として、前曲のような荒さよりも、バンドとしてのまとまりが見える内容になっている。

ただし、整っているといっても、いわゆるAOR的な滑らかさとはまったく違う。音数を絞ったまま、リズムの粘りで聞かせるタイプで、ドラムとベースの踏ん張りが曲の土台になっている。アルバム本編の中でも、この曲は比較的アクセスしやすい部類に置かれていた可能性が高い。切り出されているのも、その性格のわかりやすさゆえだろう。

音の印象と資料面の面白さ

この作品の面白さは、単に珍盤としての話題性だけではなく、70年前後の地方ロックが持っていた編集の粗さ、録音の近さ、楽曲の未整理な熱をそのまま示しているところにある。LPの裏ジャケットには、かなり強い煽り文句が載っていたことも知られていて、作品そのものを神話化しようとする姿勢が見える。だが、実際の中身はその誇張を差し引いても、土臭いリズムと前に出るギター、押しの強いボーカルが中心の、かなりストレートな記録だ。

レーベルのHorne Recordsはフロリダ州タンパのロック系レーベルとして知られ、この盤もその地域性を色濃く残している。大都市の流行を追うのではなく、地元のスタジオで鳴っていた音をそのまま固定したような一枚。『The Blues Climax』は、Alan Franklinという人物の活動を追ううえでの中心的な記録であり、同時に、1970年前後の南部ローカル・ロックの温度を知る手がかりにもなる作品だ。

トラックリスト

  1. A1 Bye Bye Baby
  2. A2 Say You Love Me At Last
  3. A3 Got To Make You Mine
  4. A4 Piece Of Your Love
  5. A5 Love In My Heart
  6. A6 Down Hearted
  7. B1 Blues Climax 18:10

動画

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