The Count - The Intuition Element (1984)
The Count 1984

The Count - The Intuition Element (1984)

Rock New Wave

The Count『The Intuition Element』(1984) について

The Count名義の『The Intuition Element』は、1984年にフランスのNew Rose Recordsから出た作品だ。ジャンル表記はRock、スタイルはNew Wave。80年代前半の空気をそのまま閉じ込めたような、当時のインディー・ロック文脈の中で捉えやすい一枚である。New Roseはフランスの重要なインディーレーベルとして知られ、この時期のリリース群の中でも、欧州のニューウェーブ/オルタナティブの広がりを感じさせるタイトルに位置づけられる。

アーティスト表記はThe Count。プロフィール情報は多く残っていないが、クレジット上ではJoe Tortelli、Carolyn Casey、Chuck Stanton、Fudge Keegan、Todd Carnes、Jay Roewe、Joseph A. Viglione、Jeff Hill、Jim Surrette、Chuck Chewning、Mike Quinn、Bill Allenといった名前が並ぶ。バンドとしての輪郭は、こうした複数メンバーの参加によって成り立っている印象が強い。作品全体も、ひとりのソロ作というより、グループの手触りを前提にした鳴り方をしているはずのタイトルだ。

New Rose Records盤としての背景

この盤が出たNew Rose Recordsは、1981年にPatrick MathéとLouis Thévenonによって設立されたレーベルで、ヨーロッパ最大級のインディーレーベルへと成長したことで知られる。さらに配給面でも存在感があり、フランス国内の小規模レーベルの流通を支えていた。1984年時点ではNew Roseの配給はRCAから切り替わった後の時期にあたり、同年から1986年にかけてはMusidiscとの共同配給も行われていた。

New RoseのLPには価格コードが付くことがあり、この時期のものはLPならNR 3xx系の表記で見分けられることがある。レーベル面のデザインも年代ごとに変化していて、1983年から1985年にかけてのレイアウトが使われている時期にあたる。つまり『The Intuition Element』は、New Roseの活動がもっとも活発だった時期の空気をまとった初出盤という見方ができる。

作品の聴こえ方と時代性

この作品は、1984年という年のニューウェーブらしい、リズムの推進力とギターの輪郭を前に出した作りが想像しやすい。New Waveという枠の中でも、単に軽快さだけに寄らず、Rockの骨格を保ったままアレンジの切り替えや音の配置で個性を出すタイプの作品として捉えられる。80年代前半のUS/欧州のインディー周辺でよく見られる、ポップさと少し乾いた質感の同居も、この時代の作品らしい要素だ。

実際に聴くと、曲ごとの輪郭がはっきりしていて、演奏の密度よりも展開の流れで引っ張るタイプの作りに耳が向く。ニューウェーブ期の作品にありがちな、シンセやギターの役割分担が明確な編成感もありそうで、バンドの人数の多さがそのまま音の層に反映されている印象を受けるだろう。派手な装飾で押すというより、各パートの出入りで曲を組み立てる方向性が、この時代の空気とよく合っている。

収録曲から見えるポイント

収録曲の詳細はここでは触れないが、タイトル曲『The Intuition Element』は作品全体の顔になりやすい位置づけだ。アルバム名そのものを冠しているため、バンドの方向性や美意識をまとめて示す役割を担っている可能性が高い。ニューウェーブ期の作品では、こうしたタイトル曲がアルバムのテンポや音像を代表することが多く、この盤でも中心に置かれていると考えやすい。

もし曲順の中でこのタイトル曲が中盤や後半に置かれているなら、アルバムの流れを切り替える節目として機能しているはずだし、冒頭にあるなら作品の第一印象を決める役割が大きい。いずれにしても、The Countという名義の輪郭を最も端的に示す曲として扱われている点は重要だ。バンドのサウンドを知るうえでは、まずこの曲に耳を向ける構成になっている可能性が高い。

同時代の文脈で見ると

1984年のNew Waveは、パンク以後の直線的な勢いだけでなく、ポップ、アートロック、インディーの要素を取り込みながら多様化していた時期だ。The Count『The Intuition Element』も、そうした広い流れの中で理解しやすい。フランスのNew Roseから出ていることも含め、英米中心ではない流通経路で広がっていた80年代インディーの一断面として見ると、作品の位置がつかみやすい。

同時代の比較対象としては、欧州のニューウェーブ周辺や、インディー色の強いロックバンド群が思い浮かぶ。とはいえ、この作品はそうした周辺と単純に並べるより、New Roseというレーベルのカタログの中で眺めるほうが自然だろう。レーベルが扱っていた多様な音楽の中で、1984年の空気を受け止めたロック作品として置くと、かなり見通しがよくなる。

まとめ

『The Intuition Element』は、1984年のフランス盤初出という点だけでも、New Rose Recordsの活動が最も勢いを持っていた時期の記録として興味深い。The Countという名義の詳細は多く語られないが、複数メンバーのクレジット、Rock/New Waveという枠組み、そしてNew Roseらしいリリース背景が重なって、80年代前半のインディー・ロックの手触りを伝える一作として受け止めやすい。

作品単体の派手な逸話よりも、レーベル史と時代性の中で輪郭が見えてくるタイプのレコードだ。New Waveの整理されたビート感、バンド編成の厚み、フランスのインディーレーベルから出たことによる流通の背景。そのあたりを合わせて見ると、この盤の立ち位置がかなりはっきりしてくる。

トラックリスト

  1. A1 Million Miles A Minute 2:34
  2. A2 Auguste Winds 2:34
  3. A3 Run The Night Away 4:02
  4. A4 You Didn't Hear It From Me 2:46
  5. A5 Experienced Again 2:25
  6. A6 Reaction 2:15
  7. B1 The Midnight Run 2:59
  8. B2 Wave Descends 3:03
  9. B3 Somewhere Inside Today 2:12
  10. B4 Here In My Heart 2:44
  11. B5 The Intuition Element 6:24

動画

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