The Freak Scene - Psychedelic Psoul (1967)
The Freak Scene 1967

The Freak Scene - Psychedelic Psoul (1967)

Rock Psychedelic Rock

The Freak Scene『Psychedelic Psoul』について

The Freak Sceneの『Psychedelic Psoul』は、1967年に発表されたサイケデリック・ロックの一枚で、同時代のアメリカ産サイケデリック作品の中でも初期の位置にあるアルバムだ。中心人物はMarcus Uzilevsky、のちにRusty Evansとして知られる人物で、作家・プロデューサーとして作品全体をまとめている。The Freak Sceneはスタジオ・グループとしての性格が強く、バンドというより、当時のサイケデリック表現をアルバム単位で組み立てた企画色の濃い作品として捉えるとわかりやすい。

この作品は、前身にあたるThe Deepの『Psychedelic Moods』の流れを受けながら、より明確に“サイケデリック”を前面に出した内容になっている。Discogsのプロフィールにもある通り、『Psychedelic Psoul』はColumbiaレーベルにおける最初期の純粋なサイケデリック作品とされることがある。1967年4月のリリースという時期を踏まえると、まだサイケデリック・ロックの語法が定着しきる前の段階で、試行錯誤の気配をそのまま封じ込めたアルバムとも言える。

作品の位置づけ

The Freak Sceneは、一般的な意味での固定メンバーによる活動というより、Marcus Uzilevskyを軸にしたスタジオ・プロジェクトに近い。参加者にはDavid BrombergやVictoria Pikeらが含まれており、前作『Psychedelic Moods』から続く酸味の強いサウンドを引き継いでいる。つまり『Psychedelic Psoul』は、The Deep時代から続く流れの中で、サイケデリックなテーマをさらに整理し、アルバムとしてまとめ直した位置づけにある。

サイケデリック・ロックというと、後年の大規模な音響処理や長尺展開を思い浮かべやすいが、この時期の作品には、まだ60年代中盤のガレージ感やポップ寄りの設計が残っていることが多い。『Psychedelic Psoul』もその文脈に置くと輪郭がつかみやすい。比べられることの多い同時代の作品としては、The Seedsや13th Floor Elevatorsの初期作品、あるいはThe Deepの前作が挙げやすい。

盤としての情報

今回の盤は1986年リリースのヨーロッパ盤で、レーベル表記はNot On Label (CS 9456)となっている。オリジナルの1967年盤とは別の時代に出た再発系のアイテムとして扱える。オリジナル盤ではなく1980年代の盤なので、当時の入手事情や再評価の流れの中で流通したものと見るのが自然だ。レーベル表記からも、通常の商業レーベルというより、公式流通とは別のルートで出回った再発盤の性格がうかがえる。

聴きどころ

このアルバムの面白さは、サイケデリックを名乗る作品にありがちな大仰さよりも、むしろ曲ごとの手触りにある。録音はスタジオ作品らしくまとまりがありつつ、音の置き方や歌の運びに、当時の流行語をそのまま実演しているような素朴さが残る。実際に聴くと、後のサイケデリック・ロックに比べて構成が比較的コンパクトで、曲の骨格が見えやすい。そこがこの時期の作品らしいところでもある。

タイトル曲の「Psychedelic Psoul」は、アルバムの性格をそのまま示す代表曲として押さえやすい。語感を強く打ち出したタイトルどおり、楽曲自体も“サイケデリックな世界観”を前面に置いた作りで、リズムやコーラス、音の重ね方が作品全体の旗印になっている。派手な展開で引っ張るというより、フレーズの反復と雰囲気の積み重ねで進むタイプの曲として聴こえる。

一方で、アルバム全体を通して聴くと、タイトル曲だけが突出しているわけではなく、複数の楽曲が同じ方向を向きながら並んでいる印象が強い。そこには、シングルヒットを狙うというより、アルバムをひとつのサイケデリックなまとまりとして提示する意図が見える。曲単位で耳を引く部分はありつつも、作品全体の流れの中で効いてくる設計になっている。

60年代サイケデリックの文脈で見ると

1967年という年は、アメリカでもイギリスでもサイケデリック・ロックが一気に広がった時期だが、その初期には、まだ“何をどう鳴らせばサイケデリックなのか”を手探りしている作品が多い。『Psychedelic Psoul』は、そうした手探りの時代感をよく残している。のちの洗練されたプログレッシブな展開や、長大なジャム中心のサイケとは違い、60年代中盤のポップ、ガレージ、スタジオ実験の境目に立っている作品として見える。

Marcus Uzilevskyの名前は、The Freak Scene単体よりもThe Deepとの関係で語られることが多いが、このアルバムではその流れがより明快だ。前作の延長線上で、サイケデリックという言葉をそのまま作品の核に据えた一枚、と整理すると筋が通る。1967年当時の空気を映した記録としても、後年の再発盤で手に取られる作品としても、位置づけは比較的はっきりしている。

まとめ

The Freak Scene『Psychedelic Psoul』は、1967年の初期サイケデリック・ロックの熱を、スタジオ・プロジェクト的な形でまとめたアルバムだ。Marcus Uzilevskyを軸に、前作『Psychedelic Moods』の流れを引き継ぎながら、Columbia周辺のサイケデリック史の中でも早い段階の一枚として語られてきた。1986年のヨーロッパ盤はその後年の再発で、オリジナルの時代感を別の形で伝える存在になっている。

同時代の作品と並べると、派手さよりも初期衝動と試行の記録として見えてくる。サイケデリック・ロックの成立過程を追ううえで、外せないタイプのアルバムだと言える。

トラックリスト

  1. A1 A Million Grains Of Sand
  2. A2 "...When In The Course Of Human Events" (Draft Beer, Not Students)
  3. A3 Interpolation: We Shall Overcome
  4. A4 Rose Of Smiling Faces
  5. A5 Behind The Mind
  6. A6 The Subway Ride Thru Inner Space
  7. A7 Butterfly Dream
  8. B1 My Rainbow Life
  9. B2 The Center Of My Soul
  10. B3 Watered Down Soul
  11. B4 Red Rose Will Weep
  12. B5 Mind Bender
  13. B6 Grok!

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