The Kinks - Kinks-Size (1965)
The Kinks 1965

The Kinks - Kinks-Size (1965)

Rock Garage Rock Mod Beat

The Kinks『Kinks-Size』

1965年にアメリカでリリースされたThe Kinksの『Kinks-Size』は、当時のバンドの勢いをそのまま切り取ったような編集盤として位置づけられる作品だ。The Kinksは1963年にロンドンで結成されたイングリッシュ・ロック・バンドで、Ray DaviesとDave Daviesを中心に活動を広げていった。初期のThe Kinksは、ビート感の強い演奏、荒さの残るギターサウンド、そして短い曲の中に印象的なフックを入れる構成で存在感を示しており、この時期のアメリカ盤にもその特徴がよく出ている。

本作はUS盤としてReprise Recordsから出た一枚で、レーベル番号はRS 6158。RepriseはFrank Sinatraが設立し、のちにWarner系へ移ったレーベルで、60年代前半のアメリカ盤には独特の三色ラベルが使われていた。『Kinks-Size』もそうした時代のReprise作品らしい空気を持っていて、英国オリジナルとは別の形でアメリカ市場向けにまとめられたアルバムとして見ておくとわかりやすい。

The Kinks初期像をつかむ一枚

この時期のThe Kinksは、同時代のBritish Invasion勢の中でも、The BeatlesやThe Rolling Stonesと比べて、よりざらついたギターと直線的なリズムが印象に残るバンドだった。『Kinks-Size』には、その初期像を示す楽曲がまとまっていて、デビュー直後の緊張感、ライブ感のある演奏、そしてRay Daviesの書くメロディの輪郭が見えやすい。アルバム単位でじっくり組み立てるというより、強い曲を並べてバンドの輪郭を見せる編集盤の性格がはっきりしている。

聴き進めると、音の作りはシンプルでも、各曲のリフやコーラスの置き方がかなり計算されていることが伝わってくる。荒く鳴っているのに、ただ勢いだけで押していないところがThe Kinksらしい。特にこの頃の録音では、Dave Daviesのギターが前に出る場面で、歪みの質感が曲の表情を決めている。後のモダンなロック・バンドが参照した初期衝動のひとつとして、この盤を捉えることもできそうだ。

収録曲の軸になるポイント

この作品でまず注目したいのは、初期ヒットとして知られる曲群の存在だ。The Kinksは1964年の「You Really Got Me」で一気に名前を広げたが、その硬いリフ感覚はこの編集盤の中でも重要な基準になっている。あの曲に代表される、短いフレーズを繰り返しながら曲全体を押し切る作りは、60年代ロックの中でもかなり早い段階で明確になっていたものだ。

「You Really Got Me」は、後のハードロックやパンクの文脈でもしばしば語られるが、ここではまず“バンドの核”として聴こえる。ギターの音色そのものが曲の輪郭を決めていて、歌メロもその上にきっちり乗っている。派手な展開は少ないのに、1曲を聴き終えると印象が残る。The Kinksの初期を語るとき、この曲を抜きにするのは難しい。

「All Day and All of the Night」以降の推進力

同じく代表曲として扱われる「All Day and All of the Night」も、この時期のThe Kinksを理解するうえで外せない。リフの押し出しが強く、曲の始まりから終わりまでテンションが落ちにくい。『Kinks-Size』のような編集盤では、こうした曲が並ぶことで、バンドが単発のヒットではなく、一定の作法を持った存在だったことが見えてくる。

この曲では、演奏のタイトさとボーカルの押し引きがはっきりしていて、同時代のR&B寄りの英国ロックとは少し違う手触りがある。ブルースの型をなぞるというより、リフとコーラスを軸にして曲を前へ進める感覚で、のちのモッド・ロックやガレージ・ロックの受け取り方にもつながっていく。The Whoの初期や、アメリカの若いガレージ・バンドと並べて聴くと、当時のロックがどこへ向かっていたかが見えやすい。

1965年のUS盤としての意味

『Kinks-Size』は、The Kinksの英国オリジナル・アルバムそのものというより、アメリカ向けに組まれた作品として見るのが自然だ。60年代の英国バンドは、US盤で収録曲や並びが変わることが多く、この作品もその例に入る。結果として、アメリカのリスナーに向けて当時のKinks像をまとめて提示する役割を持っていたと考えやすい。

盤としては1965年らしいRepriseの時代感があり、ジャケットやラベルの雰囲気も含めて、60年代中盤のUSロック・アルバムらしい佇まいがある。The Kinksの初期を、シングル中心の勢いだけでなく、編集盤としてのまとまりで追うにはちょうどいい一枚だ。荒いギター、短く切れ味のある曲、そしてRay Daviesのメロディ感覚。その三つが、ここではかなりわかりやすく並んでいる。

トラックリスト

  1. A1 Tired Of Waiting For You 2:30
  2. A2 Louie Louie 2:57
  3. A3 I've Got That Feeling 2:45
  4. A4 Revenge 1:28
  5. A5 I Gotta Move 2:24
  6. B1 Things Are Getting Better 1:57
  7. B2 I Gotta Go Now 2:54
  8. B3 I'm A Lover Not A Fighter 2:20
  9. B4 Come On Now 1:45
  10. B5 All Day And All Of The Night 2:02

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