The Police - Outlandos D'Amour (1978)
The Police 1978

The Police - Outlandos D'Amour (1978)

Rock New Wave Reggae Power Pop

The Police『Outlandos D'Amour』――ロンドン発、デビュー時点で完成度の高い一枚

The Policeの『Outlandos D'Amour』は、1978年にリリースされたデビュー・スタジオ・アルバムである。ロンドン出身の3人組として知られるこのバンドは、のちに世界的な成功を収めるが、その出発点にあたる本作では、すでにバンドの輪郭がかなりはっきりしている。ニュー・ウェイヴ、レゲエ、パワー・ポップという要素が並ぶが、実際にはそれぞれが別々に置かれているというより、細い編成の中で自然に混ざっている印象が強い。

この盤はヨーロッパ盤で、A&M RecordsのロゴとCBSによる流通表記が見られる。録音はSurrey Sound Studios。初回仕様はプレーンな内袋で、その後に1979年以降のA&M作品を案内する印刷入り内袋が付いた流通形態も出ている。ジャケット面のステッカー違いなど、当時の流通事情がうかがえる仕様もある。

バンドの初期像がそのまま残る作品

The Policeは、スチュワート・コープランドの歯切れのよいドラム、アンディ・サマーズのギター、ゴードン・サムナーことスティングのベースとボーカルで成立する。4人名義のメンバー表記がある一方で、本作の核はこの3人の演奏にある。後年の大きなヒット作と比べると、音数は少ないが、そのぶん各パートの役割が見えやすい。ベースが前に出て曲を引っ張り、ギターはコードを埋めすぎず、ドラムが細かく推進力を作る構成。

同時代のUKポップ/ニュー・ウェイヴの中でも、The Policeはパンク以後の勢いを持ちながら、レゲエ由来の間合いをかなり早い段階で自分たちのものにしている。The ClashやXTCのように時代の変化を吸収したバンド群と並べて語られることが多いが、本作にはより直接的で、演奏の手触りが前に出る感触がある。

代表曲「Roxanne」の存在感

本作を語るうえで外せないのが「Roxanne」である。The Policeの代表曲として最も知られている曲のひとつで、アルバム全体の印象もこの1曲が強く支えている。イントロから曲の骨格がはっきりしていて、演奏の隙間がそのまま緊張感につながっている。レゲエのリズム感を持ちながら、ポップソングとしての押し出しもあるため、当時のUKロックの中でもかなり耳に残る仕上がりになっている。

実際に聴くと、派手な装飾よりも、音の置き方そのものが曲の印象を決めていることがわかる。ベースラインは単に支えるだけでなく、歌と同じくらい主張がある。スティングの声も、のちの洗練された歌唱より少し荒さを残していて、その点がこの曲の切迫感につながっているように感じられる。

「Can't Stand Losing You」とシングル的な推進力

「Can't Stand Losing You」も本作の中心にある曲で、シングルとしての強さがはっきりしている。リズムの刻みが明快で、サビへ向かう流れもわかりやすい。The Policeの楽曲の中でも、初期ならではの勢いがそのまま残るタイプで、後年の大作志向とは少し違う、短距離走のような推進力がある。

なお、この曲は後年のCD再発では、ソースの違いをつないだ形で収録されることが多いとされる。本盤の時点では当然ながらその種の編集はなく、アナログで聴くと曲の流れがそのまま自然に続く。アルバム内では、ヒット曲としての輪郭が強い一方で、バンドの初期の録音感もよく伝わる。

「So Lonely」と「Message in a Bottle」以前の手触り

「So Lonely」は、The Policeらしいレゲエ寄りの間合いと、ポップな反復感がうまく噛み合った曲である。のちの大ヒット作で見られるような、より整ったプロダクションの前段階にあるため、演奏の生っぽさが前景化している。リズムの抜き差しが効いていて、曲の展開を大きくしなくても聴かせる構造になっている。

この時点では、まだ世界的な代表作「Message in a Bottle」や「Every Breath You Take」のような完成されたヒット像には至っていないが、すでにThe Police特有の作法は確立している。短いフレーズを繰り返しながら、演奏の密度で引き込むやり方である。

アルバム全体の印象

『Outlandos D'Amour』は、デビュー作らしい粗さを残しながらも、曲の強さと演奏の統一感で最後まで引っ張るアルバムである。音の作りは後年ほど厚くないが、そのぶん各曲の輪郭が見えやすい。ニュー・ウェイヴの軽さ、レゲエの間、パワー・ポップの押し出しが、ひとつのバンドの中で同居している点が面白い。

1978年という時代を考えると、パンク以後のUKロックが次の形を探していた時期にあたる。その中でThe Policeは、攻撃性だけに寄らず、ダンス感覚やメロディを取り込んでいた。本作は、その方向性が早い段階で見えている記録として聴ける。デビュー盤でありながら、すでにバンドの個性がかなり明瞭な作品である。

トラックリスト

  1. A1 Next To You 2:51
  2. A2 So Lonely 4:48
  3. A3 Roxanne 3:13
  4. A4 Hole In My Life 4:48
  5. A5 Peanuts 3:54
  6. B1 Can't Stand Losing You 3:02
  7. B2 Truth Hits Everybody 2:53
  8. B3 Born In The 50's 3:42
  9. B4 Be My Girl - Sally 3:24
  10. B5 Masoko Tanga 5:41

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