The Sequence - Sugar Hill Presents The Sequence (1981)
The Sequence『Sugar Hill Presents The Sequence』(1981)
The Sequenceは、サウスカロライナ州コロンビア出身の女性ヒップホップ・グループで、Angela Brown、Gwendolyn Chisholm、Cheryl Cookの3人組として知られている。1981年にSugar Hill Recordsから出た本作『Sugar Hill Presents The Sequence』は、彼女たちのアルバム作品の中でも初期の位置にある1枚で、タイトルどおりレーベルの看板色も強く出た作品だ。Sugar Hill Recordsといえば、Grandmaster Flash & The Furious FiveやSugarhill Gangなど、初期ヒップホップを広く流通させた重要レーベルとして知られるが、その中でThe Sequenceは女性グループとして早い段階から存在感を示した。
グループの歴史をたどると、The Sequenceは女性ヒップホップ・グループとして先駆的な存在で、1979年のデビュー・シングル「Funk You Up」でまず名前を広めた。この曲は初期ヒップホップの中でも早い時期に大きなセールスを記録した楽曲として語られることが多く、本作もその流れの中で受け止めると位置づけが見えやすい。1981年という時期は、ヒップホップがまだアルバム単位での表現を固めていく段階にあり、その中でThe Sequenceはラップ、ファンク、ディスコ以後のダンス音楽を横断する感触を持っていた。
この作品の聴きどころは、当時のSugar Hill作品らしい、生演奏感のあるファンク・グルーヴと、ラップの言葉運びが前面に出る点にある。P.Funk的な要素を含むとされるだけあって、ベースラインやリズムの粘りが強く、単にMCが乗るだけの伴奏ではなく、体を動かすための土台がしっかりしている。初期ヒップホップの録音に特有の、乾いたドラムと反復の効いたフレーズが中心になりやすいが、The Sequenceの場合は女性トリオならではの掛け合いが加わることで、硬さ一辺倒には寄らない。声の重なりやフレーズの返し方に、グループとしてのまとまりが出ている。
作品の位置づけ
The Sequenceにとって本作は、ヒット・シングルで先に知られたあとに、グループの輪郭をアルバムとしてまとめた時期の記録と言える。女性ラップ・グループがまだ多くなかった時代に、単独でレーベルの表題を背負う形になっている点も重要だ。Grandmaster Flash & The Furious FiveやTreacherous Threeのような男性グループと同じ土壌にいながら、The Sequenceはより軽快で親しみやすいフロウ、コール&レスポンスを活かした構成で、当時のヒップホップの広がりを別の角度から示している。
また、Sugar Hill Recordsの初期作品群の中でも、The Sequenceはシングルの知名度だけでなく、女性の視点が入ることでレーベル内のバリエーションを作っていた存在だ。初期ヒップホップの歴史を見たとき、先駆的なラップ・グループとして名前が挙がることは多いが、女性グループとしてここまで早い時期に商業的な足場を作った点は見逃しにくい。
注目曲「Funk You Up」
The Sequenceを語るうえで外せないのが「Funk You Up」だ。1979年のデビュー曲として知られ、初期ヒップホップの代表的なヒットのひとつとされる。語り口はシンプルだが、リズムの上で言葉を置いていく感覚がはっきりしていて、後のヒップホップに通じる基本形が見えやすい。大きな仕掛けで押すのではなく、フレーズの反復とノリで引っ張るタイプの曲で、当時のパーティー・ミュージックとしてのヒップホップの性格がそのまま出ている。
この曲が重要なのは、単なる初期の1曲というだけでなく、女性ラップ・グループの存在を広く印象づけた点にある。The Sequenceの軽やかな応答、押し出しの強すぎないラップ、ファンク寄りの伴奏がまとまり、後年のポップ・ラップにもつながる入口のような雰囲気を持っている。本作を聴くと、その延長線上にあるアルバム全体の感触がつかみやすい。
サウンドの特徴
ジャンル表記としてはHip Hop、Funk / Soul、スタイルとしてPop Rap、P.Funkが並ぶが、実際の手触りもその範囲に収まる。ラップはまだ現在の意味での鋭い攻撃性より、リズムに乗せた会話的な気配が強い。ファンクの反復、ソウルの体温、ラジオ向けの分かりやすさが同居していて、初期ヒップホップがまだ複数の黒人音楽の要素を横断しながら形を探していた時代の空気がある。
1981年のUS盤として残るこのレコードは、当時のSugar Hill Recordsの制作姿勢をそのまま映したような1枚でもある。派手な実験よりも、パーティーで機能するビートと、耳に残るフレーズを優先した作り。The Sequenceの初期キャリアを確認するうえでも、そして女性ヒップホップ・グループの早い到達点を見るうえでも、重要な記録になっている。
トラックリスト
- A1 Simon Says 7:36
- A2 The Times We're Alone 4:45
- A3 We Don't Rap The Rap 6:50
- B1 Funk A Doodle Rock Jam 5:26
- B2 And You Know That 6:06
- B3 Funky Sound 4:50
- B4 Come On Let's Boogie 5:37
動画
- [Diggin' Boogui] The Sequence - Sugar Hill Presents The Sequence (1981)
- Simon Says (Original 12" Vocal) - The Sequence | 80s Rap Music | 80s Hip Hop Classics | 80s Hip Hop
- The Sequence - The Times We're Alone
- The Sequence - We Don't Rap The Rap
- Funk-A-Doodle Rock Jam
- And You Know That (Long Version) - The Sequence | 80s Hip Hop Music | Old Skool Hip Hop | 80s Rap
- Funky Sound
- Come On Let's Boogie