The Stars Of Heaven - Sacred Heart Hotel (1986)
The Stars Of Heaven 1986

The Stars Of Heaven - Sacred Heart Hotel (1986)

Rock Soft Rock Indie Rock

The Stars Of Heaven『Sacred Heart Hotel』(1986)

The Stars Of Heavenは、1983年に結成されたアイルランドのバンドで、Stephen Ryan、Stan Erraught、Peter O'Sullivan、Bernard Walshの4人を中心に活動した。The ByrdsやGram Parsonsの影響を受けたことがはっきりしていて、そこにThe Velvet Underground的な感触も重ねて語られることが多い。そんな彼らがRough Tradeから発表した最初のアルバムが、この『Sacred Heart Hotel』である。1986年のUK盤として出た本作は、バンドにとって大きな節目の1枚で、UK Independent Chartでは11位を記録した。

この作品を手がかりにすると、The Stars Of Heavenが当時の英国インディーの中でどんな立ち位置にいたかが見えやすい。アメリカン・ルーツ寄りの響きを持ちながら、Rough Tradeらしい独立系の空気の中で受け止められていたバンドで、John Peelの支持も大きかった。実際、彼らはBBC Radio 1のPeel Sessionを4回残しており、その最初のセッション音源は本作にも収録されている。アルバム単体というより、当時のバンドの輪郭をそのまま記録した作品という印象が強い。

作品の位置づけ

『Sacred Heart Hotel』は、デビュー・シングル「Clothes of Pride」でJohn Peelのオンエアを得た後、Rough Tradeに移籍して出した初のアルバムにあたる。後に1988年の『Speak Slowly』へ続く流れの起点であり、The Stars Of Heavenの代表作としてまず名前が挙がるのもこの作品だろう。UKインディー・チャートで11位という成績も、当時の評価の高さをそのまま示している。

ジャンル表記としてはRock、Soft Rock、Indie Rockに分類されているが、実際の聴感としては、派手な演出よりも演奏のまとまりと曲の輪郭が前に出るタイプのアルバムに感じられる。The ByrdsやGram Parsonsに通じるギターの響き、そこにインディー・レーベル作品らしい乾いた質感が重なっている。アイルランドのバンドでありながら、英国インディーの文脈の中で受け止められた理由も分かりやすい。

注目曲: 「Clothes of Pride」

「Clothes of Pride」は、バンドの初期を象徴する曲として重要だ。Hotwireレーベルから出たデビュー・シングルで、John Peelの支持を受けて注目が広がった。『Sacred Heart Hotel』の文脈では、この曲がバンドの入口として機能している。アルバム本編の中でも、The Stars Of Heavenの持つギター・バンドとしての骨格がよく分かる1曲で、後のRough Trade期の評価につながる起点と見ることができる。

聴きどころは、曲そのものの派手さよりも、バンドの音の組み立てにある。The Byrds的なきらめきと、インディー・バンドらしい直線的な演奏が同居していて、初期の時点で方向性がかなり固まっていたことが伝わる。Peelに評価されたのも、この曲が持つ分かりやすい推進力と、同時に残る素朴さゆえだろう。

注目曲: Peel Session収録音源

本作にはBBC Radio 1のJohn Peel Sessionの最初の録音が含まれている。こうしたセッション音源がアルバムに入っていると、スタジオ盤とは少し違う温度感が見える。The Stars Of Heavenの場合も、楽曲の骨組みがより前に出ていて、バンドの演奏がどのように機能していたかを確かめやすい。アルバムの中で単なる付加物ではなく、作品の一部として自然に置かれているのが印象的だ。

Peelが継続的に彼らを支えたことは、後の活動にもつながっていく。4回のセッションという数字は、当時のBBCラジオの中でどれだけ信頼されていたかを示す材料でもある。『Sacred Heart Hotel』は、その最初の記録を含むことで、バンドの初期像をかなり具体的に残している。

代表曲としての「Never Saw You」期とのつながり

アルバムの後、彼らは「Never Saw You」/「The Holyhead EP」でインディー・チャートのトップ5に入る。これは『Sacred Heart Hotel』で築いた評価が、そのまま次の時期へつながったことを示している。つまり本作は、単にデビュー作というだけでなく、バンドがRough Tradeのカタログの中で存在感を持った最初の到達点でもある。

この流れを踏まえると、『Sacred Heart Hotel』はThe Stars Of Heavenの中核を知るうえで外せない作品だ。アメリカン・ルーツの感触、インディー・ロックの手触り、Peelに支えられた英国での評価、その3つがきれいに重なっている。後続の『Speak Slowly』へ向かう前段階としても、しっかり意味を持つアルバムである。

まとめ

『Sacred Heart Hotel』は、1986年の英国インディー・シーンの中で、アイルランドのバンドがどのように受け止められていたかを示す1枚だ。Rough Tradeからのリリース、John Peelとの結びつき、UK Independent Chart 11位という実績。どれも当時の評価を裏づける要素になっている。The Stars Of Heavenの名前を追うなら、まずここから入るのが自然だろう。

トラックリスト

  1. A1 Sacred Heart Hotel 3:39
  2. A2 Talk About It Now 2:55
  3. A3 Moonstruck 2:46
  4. A4 So You Know 3:18
  5. B1 You Only Say What Anyone Would Say 3:40
  6. B2 Folksong 2:22
  7. B3 Man Without A Shadow 2:18

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