Turnstile - Nonstop Feeling (2015)
Turnstile 2015

Turnstile - Nonstop Feeling (2015)

Rock Hardcore

Turnstile『Nonstop Feeling』について

Turnstileの『Nonstop Feeling』は、2015年にUSのReaper Recordsから出た作品で、バンド初期の勢いをそのまま刻みつけた1枚だ。TurnstileはBaltimore/DC/Ohio周辺のハードコア・バンドとして2010年夏ごろから活動していて、本作はその流れの中で、バンド名を広く知らしめていく前段階の重要作として位置づけられる。後年の作品で見られる開けたメロディ感よりも、ここではまだハードコアの直進性、短い曲の密度、演奏の切れ味が前面に出ている。

レーベルはSyracuse, NY拠点のReaper Records。北米ハードコアの文脈にしっかり根ざしたリリースで、当時のシーンの空気をそのままパッケージしたような存在感がある。TurnstileはBrendan Yates、Daniel Fang、Brady Ebert、Sean Cullen、Franz Lyons、Patrick McCrory、Maegan Brooks Millsというクレジットで、メンバーの多さも含めて、バンドの厚みを感じさせる。演奏はタイトで、リズムの押し引きがはっきりしている。

作品全体の印象

『Nonstop Feeling』は、タイトルどおり止まらない推進力が軸になっている。曲の尺はコンパクトで、イントロからすぐに本題へ入る構成が多く、ハードコアらしい即効性が強い。リフは分かりやすく、ドラムは前へ押し出し、ベースは低い位置で重さを支える。聴いていて、細かい装飾よりも、バンド全体の一体感をそのままぶつける作りだと分かる。

Turnstileの後のイメージから入ると、ここではかなり硬質に感じるかもしれない。ただ、そのぶん2010年代半ばのハードコア・シーンの中での輪郭が見えやすい。単に速く激しいだけでなく、ブレイクの置き方やリズムの切り替えにセンスがあり、同時代のハードコア・バンドの中でも、演奏の組み立てで存在感を出している印象だ。

注目曲「Gravity」

アルバムの中でも入口として機能しやすいのが「Gravity」だ。まず音の立ち上がりが速く、リフとリズムがすぐ噛み合う。ボーカルは叫びを中心に前へ出ていて、歌というよりフロントの圧として作用する。曲の中で過剰に展開を増やさず、必要なところでだけ強く押す作りなので、ハードコアの基本形を端的に示している。

この曲の良さは、勢い任せに見えて、実際には止めと突進の切り替えがはっきりしているところにある。短い中で緩急を作ることで、単調さを避けている。Turnstileが当時から演奏面でかなり整理されたバンドだったことが伝わる1曲だ。

注目曲「Drop」

「Drop」は、アルバムの中でもリフの輪郭が分かりやすい曲として耳に残る。ギターの刻みが前に出て、ドラムの押し込みと重なることで、フロア向けの強さがはっきりする。ハードコアの文脈では珍しくない構造だが、Turnstileの場合は音の抜けが良く、もたつきが少ないため、勢いがそのまま伝わりやすい。

この曲では、怒りをただ並べるのではなく、バンド全体の同期で圧を作っている感じが強い。Brendan Yatesのボーカルも、単独で目立つというより、リズム隊と噛み合うことで曲の芯になる。こうした作りは、後のTurnstileがハードコアの外側にも届いていく前段階として見ると、かなり重要に思える。

ハードコアの文脈で見ると

2015年のハードコアは、伝統的な速さと荒さを保ちながら、リフの整理やグルーヴの強調に向かう流れも見えていた時期だ。Turnstileはその中で、Straight Edge系統の硬派な感触とも、メロディを前に出す流れとも少し距離を保ちながら、自分たちのバンドとしての押し方を作っていった印象がある。『Nonstop Feeling』は、その初期形を確認できる作品だ。

比較するなら、同時代のハードコア・バンドの中でも、演奏の隙間を活かすタイプのグルーヴ感が見える。単純なスピード勝負だけでなく、ブレイクダウンの置き方や、曲の中での重心移動に耳が向く。そうした部分が、この作品をただの初期作で終わらせていない。

盤としての情報

今回の盤は2015年リリースのUS盤で、黒盤のファースト・プレス。マスターノートを見ると、1st PressにはBlack、White、Blue Yellow Smash、Splatter、Greenなど複数のカラーバリエーションがあり、ハードコア系リリースらしいコレクタブルな作りになっている。黒盤300枚という数字も含めて、初期流通の熱量が感じられる仕様だ。

『Nonstop Feeling』は、Turnstileの始まりの勢いをそのまま記録した作品として見やすい。後年の開けた表情を知っていると、なおさらこの時点での鋭さが印象に残る。ハードコアの基本体力と、バンドとしてのまとまりが同時に見える1枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Gravity
  2. A2 Drop
  3. A3 Fazed Out
  4. A4 Can't Deny It
  5. A5 Bleach Temple
  6. A6 Bad Wave
  7. B7 Blue By You
  8. B8 Out Of Rage
  9. B9 Bring It Back
  10. B10 Addicted
  11. B11 Love Lasso
  12. B12 Stress

動画

Share
記事一覧に戻る
toast