Vivien Vee - Give Me A Break (1979)
Vivien Vee 1979

Vivien Vee - Give Me A Break (1979)

Electronic Disco

Vivien Vee『Give Me A Break』──1979年イタリア産ディスコの初期代表作

Vivien Veeの『Give Me A Break』は、1979年にイタリアのBanana Recordsから登場したファースト・アルバムである。Trieste生まれのイタリア人シンガー/モデル、Vivien Veeが18歳のときにClaudio SimonettiとGiancarlo Meoに見いだされて制作された作品で、本人のキャリアにおいても、Banana Recordsというレーベルの歴史においても、早い段階から重要な位置を占める1枚といえる。Banana Recordsは、のちにEasy Going、Kasso、Claudio Simonetti、David Zedといった名前でも知られるイタロ・ディスコ系の看板レーベルとして知られていくが、その初期の空気をそのまま封じ込めたような作品がこのアルバムである。

録音とミックスはローマのBus recordingで行われている。クレジットを見ると、制作周辺にはPaul Micioni、Walter Martino、Julia Mellardらへの謝辞が記されており、当時のイタリアのディスコ制作環境のつながりが見える。ジャケットはClaude Gorialによるデザインで、作品の印象を強く決める要素のひとつになっている。音だけでなく、ヴィジュアル面も含めて1979年という時代のダンス・ミュージックらしさが前面に出たアルバムだ。

作品全体の印象

『Give Me A Break』は、ディスコの基本形をしっかり押さえながら、イタリア産らしい整ったプロダクションが耳に残る作品である。リズムの推進力、シンセや鍵盤の配置、コーラスの使い方など、当時のダンスフロア向け音源に必要な要素が過不足なく並ぶ。派手さだけで押し切るタイプではなく、曲の骨格がはっきりしているため、アルバム全体としても流れが追いやすい。歌もののディスコとして、楽曲ごとの輪郭が明確な点が印象に残る。

Vivien Veeの歌声は、楽曲の上で前に出すぎず、しかし埋もれもしない位置に置かれている。ディスコの快活さを支える役割を持ちながら、曲の雰囲気を崩さないバランス感覚がある。イタロ・ディスコが後年さらに機械的、あるいはシンセ主導へと寄っていく流れと比べると、この作品はまだ生演奏的な手触りとディスコの王道感が近い時期の記録として聴ける。

タイトル曲「Give Me A Break」

タイトル曲「Give Me A Break」は、このアルバムの顔になっている楽曲で、Vivien Veeの初期イメージを決定づけた1曲として扱われることが多い。タイトルの言葉通り、フックの立ち方がわかりやすく、反復の中でテンションを保つ設計になっている。ディスコの基本である四つ打ちの推進力に、歌メロとコーラスの応答が重なり、ダンスフロアで機能する形が見えてくる。

この曲の特徴は、主張の強いメロディを前面に押し出しながらも、全体のアレンジが過密になりすぎないところにある。リズム隊の安定感の上で、ヴォーカルが軽やかに乗る構図で、1979年当時のヨーロッパ産ディスコらしい洗練がある。Vivien Veeのキャリアを語るうえで、まずこの曲を外せないという位置づけは自然だろう。

ヒット曲としての存在感

本作は、作品全体がまずアルバムとして評価されるというより、タイトル曲をはじめとする楽曲の存在感で広く知られているタイプの1枚である。Vivien Veeはこのデビュー作で一気に注目を集め、のちの再発盤やイタロ・ディスコ系コンピレーションでも楽曲が繰り返し取り上げられてきた。つまり、『Give Me A Break』は単なる初期作ではなく、彼女の名前を現在までつないでいる基礎のひとつになっている。

アルバムの位置づけとしては、後年の12インチ中心の活動へ進む前段階にある、最初の大きな到達点と見るのが自然である。1979年の時点でこれだけ完成度の高いディスコ作品を提示できたことが、その後の再評価につながったのだろう。Banana Recordsの初期カタログを代表するタイトルとしても、重要度は高い。

イタリアのディスコ文脈の中で

1970年代末のイタリアでは、ディスコが独自の発展を見せていた。アメリカのディスコを下敷きにしつつ、よりメロディ重視で、シンセや打ち込みの導入へ向かう流れが徐々に形になっていく時期である。『Give Me A Break』は、その移行期の空気を持ちながら、まだバンド感や歌ものの強さが前にある作品として聴ける。後年のイタロ・ディスコの先鋭化したサウンドと比べると、ここにはより素直なディスコの楽しさが残っている。

同時代のイタリア産ダンス・ミュージックを思い浮かべると、Claudio Simonetti周辺の制作感覚や、Banana Recordsの系列作品に通じる色合いがある。とはいえ、このアルバムは単なる流行追随ではなく、Vivien Veeという歌い手の存在を前に出した作りになっている点が大きい。モデル出身という経歴も含め、音とビジュアルをまとめて提示する1979年らしいポップ・ディスコ作品といえる。

再発盤との関係

オリジナルは1979年のBanana Records盤であり、盤の年も作品の年も同じく1979年である。その後、このアルバムや関連曲は再発やコンピレーションで繰り返し流通してきた。Banana Records名義を用いた非公式の再発盤も存在するため、流通形態には幅があるが、作品そのものの核はこの1979年のオリジナルにある。初出当時の空気を知るという意味では、やはりオリジナル・リリースの存在感が大きい。

まとめ

『Give Me A Break』は、Vivien Veeのデビューを飾った1979年のイタリア産ディスコ作品であり、Banana Recordsの初期を代表する1枚でもある。タイトル曲を軸に、歌ものディスコとしてのわかりやすさと、当時のイタリア制作らしい整った質感が同居している。イタロ・ディスコの黎明期をたどるうえでも、Vivien Veeというアーティストの出発点を知るうえでも、重要な記録として残るアルバムだ。

トラックリスト

  1. A1 Give Me A Break 8:55
  2. A2 It's Too Soon 9:13
  3. B1 Come Back 9:40
  4. B2 Finally Alone 6:23

動画

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