Vinyl Record Reviews
Agapeは、1970年代初頭のアメリカで活動したクリスチャン・ロック・バンドだ。中心人物はフレッド・カバンで、メンバーにはJohn Peckhart、Mike Jungkman、Jim Hess、Richard Greenburgがいた。プロフィール情報ではUS christian rock band (70s)とされている。
Agapeが登場した時期は、アメリカ西海岸、とくに南カリフォルニアでジーザス・ムーブメントが広がっていた頃にあたる。カルバリー・チャペル・コスタメサを中心に、カウンターカルチャー世代の若者がキリスト教に回帰していく流れがあり、Agapeもその動きの中から出てきた初期のクリスチャン・ロック/ゴスペル・ロック・グループの一つとして扱われている。
1971年にMark Recordsから発表した唯一のアルバム『Gospel Hard Rock』が、Agapeの代表作だ。この作品は、タイトル通りかなり硬質なロックを軸にしていて、ウェブ上の情報ではクリームやジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスに通じるへヴィなブルース・ロック、アシッド・ロックの要素があるとされている。
そこに伝道的なキリスト教のメッセージを乗せている点が特徴で、当時のロックと宗教音楽の接点を示す作品として見られている。演奏面では、ブルース・ロックのリフ、サイケデリック・ロック寄りの展開、70年代初頭らしいラフな質感が確認できる。
Agapeの作品は、今日では初期クリスチャン・ロックやサイケデリック・ロックの記録としてコレクターの間で見直されている。とくに『Gospel Hard Rock』は、ジーザス・ムーブメント期の空気と、当時のハードなロック・サウンドを同時に残した資料として扱われている。
Agapeを追うなら、まずは『Gospel Hard Rock』の1枚から入るのがわかりやすい。ブルース・ロックやアシッド・ロックが好きなら、演奏の骨格がつかみやすいはずだし、そこにキリスト教メッセージがどう組み合わされているかを聴くのも面白い。