Vinyl Record Reviews
Archie Bell & The Drellsは、テキサス州ヒューストン出身のソウル・ヴォーカル・グループだ。中心人物のArchie Bellが高校時代にグループを結成し、1960年代後半から1980年まで活動した。メンバーにはBilly Buttier、Willie Pernell、James Wise、Lee Bellらが名を連ねる。
このグループを語るうえでまず挙がるのが、1967年に録音され、1968年にアトランティック・レコードから発売された「Tighten Up」だ。地元ヒューストンでのヒットをきっかけに契約へつながり、T.S.U. Toronadosの演奏をバックにした録音が大きな成功を収めた。全米R&Bチャートとポップチャートの両方で1位を記録し、ゴールドディスクも獲得している。
この曲は、ビリー・バトラーがベルを励ますために披露したダンスが着想源になった、というエピソードでも知られている。ベルは徴兵を控えていた時期にこの曲の成功を知ったという話も残っている。
Archie Bell & The Drellsの音楽は、ソウルを土台にしながら、リズムの立ったファンク寄りの展開を持っている。初期の「Tighten Up」は、初期ファンクの代表的なヒットとして扱われることが多い。続く「I Can't Stop Dancing」(1968年)や「There's Gonna Be a Showdown」(1969年)もヒットしており、ダンス向きの曲を軸に人気を広げていった。
また、ケネス・ギャンブルとレオン・ハフがグループのプロデュースに関わっていた点も重要だ。のちにフィラデルフィア・インターナショナル・レコードを立ち上げる前から制作を担当していて、トム・ベルやボビー・マーティンのオーケストラを使った楽曲も手がけていた。ここには、フィラデルフィア・ソウルへつながる制作の流れが見える。
1969年以降はアトランティックでの活動を続け、その後も作品を出していく。1975年にはディスコ路線を取り入れたアルバム『Dance Your Troubles Away』で再び存在感を示した。この作品からは「The Soul City Walk」が全英13位、「Let's Groove」がR&Bチャート7位を記録している。
グループは1980年に解散したが、Archie Bellはその後もソロ活動を行い、さらにドレルズ名義でのステージ活動も長く続けた。1990年代にはSteve “Stevie G.” Guettler、Jeff “JT” Strickler、Steve Farrell、Mike Wilson、Wes Armstrongらを含む編成でも活動していた。
Archie Bell & The Drellsは、ヒューストン発のソウル・グループとして、初期ファンクの流れとソウル・ヴォーカル・グループの感覚をつないだ存在として見られている。「Tighten Up」は後世のサンプリングや引用でも参照されており、Whosampledでも取り上げられている。ローリング・ストーン誌の「500 Greatest Songs of All Time」に選出されている点からも、単発のヒットで終わらない扱いを受けている。
派手な装飾よりも、ダンスとリズムを前に出した楽曲が多く、ソウルとファンクの接点を知るうえで外しにくいグループだ。