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Atollは、1972年にフランスのメスで結成されたプログレッシブ・ロック/シンフォニック・ロック・バンドだ。活動の中心は1970年代で、André BalzerやChris Beyaの指揮のもと、メンバー編成を何度も変えながら作品を残している。
フランスのプログレッシブ・ロックを語る文脈では、YesやGenesisに近い存在として扱われることが多く、「フランスにおけるYes・Genesis」と紹介されることもある。英米の代表的なプログレに通じる構成感を持ちながら、フランスのシーンで独自の歩みを進めたバンドとして見られている。
Atollは1973年のシングル「Je T'Aime Quand Je Te Vois」でデビューした。その翌年の1974年には1作目『Musiciens-Magiciens』を発表している。
1975年の2作目『L'Araignée-Mal』では、ギタリストのChristian BeyaとヴァイオリニストのRichard Aubertを迎え、シンフォニックな組み立てをよりジャズ・フュージョン寄りの重厚な演奏へと広げた。この作品は、バンドの代表作として現在も高く評価されている。続いて『Tertio』(1977年)、『Rock Puzzle』(1979年)を発表し、70年代の活動を積み重ねていった。
Atollの音楽は、プログレッシブ・ロックらしい長めの構成、曲調の切り替え、シンフォニックな展開を軸にしている。そこにジャズ・フュージョン的な演奏感が加わるのが特徴で、『L'Araignée-Mal』ではその要素が特に強く出ている。
編成面でも、ギター、ヴァイオリン、ベース、キーボード、ドラムが絡み合う形が目立つ。ロックの骨格を保ちながら、器楽的な要素を前に出す場面が多いバンドとして整理できる。
Atollの特徴のひとつが、メンバーの入れ替わりが多いことだ。André BalzerやChris Beyaを軸にしながらも、参加メンバーは時期によって大きく変わっている。
関連情報として特筆されるのが、King CrimsonやAsiaで知られるベーシスト/ヴォーカリストのJohn Wettonとの関わりだ。Wettonは1981年、Asia加入直前のタイミングでAtoll名義のプロジェクトに参加して録音を行っている。ただし、この企画は発表には至っていない。
Atollは、1970年代フランスのプログレッシブ・ロック・シーンを代表するバンドのひとつとして扱われている。英米の有名バンドと並べて語られることがある一方で、フランス国内での活動の積み重ねが評価の中心にある。
作品数は多くないが、70年代の数作とその編成変化、そして代表作『L'Araignée-Mal』の存在によって、今もプログレッシブ・ロックのリスナーやコレクターの間で参照されるバンドになっている。