Vinyl Record Reviews
Cameoは、1974年にアメリカ・ニューヨークで結成されたファンク/ソウル系のバンドだ。もともとはNew York City Playersという名前で活動していたが、Ohio Playersとの訴訟をきっかけにThe Playersへ改名し、その後にCameoとして知られるようになった。1977年から2000年までに17枚のアルバムを発表している。
中心人物はフロントマンのLarry “Mr. B” Blackmonで、1975年からバンドを率いてきた。メンバーは時期によって入れ替わっているが、Anthony Lockett、Aaron Mills、Charlie Singleton、Arnett Leftenant、Tomi Jenkins、Nathan Leftenant、Gregory Johnson、Gary Dow、Eric Durham、William Revis、Thomas Campbell、Jeryl Bright、Stephen Moore、Michael Burnett、Kurt Jeter、Wayne Cooper、William Seth Allen、Damon Mendesなどがクレジットされている。
2000年代には、ベーシストのAaron MillsがOutKastとの共同作業でも知られるようになった。Cameo本体の活動と並行して、メンバー個々の動きもヒップホップ以降の音楽とつながっている。
Cameoの軸は、ファンクのリズムとソウルの歌心にある。プロフィールでも「Funk - electro band」とされている通り、シンセや電子的な音の使い方も目立つ。タイトなリズム隊の上に、Larry Blackmonの個性的なボーカルが乗る形で、80年代のファンクらしい前に出るサウンドを作ってきた。
曲単位で見ると、グルーヴをはっきり感じやすい構成が多く、ダンスフロア向けの強さがある。ファンクの反復と、ソウル由来のフレーズがそのまま曲の推進力になっている。
Cameoを語るうえで外せないのが、1986年の「Word Up!」だ。アメリカではBillboard Hot 100で6位を記録し、同名アルバムもBillboard 200で12位に入っている。この曲でバンドの知名度は大きく広がった。
ミュージックビデオでLarry Blackmonが着用した真っ赤なコッドピースの衣装も強い印象を残した。これはJean-Paul Gaultierが手がけたもので、Blackmon本人は最初あまり乗り気ではなかったという話が残っている。結果的には、80年代ポップカルチャーを象徴するビジュアルの一つとして広く知られることになった。
Cameoの楽曲は、後のヒップホップやR&Bのアーティストたちにたびたび使われてきた。特に「Candy」は、2Pac、Snoop Dogg、Mariah Careyらによってサンプリングされている。こうした使われ方を見ると、Cameoのグルーヴがジャンルをまたいで参照され続けているのがわかる。
ファンクバンドとしてのCameoは、オリジナル曲のヒットだけでなく、サンプリング素材としても存在感を保ってきた。80年代に目立ったバンドが、その後のヒップホップの土台にも入っていった流れが見える。
Cameoは、奇抜なヴィジュアルと、リズムを前に出した演奏で知られている。派手な見た目だけが先行するタイプではなく、実際に楽曲の中身でもファンク/エレクトロの要素をしっかり押し出してきた。1970年代から2000年代まで活動を続け、その間に17作のアルバムを残した事実も重い。
80年代ファンクの入口として聴いてもいいし、サンプリングの元ネタ探しから入っても楽しめるバンドだ。Cameoの名前は、今でも「Word Up!」と「Candy」を起点に、いろいろな世代の耳に届いている。