Chuzpe

Vinyl Record Reviews

Chuzpe

Chuzpeとは

Chuzpeは、1977年にウィーンで結成されたニュー・ウェイヴ/ポスト・パンク・バンドだ。中心人物はRobert Wolfで、プロフィール上では彼の名義であるRobert Wolf (3)が結成者として記載されている。ウェブ上の情報では、Christian Brandl、Albert Griemann、Rudolf Barcalらが初期メンバーとして関わっていたとされる。

オーストリアのパンク初期を語るうえで名前が挙がるバンドで、しばしば「オーストリア初のパンク・バンド」と紹介されている。1977年11月7日に、ウィーン2区ロテンシュテルンガッセの地下会場「Milchkandl」で“本当の”デビュー・ライブを行ったという記録もある。

結成からパンク期へ

Chuzpeの活動初期は、1977年から78年頃までのパンク期にあたる。この時期の情報としては、Robert Wolfが昼間は郵便配達員として働きながらステージに立っていたことが知られている。パンク・シーンらしい生活を送りながら、ウィーンのローカルな場で活動を始めたバンドだった。

メンバー構成は時期によって変化しており、提示されているメンバーにはMic Metal、Andy Kolm、Stefan Pfeistlinger、Stephan Wildner、Gunulf、Jimmy Deix、Christian Brandl、Robert Wolf、James Bong、Charlie Wolf、Albert Griemann、Rudi Barcalの名前がある。バンドの編成は固定的というより、時期ごとに動きがあったようだ。

ニュー・ウェイヴへの移行

パンク期のあと、Chuzpeはニュー・ウェイヴへと音楽性を移していく。ジャンル表記ではElectronic、Rockが並び、スタイルとしてNew Wave、Synth-pop、Minimalが挙げられている。初期パンクの勢いを持ちながら、シンセやミニマルなアプローチを取り入れていった流れが見える。

この変化は、オーストリアの80年代初頭の音楽シーンとも重なる。Chuzpeは単にパンクを続けたバンドではなく、その後の新しい流れに接続していったグループとして扱われている。

「Love Will Tear Us Apart」のカバーとヒット

Chuzpeの活動で特に知られているのが、1980年から81年にかけて発表したJoy Division「Love Will Tear Us Apart」のカバーだ。この楽曲はオーストリアのラジオ局Ö3のチャートで8位を記録したとされている。カバー曲が国内で広く流通したことで、バンドの名前がより多くのリスナーに届いた可能性がある。

原曲の持つ構造をどう扱ったかという点でも、Chuzpeがニュー・ウェイヴ寄りの表現へ進んでいたことがうかがえる。パンクの出自を持ちながら、既存曲の解釈で注目を集めたのがこの時期だ。

1982年のアルバム『1000 Takte Tanz』

1982年にはアルバム『1000 Takte Tanz』を発表している。この作品は、1980年代初頭にオーストリアで育った新しい音楽シーンの形成に関わる作品として紹介されることがある。Chuzpeの活動が、シングルやライブだけでなくアルバム単位でも残されている点は重要だ。

この時期のChuzpeは、パンクの先駆的な立ち位置と、ニュー・ウェイヴの実践を両方持っていたバンドとして整理できる。オーストリア国内のロック史の中でも、初期パンクから80年代の流れへ橋をかけた存在として記録されている。

関連サイト

聴くときのポイント

Chuzpeを追うなら、まずは1977年のパンク期と、その後のニュー・ウェイヴ期を分けて見るとわかりやすい。初期のストレートなパンクの記録と、シンセやミニマルな要素を取り込んだ80年代の音源では、バンドの方向性が少しずつ変わっていく。

特に「Love Will Tear Us Apart」のカバーは、バンドの名前を知る入口になりやすい。そこから『1000 Takte Tanz』へ進むと、Chuzpeがウィーンのローカル・シーンからどのように展開していったかが見えやすい。

ジャンル・スタイル

Electronic Rock Minimal New Wave Synth-pop
toast