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Clara Nunes(クララ・ヌネス)は、1942年8月12日生まれ、1983年4月2日没のブラジルの歌手だ。サンバとMPBを中心に活動し、1960年代後半から1980年代初頭にかけて大きな人気を集めた。ブラジルのサンバ歌手として高く評価されていて、CandombléやUmbandaといった宗教に由来するテーマやリズムをMPBに取り入れたことでも知られている。
クララ・ヌネスはベロ・オリゾンチのローカルラジオ番組で歌手活動を始めた。そこで力強い歌声が注目され、人気を広げていく。1965年にリオデジャネイロへ移ってからは、それまで中心だったボレロのレパートリーからサンバへと重心を移した。この移行が、その後のサンバ歌手としてのキャリアを形づくっていく。
彼女は伝統的なサンバ学校ポルテーラとの関係が深いことでも知られている。1975年のカーニバル・パレードでは、同校のテーマ曲「Macunaíma」を歌った。「Portela na Avenida」は、今もサンバの古典として親しまれている。こうした活動からも、クララ・ヌネスがサンバの現場と強く結びついていたことが見えてくる。
クララ・ヌネスの特徴は、サンバを軸にしながら、MPBの文脈にCandombléやUmbandaの要素を持ち込んだ点にある。宗教的・文化的な背景を音楽に反映させたことで、彼女の作品は単なる流行歌にとどまらない広がりを持った。ボレロ中心の初期からサンバへ移ったあとも、その歌唱にははっきりした芯があり、ラジオで注目された時期から一貫して歌声の強さが評価されていた。
ブラジルの女性歌手として初めて10万枚のセールスを記録し、ゴールドディスクを獲得したのもクララ・ヌネスだった。商業的な成功だけでなく、サンバ歌手としての存在感が広く認められていたことがわかる。ブラジル音楽の中でも、彼女の名前はサンバとMPBの両方を語る場面でよく挙がる。
1983年4月2日、リオデジャネイロのクリニカ・サン・ヴィセンチで受けた静脈瘤除去の手術中に急逝した。40歳だった。伝記作家ヴァグネル・フェルナンデスによれば、麻酔導入時のアナフィラキシーショックが原因とされている。当時のブラジル音楽界には大きな衝撃が広がった。