Cloud One

Vinyl Record Reviews

Cloud One

Cloud Oneとは

Cloud Oneは、プロデューサーのパトリック・アダムスと、パートナーのピーター・ブラウンがロングアイランドの小さなスタジオで進めたスタジオ・プロジェクトだ。ジャンルはElectronic、Funk / Soul、スタイルはDiscoに分類されている。

「Atmosphere Strut」で知られる存在

1976年、Cloud Oneはアダムスとブラウンが新たに立ち上げたレーベルP&P Recordsの第1弾として「Atmosphere Strut」を発表した。この曲で広く知られるようになった。約9分に及ぶ長尺のインストゥルメンタルで、「We're gonna fly / Fly away」というリフレインと、アダムスによるシンセサイザーのラインが印象に残る。

当時のディスコはフィラデルフィア・ソウルの流れをくむ作品も多かったが、Cloud Oneのこの曲は、よりジャジーで、シンセを前面に出した作りになっている。ポップ寄りのディスコとは少し違う方向を示した作品として扱われている。

P&P周辺で続いた活動

その後もCloud Oneは、70年代末にかけてP&P関連の姉妹レーベルからシングルを出している。レーベル名としては、Queen Constance、Golden Flamingo、Heavenly Star、Sound of New Yorkなどがある。

確認できる範囲では、「Patty Duke」をはじめとするシングルを継続的に発表していた。Cloud Oneは単発のプロジェクトというより、P&Pのサウンドを支える制作ユニットのひとつとして機能していたようだ。

音楽的な特徴

  • 長尺のインストゥルメンタルを中心にしている
  • シンセサイザーの存在感が強い
  • ディスコの中でもジャズ寄りの感触がある
  • フィラデルフィア・ソウル直系の滑らかさだけに寄らない
  • P&Pレーベルらしい、ニューヨークのインディー・ディスコらしさがある

周辺シーンとの関わり

Cloud Oneは、West EndやSalsoulと並ぶニューヨークの新興インディー・ディスコ・レーベル群の流れの中で語られることがある。P&P Recordsはその中でもかなり個性の強いレーベルで、Cloud Oneはそのサウンドを体現する存在として見られている。

AllMusicやWhoSampledでも参照されていて、後年のリスナーやディガーの間でも見つけられやすい名前になっている。特に「Atmosphere Strut」は、ディスコの文脈だけでなく、サンプリングや再評価の対象としても扱われている。

聴きどころ

Cloud Oneを聴くなら、まずは「Atmosphere Strut」から入るのがわかりやすい。9分という長さの中で、リフレイン、シンセ、リズムの組み立て方がどう進むかを追うと、このプロジェクトの方向性が見えやすい。

派手なボーカルで押すタイプではなく、演奏と音色の配置で引っ張るディスコを探している人には、手がかりが多いユニットだ。

toast