Vinyl Record Reviews
Convergeは、1990年にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで結成されたハードコア・パンク/メタル・バンドだ。ジャンル表記ではRockに入ることもあるが、実際の音像はハードコア、メタルコア、マスコアの要素が強い。現在はJacob Bannon、Kurt Ballou、Nate Newton、Ben Kollerを中心とする編成で活動している。
結成は1990年。初期からメンバーの入れ替わりを重ねながら、ボストンのハードコア・シーンで存在感を強めていった。現メンバーとしては、Jacob Bannonがヴォーカル、歌詞、ビジュアルを担当し、Kurt Ballouがギター、ヴォーカル、ベース、キーボードを担当する。Nate Newtonはベースとヴォーカル、Ben Kollerはドラムを務めている。
過去にはDamon Bellorado、Aaron Dalbec、Jeff Feinberg、John Digiorgio、Erik Ralstonらも在籍していた。長い活動歴の中で編成は変化しているが、バンドの核はハードコアとメタルの接続にある。
Convergeの特徴は、ハードコアの速度感と、ヘヴィ・メタル由来の重さを強く結びつけている点にある。曲は短いフレーズを細かく切り替えながら進み、リズムの変化も多い。メタルコアやマスコアの先駆的存在として扱われることが多いのは、この構成の作り方と演奏の密度によるところが大きい。
ヴォーカルは、明瞭な歌唱よりも断片的な絶叫が中心で、歌詞の内容はそのまま聞き取るというより、音の塊として受け取る場面が多い。Jacob Bannonの歌詞は詩的に書かれている一方で、実際の発声では分解される形になっていて、その落差もConvergeの個性になっている。
2001年9月4日に発表された4作目『Jane Doe』は、Convergeの代表作としてよく挙げられる。参加メンバーはJacob Bannon、Aaron Dalbec、Ben Koller、Kurt Ballou、Nate Newton。失恋をテーマにしながら、具体的な物語を追うのではなく、内面の苦悩を連続した楽曲で描く構成になっている。
このアルバムでは、曲同士が切れ目なくつながり、全体がひとつの組曲のように聞こえる。ハードコアの即効性と、アルバム全体で通して聴かせる設計が同時に成立している点が特徴だ。『Terrorizer』誌の2001年ベストアルバム、Sputnikmusicの2000年代ベストアルバムに選ばれ、のちにローリング・ストーン誌の史上最高のメタル・アルバム61位にも入っている。
ギタリストのKurt Ballouは、演奏面だけでなくプロデュースでも重要な役割を担っている。彼が手がけるGodCity Studioは、以後のハードコア/メタル・バンドにも影響を与える拠点として知られるようになった。Convergeの音作りと、そこで培われた制作手法が、周辺のシーンにも波及していった流れがある。
Convergeは、1990年の結成以来、ハードコアとメタルの接点を強く押し出してきたバンドだ。特に『Jane Doe』以降は、楽曲のつながり方、ヴォーカルの扱い、歌詞の構成まで含めて独自の形を作っている。メタルコアやマスコアをたどるとき、避けて通れない名前のひとつとして見ておくと整理しやすい。