Vinyl Record Reviews
Cosmic Cathedralは、Neal Morse、Chester Thompson、Phil Keaggy、Byron Houseの4人によるプロジェクトだ。2025年4月25日に、InsideOutMusicからデビューアルバム『Deep Water』をリリースしている。
Neal MorseはTransatlanticなどで知られ、Chester ThompsonはGenesisやFrank Zappaのバンドで活動してきたドラマーだ。Phil KeaggyはGlass Harpのギタリストとして知られ、Byron HouseはRobert PlantやDolly Partonらのセッションでも演奏してきたベーシストである。各メンバーがそれぞれ長いキャリアを持つ点が、このバンドの出発点になっている。
このデビュー作は、ジャムセッションを土台にして作られている。Neal Morseの長年のオーディオパートナーであるJerry Guidrozがセッションの素材を編集し、その後にMorseとバンドが曲や組曲へ発展させた。
収録曲の一部は、スタジオでの即興から直接形になったという。Morseは、特に「Time To Fly」がそうした流れで生まれたと説明している。歌詞の一部も、その場で出てきたものを使ったという。
Morseは本作を「prog meets yacht rock meets The Beatles」と表現している。実際、プログレッシブ・ロックを軸にしながら、グルーヴの強い演奏や、ビートルズを思わせるハーモニーが前面に出ている。
さらに、Steely Danを連想させるようなジャズ・フュージョン寄りの感触もある。アルバム中の「New Revelation」では、Stingの作品に通じるような展開を持つ部分もあるとMorseは話している。
アルバムの中心には38分に及ぶ組曲が置かれていて、単なる曲の寄せ集めではなく、長尺の流れを持つ構成になっている。
Phil Keaggyは、このプロジェクトに参加できたことを光栄だったと語っている。彼は『Deep Water』を、創造性と歌詞の両面で充実した作品として受け止めている。
Chester Thompsonも、メンバー間のコミュニケーションが良かったと振り返っていて、このアルバムを自身が参加した中でも特に気に入っている作品のひとつとして挙げている。
批評では、この作品を高く評価する声と、これまでのNeal Morse作品の延長線上にあると見る声の両方がある。新しい面を引き出したという見方もあれば、既存の作風との連続性を指摘するレビューも見られる。
ただ、メンバー本人たちはかなり手応えを感じているようだ。ベテラン同士のセッションから始まり、それを曲として組み上げていく作り方が、このバンドの核になっている。
Cosmic Cathedralは、各メンバーの経歴をそのまま持ち寄ったようなプロジェクトではなく、ジャムから曲を立ち上げていく制作方法を前面に出している。『Deep Water』は、その過程がはっきり見えるアルバムだ。