Vinyl Record Reviews
Freddie Kingは、アメリカのブルース・ギタリスト兼シンガーだ。1934年9月3日にテキサス州ギルマーで生まれ、1976年12月28日にダラスで亡くなっている。1949年にシカゴへ移り、1956年にはリーダー作として最初のレコードを録音した。
若い時期にテキサスからシカゴへ移ったのは、当時のブルースの中心地に近づく動きでもあった。1956年の初録音以降は、演奏活動と録音を重ねていく。ライブでは、白人と黒人を含む多人種編成のバックバンドをいち早く起用したブルースマンの一人としても知られている。
また、「テキサス・キャノンボール」という異名が示す通り、ツアーを大量にこなすミュージシャンでもあった。年間およそ300日を演奏に費やしていたとされ、移動と公演を中心にした生活を続けていた。
Freddie Kingの音楽は、Electric Blues、Rhythm & Blues、Texas Bluesを軸にしている。ギターは攻撃的で、輪郭のはっきりしたフレーズが目立つ。歌とギターを両方担うスタイルで、リズムの押し出しも強い。
代表的な曲としてよく挙がるのが、1961年のインストゥルメンタル・ヒット「Hide Away」だ。この曲は全米ポップチャートで29位まで上がっていて、ブルース楽曲としては当時かなり珍しいクロスオーヴァー・ヒットになった。インスト曲でありながら、ギターのフックが前に出る構成で、彼の持ち味がまとまっている。
「Hide Away」を含むFreddie Kingのギタープレイは、後の英国ブルース・ロック世代に強い影響を与えたことで知られている。エリック・クラプトンは1965年に「Hide Away」をライブで取り上げていて、John Mayall & The Bluesbreakersの通称『Beanoアルバム』でもカバーしている。
そのほかにも、ピーター・グリーン、ミック・テイラー、ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ジェリー・ガルシアなど、多くのギタリストが彼の奏法から影響を受けたとされる。Freddie Kingのプレイは、ブルースの中にある鋭さと推進力を、そのまま次の世代へ渡した形になっている。
Freddie Kingは、電気ブルースの「三大キング」の一人としてAlbert King、B.B. Kingと並んで語られることが多い。1993年には、テキサス州知事アナ・リチャーズの宣言によって9月3日が「Freddie King Day」とされた。
さらに、Rolling Stone誌の「史上最高のギタリスト100人」では15位に入っている。2012年にはロックの殿堂入りも果たしている。
Freddie Kingは、テキサスからシカゴへ移り、ブルースの現場で演奏を重ねながら、自分のギターの鳴らし方を広げていったミュージシャンだ。「Hide Away」のヒットや、ライブでの強いプレイ、後続世代への影響を見ても、ブルース・ギターの流れの中で重要な位置にいる存在として扱われている。