Vinyl Record Reviews
I Spyは、オランダ・フローニンゲンを拠点に活動してきたロック・バンドだ。ウェブ上の情報では、1980年代に結成され、プログレッシブ・ロックを軸にしながら、アート・ロックやニュー・ウェイヴの要素も取り入れてきた。
中心メンバーのひとりであるヴォーカルのアールノウト・ステーグストラと、1982年からドラム/ギターとして参加したクース・グレヴェリンクを軸にバンドは活動してきた。オランダ国内では複数のヒット曲を持ち、代表曲として「The International Feel」が挙げられている。
アルバムは1988年の『The Crystal Fire』、1991年の『Kite』などが知られている。シングルの中には全国ラジオ局で大きく取り上げられ、チャートに入ったものもあった。
I Spyのサウンドは、シンフォニック・ロックとニュー・ウェイヴを組み合わせたものとして紹介されている。プログレッシブ・ロックの構成感に、アート・ロック寄りの感覚や当時のポップ/ニュー・ウェイヴの空気を重ねたバンドとして整理できる。
その後の活動でも、プログレッシブ・ロックの文脈で語られることが多く、オランダの同系統のシーンの中で存在感を保っている。
2015年には、35年間在籍していたクース・グレヴェリンクが脱退した。本人は、バンドの音楽的方向性が自身の志向と離れてきたことを理由に、長く考えた末の決断だったとしている。
その後、活動休止期間を経て、2023年9月21日に2枚組アルバム『While The War Began』を発表した。この作品には20曲が収録されている。現在もオランダのプログレッシブ・ロック・シーンで活動を続けている。
I Spyは、オランダ国内でヒット曲を持ちながら、プログレッシブ・ロックの枠組みで活動を続けてきたバンドだ。初期のシンフォニック・ロックやニュー・ウェイヴとの接点、そして近年の長編アルバムまで、活動の流れがはっきり追えるグループとして見ておきたい。