Vinyl Record Reviews
Ike & Tina Turnerは、1958年にアメリカ・ミズーリ州セントルイスで始動したR&B/ソウル系のユニットだ。アイク・ターナーを中心に、のちにティナ・ターナーとなるアン・ブロックが加わり、1976年まで活動した。1971年にはロックの殿堂入りを果たしている。
ティナ・ターナーは10代の頃、地元セントルイスのクラブ「マンハッタン」で、アイク・ターナー率いるキングス・オブ・リズムの演奏を見て強く印象を受けた。ステージ上でドラマーからマイクを渡されて歌う機会があり、その歌声をアイクが気に入ったことで、ほどなくバンドに参加することになった。1960年には、録音予定だった歌手が現れなかったためティナがデモ録音を担当し、その音源が「A Fool in Love」へつながった。ここからIke & Tina Turner Reviewとしての活動が本格化する。
このユニットの特徴は、アイク・ターナー率いるキングス・オブ・リズムに、女性コーラス隊アイケッツを加えたステージ編成にある。演奏とコーラスが前に出る構成で、ライブでは熱量の高いパフォーマンスを見せた。R&Bシーンでは、ライブアクトとして高く評価されていた。
1966年には、フィル・スペクター制作の「River Deep – Mountain High」を発表した。アメリカでは大きなヒットにはならなかったが、イギリスではトップ3入りを記録し、同年のローリング・ストーンズ英国ツアーに帯同するきっかけにもなった。
1971年には、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのカバー「Proud Mary」を独自のアレンジでヒットさせ、1972年にグラミー賞を受賞している。1973年にはティナ自身が作詞した「Nutbush City Limits」もヒットした。
彼らの音楽は、Funk / Soulを軸にしたものだ。ステージでは、ティナの歌声とバンドの推進力が前面に出る形で展開され、コーラス隊を含めた編成が楽曲の勢いを支えた。スタジオ録音だけでなく、ライブでの表現力が活動の中心にあった点が、このユニットの大きな特徴になっている。
音楽活動が続く一方で、夫婦関係は次第に悪化した。1976年、ツアー移動中の車内での衝突をきっかけにティナがアイクのもとを離れ、翌年に離婚を申請した。1978年に正式に離婚が成立している。その後、ティナはソロで大きな成功を収めた。
Ike & Tina Turnerは、R&Bからソウル、ファンクへつながる流れの中で、強いライブ演奏とヒット曲で存在感を残したユニットだ。1991年にはロックの殿堂にパフォーマー部門で殿堂入りしている。代表曲をたどると、録音作品とライブの両方で活動していたことがよくわかる。