Vinyl Record Reviews
Jeff Moore & Friendsは、カナダ・トロントのBayview Secondary Schoolで生まれた高校生プロジェクトとして知られるフォーク・グループだ。中心人物はJeff MooreとシンガーのChristina Beckerで、二人がそれぞれ独立したボーカルパートを歌う構成が特徴になっている。
このグループの音源として確認しやすいのは、1974年にカナダで自主制作された唯一のアルバム『The Youngest Son』だ。プレス数は99枚のみで、オリジナル盤はシルクスクリーン印刷のジャケットを採用していた。
その後、この作品は長く入手困難なフォーク/サイケ私家盤として扱われ、コレクターのあいだで高値で取引されてきた。2003年にはOrange Doubledomeからブートレグ盤としてヴァイナル再発され、2008年には韓国のRiverman Recordsから、2009年には米国のYoga RecordsからCDで再発されている。
『The Youngest Son』は、内省的で物憂げな歌詞と、儚く夢見るようなサウンドで語られることが多い。録音の質は高くないが、その粗さが作品の素朴さにつながっていると見なされている。
Jeff MooreとChristina Beckerが別々のボーカルパートを担う形は、このグループの大きな特徴だ。高校生のプロジェクトらしい真っすぐな作りと、フォークを土台にした演奏が合わさって、私家盤らしい独特の存在感を持っている。
『The Youngest Son』は、長いあいだ世界でも入手が難しいフォーク/サイケ系の私家盤として知られてきた。再発を通じて音源に触れられる機会が増えたあとも、カナディアン・フォークやプライベート・プレス盤を追うリスナーのあいだでは、伝説的な一枚として扱われている。
高校生プロジェクトという出自、わずか99枚という初回プレス、そして後年の再発まで含めて、Jeff Moore & Friendsは作品そのものと流通の歴史の両方で語られるグループだ。