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Kurtis Blow(カーティス・ブロウ)は、ヒップホップ初期を代表するアメリカのラッパー、シンガー、ソングライター、プロデューサー、DJだ。1959年8月9日生まれで、本名はKurtis Walker。ラップの商業的成功を早い段階で実現した人物として知られている。
1976年にシティ・カレッジ・オブ・ニューヨーク(CCNY)へ入学し、大学ラジオ局でプログラム・ディレクターを務めていた。1970年代後半には、後にDef Jam Recordsを立ち上げるラッセル・シモンズの助言で「Kurtis Blow」の名義を使うようになったとされる。
1979年、Mercuryと契約し、「Christmas Rappin'」を発表した。この曲は50万枚以上を売り上げ、ヒップホップの初期における商業的成功例のひとつになった。続く「The Breaks」も大きなヒットとなり、1980年の同名デビュー・アルバムに収録されたこの曲は、ヒップホップ楽曲として初のゴールド認定を受けた。
Kurtis Blowは1980年代前半にかけて複数のアルバムを発表している。デビュー作『Kurtis Blow』のあとには、ポップ・チャートでも反応を得た『Deuce』、ラップとgo-goを組み合わせた『Party Time』、そして「8 Million Stories」「AJ Scratch」「Basketball」を収録した『Ego Trip』などを出している。
1985年の『America』では、表題曲のミュージックビデオも注目を集めた。このアルバムからは「If I Ruled the World」がBillboardのR&Bチャートでトップ5に入っている。音楽スタイルとしては、Hip Hopを軸にFunkやDiscoの要素を取り入れていた。
1983年ごろからは制作面にも軸足を移し、The Fat BoysやRun-D.M.C.のヒットに関わった。Runは初期に「The Son of Kurtis Blow」と名乗っていた時期があり、Kurtis Blowの影響がうかがえる。ほかにもLovebug Starski、Dr. Jekyll and Mr. Hyde、Full Force、Russell Simmons、Wyclef Jeanらと制作や共演を行っている。
また、デクスター・スコット・キングと共に、マーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日をたたえる「King Holiday」を制作した。この曲は1986年1月に発表されている。
音楽活動と並行して、映画やドキュメンタリーにも関わっている。出演・音楽面で関わった作品には、『Knights of the City』やヒップホップ映画『Krush Groove』がある。
その後も、1995年の『Das Leben Amerikanischer Gangs』では司会と共同プロデューサーを務め、『Rhyme and Reason』ではヒップホップの状況を伝える役割を担った。1998年にはRhino Recordsの『The History Of Rap』三部作にも参加している。さらに『Slippin, Ten Years With The Bloods』の共同制作も行い、2003年にはShowtimeで最も視聴されたドキュメンタリーとして評価されたという。
近年では、Netflixの『The Get Down』でもプロデューサーとしてクレジットされている。
音楽活動の後年には信仰の道に進み、2009年8月16日に正式に牧師として按手を受けた。ラップ、DJ、賛美リーダー、聖職者としての顔を持ち、Hip Hop Churchを設立している。ここではヒップホップのビートや形式を礼拝に取り入れる活動を行っている。
Kurtis Blowは、ヒップホップ初期にメジャー契約を結び、商業的成功をつくった先駆者として扱われている。ラッパーとしての活動だけでなく、プロデューサー、映像制作、教育的な発信、宗教活動まで含めて、ヒップホップの歴史を語るうえで外せない人物だ。
15枚のアルバムを発表してきたことも含め、初期ヒップホップの広がりを実務面から支えたアーティストとして、今も名前が挙がることが多い。