Vinyl Record Reviews
Lana Del Rey(ラナ・デル・レイ)は、1985年6月21日生まれのアメリカ出身のシンガーソングライター、プロデューサー、アーティスト、詩人だ。ニューヨーク市で生まれ、ニューヨーク州のレイク・プラシッドで育った。ジャンルはRock、Popにまたがり、Indie Pop、Trip Hop、Baroque Pop、Dream Popといった要素を含む作品で知られている。
10代のころ、アルコール依存への対処のためコネチカット州のKent Schoolに送られた経歴がある。高校卒業後はロングアイランドで過ごし、叔父からギターを教わったあと、夜のクラブで「Sparkle Jump Rope Queen」や「Lizzy Grant and the Phenomena」など複数の名義を使って歌っていた。当時は、音楽を本格的な職業にするつもりは強くなかったようだ。
2004年にニューヨークのFordham Universityへ進学し、形而上学を学び始めたころから音楽活動が本格化する。2005年から2009年にかけては、May JailerやLizzy Grant名義でも作品を出していた。2010年には、Lana Del Ray名義で1stアルバム『A.K.A. Lizzy Grant』を発表し、その後スペルをLana Del Reyへ変更した。
2011年に公開された「Video Games」がインターネットを中心に注目を集め、続く2012年の2ndアルバム『Born to Die』で広く知られる存在になる。この時期は一気に注目を浴びた一方で、テレビ出演のパフォーマンスやメディアの反応をめぐって厳しい批判も受けている。ピッチフォークなどからは、当時のインディー文脈やフェミニズムとの距離感をめぐる指摘も出ていた。
ただ、その後も作風は大きくぶれず、自分の美学や関心を軸に作品を重ねていく。2019年の『Norman Fucking Rockwell!』では批評面での評価が大きく上向き、現在では代表作のひとつとして扱われることが多い。初期からの評価の揺れを経て、現代のシンガーソングライターの重要な存在として見られている。
Lana Del Reyの音楽は、ロックやポップを土台にしながら、インディー・ポップ、トリップホップ、バロック・ポップ、ドリーム・ポップの要素を含む。曲ごとに雰囲気は違うが、編曲は比較的丁寧で、声の置き方やメロディの運びを重視するタイプだ。初期作から『Born to Die』期、そして『Norman Fucking Rockwell!』以降まで、ポップソングの形を使いながら、歌詞やサウンドで独自の方向を続けている。
また、デモや未発表曲が多いことでも知られている。May Jailer、Lizzy Grant、Born to Die期を中心に、200曲を超える楽曲が流出したとされている。作品数の多さも含めて、制作活動の幅はかなり広い。