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Lauryn Hill(ローリン・ヒル)は、1975年5月26日にニュージャージー州イースト・オレンジで生まれたアメリカのシンガーソングライター、ラッパー、プロデューサー、俳優だ。ジャンルはHip Hop、Funk / Soulを軸に、Conscious、Contemporary R&B、Neo Soulの要素でも知られている。
キャリア初期は、ヒップホップ・トリオのFugeesの一員として存在感を示した。ここでの活動を通じて、ラップと歌の両方を行き来するスタイルや、楽曲にメッセージ性を持たせる姿勢が広く知られるようになった。Fugeesではグラミー賞も2度獲得している。
1998年にはソロ・デビュー・アルバム『The Miseducation of Lauryn Hill』を発表した。この作品は商業的にも評価面でも大きな成功を収め、1999年のグラミー賞ではアルバム・オブ・ザ・イヤー、最優秀新人賞を含む5部門を受賞している。
この受賞は、ヒップホップ作品として初めてアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得した事例として記録されている。また、ローリン・ヒル自身も女性アーティストとして初めて、一夜で5部門以上を受賞した人物になった。23歳でのこの結果は、当時のヒップホップがメインストリームの音楽シーンで評価を得ていく流れの中でも、かなり重要な出来事として扱われている。
ソロ作の成功後、ヒルは名声や音楽業界への違和感を理由に、公の場からほぼ姿を消した。本人は、社会からの操作や家族への現実的な脅威を感じたことも、距離を置く理由だったと語っている。
その後、2001年にはアコースティック・ギターの弾き語りを中心にした内省的なライブ盤『MTV Unplugged No. 2.0』を発表した。ここでは、スタジオ作品とは違う、より素のままの演奏に寄った形で楽曲を届けている。以後もメディア露出は少なく、活動のペースはかなり限定的だ。
ローリン・ヒルの音楽は、ヒップホップの語り口に、ソウルやR&Bのメロディ、ファンク由来のリズム感を組み合わせた作りが特徴だ。ラップだけで押し切るのではなく、歌唱を自然に混ぜる点も大きい。Consciousの要素があるため、個人的な感情だけでなく、社会や人間関係に触れる内容も目立つ。
『The Miseducation of Lauryn Hill』では、そうした要素がアルバム全体の流れの中で整理されていて、ヒップホップ、R&B、ソウルの境目を行き来する構成になっている。後のNeo Soul周辺のアーティストを語るときに、彼女の名前がよく挙がるのも、この作品の影響が大きい。
2013年には、2005年から2007年分の申告漏れをめぐって脱税の罪を認め、禁錮3か月、自宅拘禁3か月、保護観察9か月の判決を受けた。その後も公の場への露出は少ない。
一方で、2023年には『The Miseducation of Lauryn Hill』発売25周年を記念したアリーナ・ツアーを行った。さらに、Roots PicnicやGlobal Citizen Festivalでは、Wyclef JeanやPrasとともにFugeesとしてサプライズ再結成ステージも披露している。
現在は、レゲエ・ミュージシャンのBob Marleyの四男Rohan Marleyとの間に5人の子どもがいる。活動は最小限に抑えつつ、必要な場面で音楽活動を続けている。
ローリン・ヒルは、Fugeesでの成功、ソロ作での歴史的な受賞、そして長い沈黙と限定的な復帰まで含めて、ヒップホップとR&Bの文脈で語られ続けているアーティストだ。作品数は多くないが、残したインパクトはかなり大きい。