Vinyl Record Reviews
Linda Perhacsは、1943年9月21日生まれのアメリカのシンガー・ソングライターだ。ジャンルとしてはRock、Folk、World, & Countryにまたがり、スタイルはExperimental、Psychedelic Rock、Acoustic、Folk Rockに分類されている。特に、サイケデリック・フォークの文脈で語られることが多い。
彼女のデビュー作は1970年発表の『Parallelograms』だ。もともとプロのミュージシャンとして前面に出ることを目指していたわけではなく、1960年代後半のビバリーヒルズで歯科衛生士として働きながら、私的に楽曲制作を続けていた。
平日は歯科衛生士、夜や週末に音楽活動という生活を送り、その中で作品を作っていたという背景がある。そんな中、担当患者の一人だった映画音楽作曲家レナード・ローゼンマンが彼女のデモを聴き、レコーディングの流れにつながった。ここから『Parallelograms』が完成している。
『Parallelograms』はリリース当時、ほとんど注目を集めなかった。販売面でも大きな成果は残せず、しかも製造上の問題もあって、本人はその音を「木のような音」と表現している。レーベルから十分なプロモーションも受けられず、彼女はそこで音楽活動から離れ、歯科衛生士としての仕事に戻った。
ただ、このアルバムは後年になって再評価された。1998年以降、レコード愛好家の間で再発見され、何度も再発されている。さらに、ニュー・ウィアード・アメリカの流れやインターネットの普及もあって、作品への関心が広がっていった。
Linda Perhacsの音楽は、アコースティックな響きとフォークの要素を土台にしながら、サイケデリック・ロックや実験的な要素を含んでいる。派手なロックの構成よりも、声、ギター、音の重なり方に耳が向くタイプの作品として受け取られている。
『Parallelograms』は、フォーク・ロックの範囲に収まりながら、当時の主流から少し外れた作り方をしていた点が特徴だ。のちの再評価でも、その独特の構成や音の扱いが注目されている。
『Parallelograms』の再評価は、本人の活動再開にもつながった。2014年には2作目『The Soul of All Natural Things』を発表し、2017年には3作目『I'm a Harmony』をリリースしている。
デビュー作が長く埋もれていた一方で、その後の作品までつながっていった流れは、彼女の音楽が後年になって改めて聴かれたことと深く関係している。最初のアルバムだけで終わらず、時間を置いてから新作を発表した点も、Linda Perhacsの活動歴を追ううえで重要なポイントだ。
Linda Perhacsは、最初の1枚が長く埋もれたあとに再び注目を集めたアーティストだ。活動歴を見ると、一般的なヒット志向のキャリアとは少し違う流れがはっきりしていて、その経緯も含めて作品が聴かれている。