Vinyl Record Reviews
Musiqueは、プロデューサーのPatrick Adamsによるスタジオ・プロジェクトだ。アメリカのディスコ・シーンで活動し、Funk / Soulを土台にしたDisco作品で知られている。メンバーとしてはJocelyn Brown、Christine Wiltshire、Gina Taylor、Marissa DeJan、Mary Seymour、Denise Edwardsらの名前が挙がっている。
Musiqueを語るうえで、Patrick Adamsの存在は外せない。彼はBlack Ivory、Inner Life、Cloud One、Bumblebee Unlimitedなど、複数のプロジェクトを手がけたプロデューサーで、生涯で1000本以上のレコーディングに関わり、300曲以上を作曲したとされる。ディスコ黄金期を支えた人物として評価されていて、Nile Rodgersが「自分にとって最も好きな作曲家/プロデューサーの一人であり、最大の影響源の一人」と語っている。
Musiqueのデビューアルバムは『Keep On Jumpin'』だ。ニューヨークのBob Blankのスタジオで、トラッキング・セッションを4時間で終えた低予算プロジェクトとして制作された。制作規模は大きくなかったが、そこで作られたサウンドがその後のMusiqueの印象を決めていく。
『Keep On Jumpin'』からのシングル「In the Bush」(1978年)は、あからさまに性的な内容の歌詞が問題になり、多くのラジオ局で放送禁止になった。この曲は当時の反応も含めて広く知られていて、ディスコ全盛期を象徴する楽曲の一つとして扱われている。
Musiqueの音楽は、Funk / Soulを基盤にしながら、ディスコのリズムや反復を前面に出した作りが特徴だ。Patrick Adamsは表舞台に出るタイプではないが、楽曲の設計やアレンジを通して、ダンスフロア向けの構成をはっきり作り込んでいる。低予算の現場から生まれた作品でも、ディスコの文法を押さえたトラックとして機能している。
Musiqueは、ヒットの規模だけで見ても、ディスコ史の中ではかなり重要な位置にある。特にPatrick Adamsの仕事は、派手に前へ出るものではないが、ディスコというジャンルの発展に具体的な足跡を残している。作品数の多さや他アーティストへの影響を含めると、Musiqueはその活動の一部として見ても、当時のシーンを理解するうえで外しにくい存在だ。